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9月19日 (月)

前原新代表の誕生!

民主党が総選挙に惨敗し、自らも小選挙区での議席を失い、比例で辛うじて復活当選させていただいてから、瞬く間に1週間が過ぎ去った。

敗戦に打ちひしがれている間もなく、朝の駅頭に立ち、逆風の中にもかかわらず私に期待の一票を投じてくださった98749人もの方々はじめ有権者の皆さんの温かいご支援に心からの感謝を述べ、2期目に向けて決意を新たにこの間熱烈に支えてくださった地元の皆さまへの挨拶回りを続けてきた。

そして、ここ数日は、党再生を賭けた代表選挙に全力を注いだ。大激戦となったが、2票という僅差で、前原誠司新代表を誕生させることができた。これからが正念場であるが、小さな一歩ながら素晴らしい再建へのスタートが切れたと思う。

私自身にとっても、苦しい決断であった。菅さんには浪人時代から何かとお世話になってきた。とくに、初当選をさせていただいた選挙戦の最終街頭演説会には当時代表だった菅さんが駆けつけてくださり、そのお陰もあって相手候補を僅差で振り切った。私にとってまぎれもなく政治の世界における恩人である。

しかし、今回の代表選は、そういう過去の経緯とは一線を画して、民主党の将来、延いては日本の民主主義の将来を見据えたきわめて重大な決断を一人の政治家としてなさねばならなかったのである。私の心を動かし、魂に火をつけてくれたのが前原誠司の決断だった。彼は、代表選に出馬する決意を私に伝える際に二つのことを明言した。

民主党を戦う集団に変えるため、「内なるしがらみ」と「外なるしがらみ」を断ち切ると断言したのである。「内なるしがらみ」とは、党内のグループの支援を受けて立候補するといった(これまでの代表戦に見られた)依存と取引のしがらみである。これを断ち切って初めて、党再生のための主体的なリーダーシップが発揮できることになる。今回、前原さんは、誰に相談することもなく、どのグループに応援を頼むこともなく、いかなる党内実力者の後ろ盾を期待することもせずに、たった独りで決意した。実際、野田佳彦さんも、この決意に胸を打たれ、即座に選対本部長を引き受けたのである。

「外なるしがらみ」とは、特定の支援団体との依存と迎合のしがらみである。前原さんは、立候補表明の記者会見でも、代表選挙の立会演説会でも、代表選出後の記者会見でも、一貫して、総選挙敗北の主因が、郵政公社関連労組への迎合によって郵政民営化の対案が出せず、選挙戦中に郵政改革について政策的にブレたことが総選挙惨敗の主因であると明言した。さらに、今後は、改革の本丸を「税金の無駄遣い(の原因となっている既得権の)打破」と位置付け、公務員改革に乗り出す姿勢を鮮明にした。ここでの障害は、ずばり官公労である。

民主党を「真の改革政党」に変えるためには、労働組合との関係は最大の試金石である。この際、民間労組と官公労との存在目的の決定的な差異を軽視することはできない。生き馬の目を抜くような厳しい経営環境の中で、労使が企業の生き残りをかけて協調している民間と異なり、官公労の場合には、明らかに「官のリストラ」の障害となってしまう。この問題に敢えて挑戦する姿勢を見せたことが、多くの同志を動かす最大の要因となったのである。

これが、前原誠司出馬の原点であった。そして、皮肉なことに、この二つのポイントが、前原支援に回った私たちにとって、代表選挙を戦う上での最大の難問となったのである。どういうことか。つまり、「内なるしがらみ」打破の姿勢は、たとえば、小沢さんのグループからは「排除の論理」などと猛烈な反発を浴びた。 また、「外なるしがらみ」打破の姿勢は、労組系議員からの強烈な不信感を招いてしまった。

したがって、私たちは、グループ単位で支援のお願いをすることができず、ましてやポストを約束したりして投票依頼することもできず、あくまでも、一人一人の議員の政治家としての良心に訴えるほかなかった。だから、最後まで、正確な票読みは不可能だった。多くの議員は、両院議員総会での立候補演説を聴いてから判断する、というものだった。事実上、全てのグループが自主投票となった。

そして、結果は、96対94という僅差の勝利。前原候補のこだわりによって著しい制約の下で戦いとった96票。それだけに価値ある勝利だった。票差は2票だが、前原誠司に投じられた一票の価値はその3倍ぐらいあったと思う。

あらゆるしがらみを断ち切って、民主党を戦う集団に変える!

これが、「新生・前原民主党」出発の原点である。 前原誠司のこだわりに、多くの同志が共感してくれた。 そして、これが、燎原の火のごとく全国に広がっていくに違いない。 なぜなら、全国には、この大惨敗にも負けずに、敗戦の翌日から駅頭に立って、選挙区中を走り回り、すでに戦いを再開している惜敗の同志が大勢いるのである。 そして、戦う民主党は、必ずや政権交代で日本を刷新したい、と願っている全国の心ある有権者を動かしていくと確信する。

そして、21日から特別国会が始まる。
400議席のガリバー与党との対決だ。
400人の小泉イエスマンに対し、私たちは200人の戦う集団で反転攻勢をかける。
与党迎合でも、反対のための反対でもない、新たな国会論戦を挑む。
その目的は、次期総選挙で有権者の皆さんにきちっと政権選択を求めること、この一言に尽きる。

政治は、一発花火ではない。 マックス・ウェーバーが喝破したように、「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力を込めてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である。」
次期総選挙までの3−4年、私たちが、忍耐強く、結束を緩めず「堅い板に力を込めてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業」に没頭できるかどうか、多くの国民はそこに注目するであろう。
もとより険しい道のりであるが、「不動心」で臨みたい。