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長島コラム「乾坤一擲」

2月19日 (月)

拉致、核、ミサイルの包括解決に向け、ここが日本外交の踏ん張りどころ

北朝鮮の核開発をめぐる6ヶ国協議が合意に達しました。北朝鮮が核を放棄するのと引き換えに経済エネルギー支援を行う6ヶ国合意の「初期段階」の第一歩が動き出すことになりました。  米中主導の曖昧解決との批判や、拉致問題にこだわる日本の孤立懸念が巻き起こっていますが、今回の合意をめぐる評価は非常に難しい。たしかに、合意内容を批判しようと思えば、いくらでもできます。たとえば、寧辺の核施設についてはあくまで「活動停止」「封印」であって、交渉がうまくいかなければ、再稼働の可能性も残っています。そもそも今回の核危機のきっかけとなったウラン濃縮計画については全く触れられていません。すでに北朝鮮は、「核施設の臨時停止に100万トン」と喧伝しています。米政府の内外からも、結局北朝鮮にだまされた1994年の米朝合意の繰り返しだとの批判が出ています。

 しかし、今回の合意を非難するだけでは無責任です。これまでブッシュ政権がとってきた「悪事には報酬は与えない」という北朝鮮無視政策では、結局、北の核開発が進むばかりです。どこかでディールして、北朝鮮の暴走を止めなければならなかったのです。これは、我が国の安全保障にとっても死活的な課題です。

 今回の6ヶ国協議では、拉致問題にこだわり北朝鮮に対する支援に消極的な日本が孤立したとの指摘がありますが、この批判は的外れです。核放棄を実現させるため、北朝鮮と取引する「バスに乗り遅れるな」という趣旨だと思いますが、このバスはやり過ごしてもいい。否、拉致問題を解決するためにも、ここは断固やり過ごすべきです。

 なぜなら、最終的には、日本の経済支援がなければ、重油95万トンの追加支援など6ヶ国協議の合意そのものを履行できないスキームになっているからです。そういう中で、外務省がエネルギー支援への「間接的な協力」に言及したことは問題です。拉致で日本は妥協しないという姿勢が中途半端な印象を与えてしまうことになるからです。北朝鮮に日本の足元を見られ今後の交渉で付け入る隙を見せてしまいました。ここは日本外交の踏ん張りどころです。

 そもそも、拉致問題は日朝2国間では解決できません。拉致問題を動かすテコになるのが6ヶ国協議なのです。拉致解決と6ヶ国協議をリンクさせて、米国や中国を動かして北朝鮮の姿勢を改めさせるしかない。そのためは、「拉致問題解決なくして日本の経済支援なし」との基本原則を揺るがせにしてはいけません。北朝鮮が拉致問題を進展させなければ、6ヶ国合意自体が履行できない、という現実を他の5ヶ国に突きつける以外に、解決の道はありません。

 核、拉致、ミサイルの包括的解決は、国民の生命、財産にかかわる国家安全保障にかかわる重大問題ですから、与党も野党もありません。無責任な批判は慎み、ここは一枚岩でいくべきだと考えます。