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長島コラム「乾坤一擲」

5月31日 (月)

台湾、韓国、北朝鮮

町田市での拉致問題シンポジウムは、有意義であった。

横田ご夫妻をはじめ、森本敏先生、黒岩さん、そして、逢沢外務副大臣を交えてのパネルディスカッションでは、小泉外交の危うさを浮き彫りにされ、拉致問題解決に向けた国民運動の再構築を会場に詰め掛けた4000人の皆さんと誓い合うものとなった。

細かい点は省略するが、私の発言要旨は以下のとおり。

○外交は急いだほうが損をする。
○日朝国交正常化を急ぐ理由は、日本側にはない。
○拉致問題は、交渉の対象ではない。解決を北朝鮮に要求すべきもの。
○核とミサイルについて交渉すべき。
○交渉は、「対話」と「圧力」の効果的な組み合わせで。(したがって、「制裁せず」などと軽々に言うべきでない。)
○また、交渉である以上、お互いに譲歩すべきもの。
○したがって、核とミサイルの放棄については、6者協議を舞台に、安全の保証や経済協力を含め大胆なインセンティヴを北朝鮮に与えてよい。
○しかし、あくまでも、日本がその交渉に入る前提条件は、拉致問題の解決。
○拉致問題の解決とは、拉致被害者家族の8人の無条件即時帰国、10人の安否不明者の誠意ある調査結果の報告、その他の特定失踪者についての日朝合同調査の継続的実施の協定締結である。
○国交正常化は、そのようなプロセスによって、日朝間に不信感が解けた結果、実現するもの。(米中国交正常化(1979年)もキッシンジャーの電撃訪中(1971年)からじつに8年かかったことを想起されたし。)

さて、韓国、台湾出張の報告をごく簡単に。 韓国では、北朝鮮の人権抑圧、とくに、中国領内に命がけで脱出を図り(「脱北者」とよばれる)、不法入国で摘発され強制送還された人々のたどる運命について、詳細な報告がなされた。彼らの大半は、死刑になるか、親族がまるごと強制収容所送りだという。私からは、中国は、1951年に国連の難民条約に加盟しているのであるから、「脱北者」を難民と認定し、国連の難民機関の保護下に移管すべきことを訴えた。その際の、難民支援を衛生、食料、教育など多岐にわたる国際的な枠組みで大々的に実施する必要がある。

台湾は、陳水扁総統の2期目の就任式に招待していただいた。交流協会の内田台北所長主宰の夕食会では、李鴻喜・国立台湾大学法律学院名誉教授(元台湾法学会理事長)に初めてお目にかかる。東京大学留学時代に、我が国憲法学の泰斗・故芦部信喜教授に師事された李教授は、日本国憲法の、とくに人権条項を絶賛され、権力分立、基本的人権の尊重、法治主義、法の支配を貫徹した台湾の新憲法起草に並々ならぬ決意を表明された。憲法改正を標榜する私としては、若干複雑な思いだったが、とくに身体の自由と適正手続(デュー・プロセス)について語られた李教授の真剣な眼差しは、長く戒厳令下で弾圧されてきた民進党関係者のこれまで苦難と重ね合わせ、強く印象に残った。

いずれにしても、国会のみならず海外においても、日本国の立法府および国民の皆さまを代表して、このような貴重な経験をさせていただけるのも、選挙区において私を支持し選挙してくださった有権者の皆さんのお陰さまと改めて感謝申し上げます。