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長島コラム「乾坤一擲」

5月11日 (火)

菅代表辞任に政治家の役割を考える

昨晩、菅代表が辞意を表明した。まことに残念だが、もはやこれ以外に道はなかった。

「遅きに失した」というのが、大方の見解だろう。 しかも、民主党が与党と「談合」したという印象を与えてしまった3党合意を死守しようとしたことも、国民の批判にさらされることになろう。

そもそも、あの3党合意は、タイミングの拙さといい、内容の曖昧さといい、党内手続き上の瑕疵といい、「民主党らしさ」のまったく感じられない代物だった。これを素直に支持する人は党内にもほとんどいない。しかし、である。いかに拙い「指し手」でも、公党間の合意。これを破棄したら、政党の体をなさない余りに幼稚な組織ということになる。

まさに、この一点で、昨日の両院議員懇談会は、白紙撤回論を斥け、最終決断を役員会に一任することで4時間余りに及ぶ激烈な議論の幕を閉じたのだ。

それにしても、この週末、たしかに往生際は悪かったかもしれないが、菅さんが自らの口で、TVキャスターやコメンテーターから罵倒されながらも、最後まで説明責任を果たそうとした姿に私自身は感動を覚えた。

昨日の両院議員懇談会の席上でも多くの同僚議員が叫んでいたが、政治家は二言目には、「国民の声に耳を傾けるべき」と言う。しかし、その国民に対し、説明し説得する努力を尽くす人は余りにも少ない。説明責任を果たさない「民意の反映」は、単なるポピュリズムではないか!

3党合意を批判するのは簡単だ。しかし、この3党合意が国民のための真の年金改革(つまり、持続可能で公平な一元化された年金制度の創設)を進めるための重要な橋頭堡となる可能性を秘めている点を、国民に向かって説明する努力をどれだけ尽くしたのか?

3党合意は自民党の術中にはまった、というのは簡単だ。しかし、この3党合意を何が何でも実現させる努力をどれだけ尽くしたのか? 今日、政府案は衆院を通過してしまったが、参議院の舞台があるではないか! 参議院で、3党合意の中身を曖昧にして言い逃れする(であろう)与党を徹底的に追い詰めて行くのだ。それでも可決されてしまったら、今度は、参院選挙に舞台を移し、昨年のマニフェストで国民に公約した年金一元化を目指す民主党の改革案を高く掲げて、与党を追い詰めるのだ。

3党合意は確かに拙い指し手だったが、絶望的とまでは言えないだろう。希望が残されている限り、真摯に、懸命に、国民に訴えるのだ。それこそが、政治家の役目ではないか!

たしかに、菅さんの辞任は1週間遅かったと思う。番組から番組を渡り歩き、罵倒され、嘲笑され、「いつ辞めるのか」と迫られまくった菅さんの姿は憐れを誘うものだったかもしれない。しかし、「それでもなお!」(マックス・ウェーバー『職業としての政治』)と歯を食いしばって説明責任にこだわった菅さんの政治家としての凄まじいファイティング・スピリットには、多くのことを学ばされた。

民主党は、一刻も早く新体制を発足させ、マニフェストをさらに進化させ、全議員が正々堂々と年金保険料納付記録を開示し、反転攻勢をかけていかねばならない。新人である私が、党内政局に深く関わっている余裕はないが、これまで菅−岡田体制の下で積み上げてきた透明度の高い意思決定メカニズムやマニフェストを中心とした政策本位の政党文化をさらに進化・発展させられるような新体制づくりに微力を尽くしたい。

そうすれば、必ず国民・有権者の皆さまの信頼を回復できると確信する。ぜひとも、応援してください!