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【笹川委員長】
これにて小泉君の質疑は終了いたしました。
【長島委員】民主党の長島昭久です。民主党の安全保障部会を代表して質問をさせていただきます。 さて、きょうは台湾の総統選挙公示日でございます。この台湾の総統選挙、余り報道されておりませんけれども、我が国の安全保障にとっては大変重要な出来事であるということは、もう御案内のとおりであります。 きょう、ちょうど産経新聞に、中嶋嶺雄さんが一稿を投じておられます。「今回の選挙は、台湾の命運を左右する大きな意味を持っている。日本の国益にも関わる岐路になるかもしれない。」「台湾人の政党である民進党が勝つのか、中国人の政党である国民党が」政権を「奪回するのかという選択だ」「仮に民進党が敗北し、中国が期待する国民党・親民党政権が誕生すれば、李登輝前総統が十二年間にわたって蓄積してきた台湾民主化と台湾人としてのアイデンティティー深化の路線が大きく揺らぐことになろう。そうなれば、近年ますます強大化しつつある中国が台湾を呑み込むことにもなりかねない。」こういう大変示唆に富む御指摘をされておられます。 せんじ詰めれば、今回の台湾の総統選挙というのは、アジアにおける民主主義の真価というものを問う大変重要な試金石であると同時に、この事態を、中国という、これから伸びていく、伸び盛りのこの大国がどう扱っていくのか、そういう事態にどう対応していくのか、中国の対外姿勢の成熟度も示す試金石になると思います。 中国大陸から来た人たちではなくて、今、台湾の人口を占めている八割の台湾人による台湾人のための政権、台湾人の自由な意思に基づく政権づくりをしていこうという、この今回の大変意義深い――九六年に初めて李登輝政権が民主選挙を行いました。そして、二〇〇〇年には、日本も余りやったことのない政権交代をしっかり実現をしたこの台湾。今回、台湾人の民進党政権がどうなるかということは大変重要な、私ども日本にとっても重要だと思うんですね。そして、この台湾の民主主義については、私ども日本人の多くが心ひそかに応援をし、そして、その成熟ぶりに拍手を送ってきたと思います。 一九七二年に、日中の国交正常化のときに台湾と断交をいたしまして以来、非公式な関係にとどまっておりましたけれども、非公式ながら、文化やあるいは経済の分野で日本と台湾は大きな交流を続けてまいりました。今や、人の交流だけとっても年間二百万という大変な交流がありますし、経済、貿易の総量で見ても、アメリカ、中国、韓国に次ぐ、日本の貿易相手国としては第四番目の相手国になっております。 こういう台湾で行われる今回の総統選挙、今回、陳水扁政権は、総統選挙に合わせて、公民投票、我が国でいえば国民投票でありますね、公民投票をやろう、こういう発表をいたしました。ところが、この国民投票は中国から大変評判が悪い。アメリカもたしなめた経緯があります。 再選を目指す陳総統がとった手段というのは、中国のミサイルの脅威、今中国は台湾に向けて四百九十六基のミサイルを射程におさめている。この脅威はもう尋常な脅威ではありませんね。私どもも明治の時代に、あのロシアの南下政策で相当な脅威をこうむった歴史的経緯がありますので、こういう強大な国がまさに両岸を挟んでいるということ。そして、そういう中で、ぎりぎりの立場で選挙をやる。そういう中で、このミサイルの脅威に対して台湾はどうしたらいいでしょうかという公民投票を陳水扁政権がやろうということ。 これに対して、日本の外務省は待ったをかけましたね。なぜでしょうか。 【川口国務大臣】台湾についてのことでございますけれども、まず、そもそも台湾に対する我が国の立場ですけれども、これは日中共同声明にあるとおりでございまして、二つの中国とか一中一台と言われる立場はとっていないわけでございます。台湾の独立も支持をいたしておりません。我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いを通じて平和的に解決をされること、そのための対話が早期に再開をされるということを望んでいるわけでございます。 それで、今先生が、待ったをかけたというふうにおっしゃられましたけれども、我が国としては、この公民投票の実施を含む台湾の動向につきまして、台湾海峡及び地域の平和と安定の観点から、我が国としてはこれを関心を持って注視しているところでございまして、昨年の末に、慎重な対処を希望するということを台湾側に申し入れたということでございます。 【長島委員】それは、外務省が申し入れたということですか、日本国の外務省が申し入れたということでしょうか。 【川口国務大臣】これは、日本政府として、相談をした上で、具体的に申し入れた人間というのは、交流協会の所長が申し入れたということでございます。 【長島委員】申し入れの内容について、もう少し詳しく説明していただけませんか。 【川口国務大臣】これはまず、大きく言って二点ございますけれども、最初に、台湾に関する我が国政府の立場は、日中共同声明にあるとおりであり、我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いを通じて平和的に解決されること、そのための対話が早期に再開されることを強く期待しているということです。これが一点目です。 それから二点目ですけれども、しかし、最近の陳水扁総統による公民投票の実施や新憲法制定等の発言は、中台関係をいたずらに緊張させる結果となっており、我が国としては、台湾海峡及びこの地域の平和と安定の観点から憂慮している。我が国としては、現在の状況が今後さらに悪化することは回避する必要があると考えており、陳総統が就任演説で行った「四つのノー、一つのない」を遵守され、この地域の平和と安定のため慎重に対処をしていただくことを希望する、そういうことでございます。 【長島委員】重大な問題が二つありますね。 正式な国交のない日本と台湾であります。これは大変不幸な歴史がありました。にもかかわらず、日本政府が外交チャンネルを通じて台湾に向かってああだこうだと言うということは、これは公式なチャンネルじゃないんでしょうか。 【川口国務大臣】交流協会の所長、台北事務所長から申し入れたというふうに先ほど申しましたけれども、交流協会というのは、日台間の交流を円滑に進めていくための民間ベースの実務処理機構ということで、台湾の各方面との間で協議、交渉を行っているということでございまして、このこと自体、これは日中共同声明に反するものでもなければ、こういうことを行うということについては問題はないと思います。 【長島委員】本当に問題ないですか。台湾のどなたに交流協会の所長から、私、手元に持っていますよ、我が国政府の立場を伝達したと。文化交流や経済交流なら問題ないんです。極めて政治的な、高度な政治性のある問題について、外務省は我が国政府の立場を交流協会の所長を通じて台湾のどなたに伝えましたか。 【川口国務大臣】この相手方でございますけれども、邱義仁総統府秘書長であります。 【長島委員】台湾の場合はちょっと名称がわかりにくいんですが、総統府秘書長というのは官房長官であります、日本の国に例えてみれば。これは立派な公式チャンネルじゃないでしょうか。公式チャンネルの行使をしたということをお認めになりますか。 もう一言申し上げましょう。交流協会のカウンターパートは本来、亜東協会じゃないですか、台湾の。本来のルートだったら、カウンターパートである亜東協会に一言言えば済む話じゃないですか。それを飛び越して、わざわざ相手様の官房長官に当たるような方に申し入れをした。これは全然問題ありませんか。 【川口国務大臣】交流協会は、日台間の交流を円滑に進めていくというための組織でございまして、この交流協会が今回行ったようなルートでこういう種類の話をするということは、問題があるとは考えておりません。 【長島委員】これは問題大ありですよ。中国だって戸惑っているんですよ。中国は、申し入れをした次の日に、よくやったというような外務省のコメントを出しているんですね。しかし、その後、待てよと。これは公式のチャンネルを使ってやっていることじゃないだろうかということで、かなり中国も戸惑っているそうなんですが、全く問題ないと本当にお考えですか。 それから、ほかにこういった政治的な問題に、七二年に断交してから、政治的な問題に日本国政府の意思をこういう形で伝達した前例はありますか。 【川口国務大臣】中国の反応でございますけれども、これについては、トウカセン国務委員、王毅外交部副部長を初め、中国政府からは、日本政府の態度表明を評価するという反応が出ております。そして、交流協会から申し入れたということ自体は、日中共同声明との関係で、これに反するものではないと考えております。 それから、こういうような問題について申し入れたことが今まであるかということでございますけれども、何をもって政治的な問題かということにもよりますが、例えば、これまでも交流協会を通じまして、漁業の問題、排他的経済水域の問題ですね、そういうことについては台湾側に対して我が国の立場を申し入れているということでございます。 ただ、他方で、地域の平和と安定に関する問題、地域の平和と安定という観点から日本の立場について台湾側に申し入れたということは、今回、初めてであります。 【長島委員】そうなんですよ。本当にこれは政治的には大変高度な問題なんですよ。しかも、この公民投票というのは総統選挙と一緒にやるんですよ。これはあからさまな選挙干渉じゃないですか。内政干渉であると同時に、選挙干渉に当たるんですよ。そういう効果について、どれだけ政府の中で議論があったんでしょうか。 【川口国務大臣】まず、これにつきましては、台湾海峡及び地域の平和と安定という観点から、我が国の主体的な判断に基づいて申し入れたわけですけれども、これにつきましては、政府としての意思決定を行った上で行っております。(発言する者あり) 【長島委員】今、いい質問が後ろから飛んでいますけれども、どういう形の政府の意思決定がなされたのか、御説明ください。閣議ですか。決定の責任者がだれか、あわせてお答えください。 【川口国務大臣】これはきちんと、官邸も含めて、決裁をいただいております。 【長島委員】これはぎりぎり突っ込んでいってもいいんですけれども、もう一つの問題に行きましょう。 中台関係をいたずらに緊張させる結果となったというんですね、この公民投票の実施や新憲法制定などの発言というのが。中台関係をいたずらに緊張させるとはどういうことですか。具体的に説明してください。 【川口国務大臣】九六年の選挙のときのことを思い起こしていただきますと、このときは、米国が空母を派遣し、そして中国がさまざまな行動をとった、そういうような事態があったわけでございます。 こういったその地域の平和、台湾海峡及び地域の平和と安定に関しての、その観点からこのことを注視しているという国は我が国だけではございませんで、例えば米国につきましてもそれからフランスにつきましても、それぞれこういうような趣旨の意見の表明ということをやっております。 【長島委員】今、アメリカとフランスもやっているから日本もやるんだ、こういうお話がありましたけれども、フランスは、ほとんどこの地域に対して関心はありませんから問題外だと思いますけれども、アメリカは、外務大臣も御存じのように、もし一たん緩急あれば、中国が武力行使に出てくるような事態になれば最後まで責任をとるという台湾関係法があるんですよ。独立は許さないとは言いながら、もし中国側が武力行使をしてきた場合にはアメリカが飛んでいって助けると。 あのブッシュ大統領も、温家宝首相が行かれたときに、例の、今回は現状を変更するようなことになりかねないから慎んだ方がいい、そういう発言をした。その同じ文脈で、もし中国が武力行使に出るようだったらウイ・ウイル・ビー・ゼアと言ったんですよ。我々はそこに駆けつけるだろう、そういう言い方をしているんですよ。アメリカは最後まで責任をとる覚悟と能力があって介入しているんですよ。日本は空手じゃないですか。 しかも、九六年の話を今前例として引かれましたけれども、九六年のときだって、我が国は耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、沈黙を破らなかったんですよ。 今回沈黙を破った緊急性、どういう理由で九六年の当時あるいは二〇〇〇年の当時と違うのか、今回どこに緊急性があったか、説明してください。 【川口国務大臣】九六年の時点でも同じようなことがあったわけでして、公民投票ですとかそれから新憲法制定の動きとか、同じような動きがあったということでございます。 それから、先ほど、アメリカのケース、アメリカは最後に責任をとるつもりだからというふうに言われましたけれども、アメリカが何を言っているかといいますと、これは、中台いずれの側であろうと、現状を変更するいかなる一方的動きについても反対である、台湾指導者による最近の言動は現状の変更を一方的に決定しようとしている可能性を示すものであり、米国はこれに反対である。最後は、おっしゃったような形で、最終的に、いろいろなことができるアメリカですら、こういうことを言っているわけでございます。 我が国としては、台湾というのは我が国のすぐ近くに存在をする地域であって、ここが、台湾海峡が平和、安定であるということは我が国の平和と安定に密接な関係を持っている、非常に強い影響を持っているわけでございます、という観点で我が国としては申し入れたということでございます。 【長島委員】おっしゃることを伺っていると、アメリカが、現状変更は許さない、だから慎んでほしいと言うその理由づけを外務大臣も正しいと思っておられるようなんですが、公民投票をやることがなぜ現状を変更することにつながるんでしょうか。御説明ください。 【川口国務大臣】九六年の例を申し上げましたけれども、台湾海峡あるいはその地域の平和と安定と言っていますのは、今回起こったようなさまざまな動き、あるいは前回起こったようなさまざまな動きということの観点からしますと、まさに、公民投票あるいは新憲法制定の動きということがもたらし得る結果、これを懸念しているということであります。 【長島委員】どういう結果ですか、はっきり言ってください。皆さん、国民もこれはインターネットを通じて見ているんですから。どういう結果がもたらされるのか、明確にお答えください。 【川口国務大臣】まさに、先ほど申し上げましたように、九六年のときに起こった台湾海峡をめぐる緊張、そういうことを見れば、そういうことが再来をするということは望ましくないということであると思います。 【長島委員】私たちも民主主義の国に住んでいるわけですね。民主主義の要求というのはブレーキがきかないんですよ。公民投票をやるというのは民進党結党以来の党是なんですよ。その民進党を台湾の人たちが選んだんですよ。したがって、党是に基づいて公民投票をやろう。 今回、公民投票の問題で外務省は茶々を入れました。これから永久に、こういう問題になったら積極的に介入していくようになるんですか。それも一つの手ですよ。それも一つの道ですよ。今回、大きな方向変換をしたんでしょうか、お答えください。 【川口国務大臣】どういう状況で他国に物を申し入れていくか。これは、そのときそのときの状況によって総合的に判断をしていく話であるというふうに考えております。 【長島委員】もうこれは、ぬえのように逃げ回るだけなんで。でも、この部屋におられる皆さん、あるいはインターネットを通じてこのやりとりをごらんになっている皆さんは、恐らく、相当重要な問題が起こっているなということを感じていただいたと思うんですね。 はっきり申し上げて、現状を変更しようとしているのは中国ですよ。四百九十六基のミサイルを、毎年五十基から七十基ずつふやしてきているのは中国ですよ。台湾の人たちがやっていることは、民主主義をそのまま深化させていこう、公民投票もやろう、自分たちの憲法をつくってみよう、これは自然な発露じゃないですか。日本は、実力も能力も意思もないのに、今回のような火遊びはやったらいけないんですよ。沈黙するというのも、あるときには必要な外交手段だと私は思います。 私たちにとって、中国にとってもアメリカにとっても日本にとっても一番重要なことは、現状を維持することです。だからアメリカはあいまい政策をとっているんですね、どういうときに介入するかわからない、でも、最後の一線を越えたら我々は踏み込むかもしれないという。 この現状維持というのは、今の中国と台湾との関係、先ほど私が申し上げました、中国がどんどんどんどん国際社会で大きくなっていく、経済も大きくなっていく、両岸の交流もある、このまま何もしていかなかったら、どんどんどんどんのみ込まれるトレンドなんですよ。海の上に小さな小舟を浮かべて、こがなかったら、どんどんどんどん潮の流れに任されて移動していくじゃないですか。台湾が今やろうとしていることは、そういう現状を何とか維持し続けるために、彼らなりの努力をしている。 それを今回の、まさに浅はかな、川口大臣が恐らく責任者だと思いますけれども、こういうことでそれを逆の方向へ振らそうとしてしまったということを、ぜひ責任を痛感していただきたいと思います。 時間がないので、次の質問に行きたいと思います。 次は、防衛庁長官、BMDの問題について質問をしたいと思います。 民主党は、ミサイル防衛システムについては賛成をしております。これは専守防衛にかなうということで、昨年十二月十九日の閣議決定後の民主党の談話、松本ネクストキャビネット防衛庁長官も、これを評価する、こういうふうに記者会見で申し上げております。 ただ、この十二月十九日の閣議決定で整備が決まったBMDは、九〇年代の半ばぐらいからでしょうか、私たちが聞かされてきた日米共同のBMDという、ずっとそういうことで日本は、日米が共同でやってこよう、そして調査研究から入って、やがては開発、生産、一緒にやっていこう、こういうことで、もう既にこの五年間で百五十億以上、調査研究費につぎ込んできましたね。 ところが、今回、私もちょっと唐突感が否めなかった。マスコミの報道を見ても、大分混乱しておられるようだ。その日の閣議決定の書面を見ると、これはアメリカとの共同研究とは関係ないんだ、日本独自のBMDなんだということを言っております。この辺は、ちょっと私も、賛成する立場ではあるんですが、多少透明性の観点からいって問題はないだろうかと思うんですが、防衛庁長官、いかがでしょうか。 【石破国務大臣】先生が御指摘の報道を私ちょっとよく存じませんが、日本独自のバリスティック・ミサイル・ディフェンスであるということを政府として申し上げたことはないだろうと思っております。もしあれば御提示をいただければありがたいのですが。 先生に御指摘いただきましたように、日米共同研究というものは、今三つやっております。ノーズコーン、キネティック弾頭、あとはロケットモーター、こういうものをやっております。この三つの研究というものと今回のBMDというものは、直接連関をするものではございません。 この三つの研究成果がやがて結実をするということがある。それはそれとして研究から開発に移っていくということも、それは将来的にあることかもしれません。これまた慎重な配慮を要することではございますけれども。しかしながら、それは今研究段階であるわけです。政府として、開発に移行するとかなんとか、そういうようなことを決めておるわけでも何でもございません。それで、今回導入をしようとしておりますのは、その研究の結実の進捗とこれはかかわり合いなく導入をするものでございます。 しかしながら、このBMDシステムというものに日米共同研究の成果というものが反映をするわけではございませんが、委員が唐突の感を受けたとおっしゃるように、あれとこの話との関係はどうなるんだということをお尋ねいただくとするならば、それはやはり、今回BMDを予算に計上するに当たりましても、相当に慎重な検討というものを行い、安全保障会議において決したという種類のものでございます。そこにおいて、いずれにいたしましても、この新しいような配備をいたしますときには、政府部内において慎重な検討の上に決定を行ったものでございます。そして、今予算において御審議をいただいておるというものであります。 【長島委員】確かに慎重な御議論があったんでしょう。そのことの是非についてはまたおいおい伺っていこうと思っています。 私が独自BMDと申し上げたのは、二つのタイプの、PAC3と言われている地上発射型の今のペトリオット2をもう少し進化させた形のものをアメリカ側から購入してくる、それから、今あるイージス艦というプラットフォームを使って、これもスタンダードミサイルのもう一つ進化したものを改修工事を通して購入しよう、こういうことでありますね。それで、私が独自と言ったのはどういうことかというと、これは官房長官談話、きょう官房長官いらっしゃっていればよかったんですが、集団的自衛権との関係について触れているくだりで、今回のこの閣議決定したシステムというのは「我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じません。」これが独自と私が言ったゆえんの一つであります。もう一つは、ここもまた後々議論しなきゃいけないんですが、「なお、システム上も、迎撃の実施に当たっては、我が国自身のセンサでとらえた目標情報に基づき我が国自らが主体的に判断するものとなっています。」 これは、もうちょっとかみ砕いて言うと、今までは、日米共同のBMDは、さすがに、日本も偵察衛星を上げますけれども、相手のミサイルが発射するときをとらえる早期警戒情報というのは、これは今持っているのはアメリカとロシアだけですから、ここはアメリカに頼りましょうという意味で、どんなに日本で頑張っても、早期警戒情報をアメリカに頼るわけですから、ここは独自のBMDはあり得ないんですね。 ですが、今回のこの官房長官談話には、独自のセンサー、我が国自身のセンサーでとらえた目標に向かって、目標情報に基づき我が国みずからの主体的判断でというと、これはもう自己完結するんですよ。これを独自と呼んで誤解を招きますか。 【石破国務大臣】失礼しました。そういう意味で言えば、独自です。 今の、私が委員の質問を誤解して申しわけなかったのですが、御指摘のように、パトリオットにいたしましても、イージスのVLSから発射しますスタンダードミサイルにいたしましても、これが独自の技術だというわけではございません。しかし、自己完結という意味で申し上げれば、それは独自という言い方を使えば、そういう意味で使えばそういうことになるんだと思います。 委員がまさしく御指摘になりましたとおり、これは私の知識でも十年ぐらい前の議論になりますが、いわゆる周回衛星で監視をし、そして静止衛星の赤外線探知システムによってそれがどこへ飛んでいるかというのを行い、そしてまたキューイング等々を行いということで、日本だけではできないのではないかという議論がございました。静止衛星を持たなければ、周回衛星だけでは意味がないので、自己完結しないのではないかという議論は、当庁内でも随分といたしてまいりました。 これが、私どもの独自のセンサーに基づいて、少なくとも、最低限という言い方は適当ではないですね、我々の独自のシステム、センサーを含みますが、それによって、かぎ括弧つきで申し上げれば、独自の運用ができる、そういう態勢にあるということを申し上げておるわけでございます。 【長島委員】独自でやられるというのは、それはそれで一つの方法でありますから、私はそこをとやかく言うつもりはないんですが、日米共同、日米共同と言ってきて、今回こういう形でちょっと唐突に出されて面食らった方がたくさんいらっしゃると思ったんで、その辺は確認をしておかなければならないと思ったんです。 そこで、一つ懸念があるんです。 日米共同、日米共同と言ってきて、だれの言葉かちょっと引用は忘れましたけれども、このBMDというのは日米同盟の共同行動において象徴的なものである、こういう言葉を言った方がおります。実は、マイケル・グリーン、大臣もよく御存じだと思いますが、私、昔一緒にワシントンで仕事をしたことがありますけれども、彼が本に書いているんですね。日本は、BMDのオプションは幾つかあるよ。全く何もしないこと、これも一つのオプションである。それからもう一つは、米国の配備だけでは不足する分を埋めるような配備の仕方があるだろう。それからもう一つは、米軍基地の防衛システムと重複して日本全土を防衛するようなシステム、つまりアメリカ側のやってくるMDと重複はいとわないんだ、日本は日本で勝手にやるんだ。こういう三つの方法がある、こう彼は書いたことがあるんです。 そういうことからすると、三番目の道を選択しようとされているのか。それとも、さっきちょっと長官おっしゃいましたけれども、行く行くは、今、もうこれまで百五十億つぎ込んできた調査研究をやっているあの四分野、これについての成果を何らかの形で取り込んでいくような、あるいはその成果物として最終的にフュージョンするようなそういう方向、つまり、今回発表された独自BMDが日米が離れていくような契機になりはしないかということを私は少し、いや、それはそれで、もしそうであれば、それは国の判断としてはあり得ると思いますよ。だけれども、そういう契機になるのか、それとも、いやいや、将来構想はこうなっていて、こういう形でフュージョンするんだということを、もしマスタープランがあれば、ここで御説明いただければありがたいと思います。 【石破国務大臣】そのマイケル・グリーンの論文は、私も何度か読みました。グリーンともそういう議論はいたしたことはございます。 これは、どんどん離れていくという方向にはもちろんなりません。そのことは委員もよく御案内のとおりであります。ただ、アメリカからの情報がなければ全く運用できないシステムなのかといえば、それはそうではないということでございます。 もちろん、日米同盟関係において全幅の信頼を置いているわけではございますけれども、それじゃ、もう情報衛星も要らないではないか、そういう議論も一時期ありました。何で日本が情報衛星を上げなきゃいけないんだ、そんなものはみんなアメリカが教えてくれるよということも議論としてはないわけではなかったのです。しかし、やはりきちんと情報は自分で持とう、そして、ミサイル防衛システムというのも自分の国で完結できるようにしよう、そういう努力をいたしてまいりました。しかし、そのことはアメリカ合衆国との距離を置くということを意味するものでは全くございません。 そして、今委員も御案内のとおり、やっております研究というのは、これは次の段階、さらにミサイル防衛システムを確実なものにしていくために、それぞれの内容について個々に申し上げることはいたしませんが、スパイラルアプローチの中でさらにシステムとして完成度を高めていく、その中でやっておることでございます。 したがいまして、お互いの、日米同盟においてこのミサイル防衛システムがさらにその信頼性を高めるべく両国とも努力をしておる、これはさらに継続していくべきものと私は考えております。 【長島委員】その心意気やよしなんですが、この独自BMD、相当コストがかかりますね。諸説入り乱れているんで、現段階の正確な予測値をお伺いしたいんですけれども、ある報道によれば、七年から十年で一兆円を超える、あるいは五年で八千億から一兆円。これはもう膨大なコストですけれども、正確な見通しをお聞かせください。 【石破国務大臣】まさしくおっしゃるとおり、諸説ございます。今の時点で、さてさてこれから先、一通りのシステムを導入するのに正確なお金を出してごらんと言われると、これは極めて難しいものでございます。 委員御指摘のように、八千億から一兆円と巷間、巷間という言葉を使えば八千億から一兆円というふうに言われておるわけでございますけれども、昨年末の閣議決定「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」を踏まえ、平成十六年度からその整備に着手する、自衛隊の既存の組織の抜本的な改革、効率化を行いつつ防衛力整備を行ってまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、今の時点で大体幾らぐらいかかるのかなということについて、正確なお答えをすることは難しいものと思います。 【長島委員】でも、防衛庁が記者に発表した数字でしょう、この五年で八千億から一兆円というのは。先日もたしか、民主党で説明をしていただいたときも、そのような数字だったというふうに記憶しておりますが、お認めにならないんだったら大体その辺だろうということだと思うんです。 さっき私が不透明と申し上げたのは、本来の順序からいったら、今少し長官おっしゃいましたけれども、これだけ大きなコストをかけて新しい兵器体系を導入する、そしてそれにつれて別の部分を削減しなきゃいけない、これは物すごい思い切った荒療治でありますね。それなら、ことしの末に予定されている大綱の見直し、これを先にやって、そしてそれを受けてMD、日本独自のBMDをある意味で整備することを決定するのが筋だと思うんですけれども、何か特別の緊急性、もちろん北朝鮮の脅威、ミサイル脅威、これは緊急性の一つだと思いますけれども、そういう筋道をひっくり返してまでやる、その理由をお聞かせください。 【石破国務大臣】これは、今の大綱と論理的に矛盾をするかといえば、そういうものではございません。今の大綱の中でも当然読み切れるものと考えております。 それで、何が変わったのかというふうなお尋ねにお答えするとするならば、一つは、ミサイル防衛の精度というものが格段に上がったということが言えるだろうと思います。十年ぐらい前にこのミサイル防衛を議論しておったときは、まず、そんなもの当たるのかねという話がございました。本当にそんなもの当たるのかという技術的な検証の問題です。そういう議論がございました。 これは、おととしの十二月に私がラムズフェルド長官と会談をいたしましたときに、これから大統領とともに例のスパイラルアプローチの発表を行うということがございました。これは、ハワイにおいてレークエリー等々使いまして本当にずっと実証してきて、本当に当たるんだということでございます。当たるも当たらないもわからないということではなくて、相当の高い確率をもって当てることができる、そして、それはシステムを複合することによってさらにその確実性が高まる。 何が変わったかと言われれば、それが一番の大きな変化だというふうに私は思っています。 【長島委員】技術的な問題についてはまた追ってやりたいと思いますし、また法制度も変えていかなきゃならないところがたくさんあると思うので。 今、その一兆円から成る財源をどうするんだ、どうやってやるんだ、こういう疑問が次にわいてくるんです。 確かに、ちょっとさっき長官がお触れになったように、閣議決定では、「新たな安全保障環境やBMDシステムの導入を踏まえれば、防衛力全般について見直しが必要な状況が生じている。」これは、言ってみれば抜本的な装備体系の見直し、こういうことが伴われるわけですね。正面装備を相当削らなかったらできない。あるいは、自衛隊の陸海空、これを人員も含めて相当ドラスチックに変えていかなきゃいけない。 これはアメリカで言うトランスフォーメーションになると思うんですけれども、あのラムズフェルドの剛腕をもってしても、このトランスフォーメーションはかなり四軍の反発を招いてにっちもさっちもいかなかった、そういう経緯がありますね。九・一一があったからどんと予算がつきましたけれども、あの二〇〇一年の夏ぐらいまでは、軍とラムズフェルドを中心とする文民とのせめぎ合いが相当あって、せっかくいろいろなマスタープランが出ましたけれども、思うように進まなかった。 長官はこれを今度やろうというんですよ。石破長官が、今回のBMDの開発に伴って、物すごい勢いで自衛隊の三軍を絞っていって、そこから費用を捻出していくわけですけれども、時間がありませんので、陸海空全部のビジョンじゃないですけれども、ビジョンめいたものがあったらお聞かせいただきたい。それから決意のほどを、トランスフォーメーションをやられるという、軽量化していく、柔軟な軍隊をつくっていく、こういうところの見通しをぜひ御説明いただきたいと思います。 【石破国務大臣】これまた委員と時間をいただいてきちんと議論をさせていただきたいと思います。 考え方は幾つかありまして、一つは、こういうBMDを導入するのだから別枠にしたらどうだという議論がありました。そのようなことはできません。それを別枠にすることによって、それでは本当に中の改革ができるのかといえば、それは違うでしょう。しかし、BMDの導入をするだけの金をそれぞれが削りなさい、愛の共同募金みたいな方式でみんながそれぞれ出しなさいみたいなことも、これは全然理屈の通らない話になるわけです。それはそれ、これはこれということだと私は思っています。結果としてどうなるかということが大事なのだと思っています。 一言で申し上げれば、きのうの安保委員会でも申し上げたことですが、これは失笑を買う部分もあるのですけれども、あえて申し上げれば、存在することに意義がある自衛隊から機能することに意義がある自衛隊にということになるんだろうと私は思っています。陸海空ともそのようなことで見直していかねばならないのだろう。 そして、それは、防衛白書にも書いてございますけれども、いかなる懸念が我が国の周辺にあるのかといえば、ポスト冷戦で随分変わった、ポスト九・一一で随分変わったというふうに考えております。それが陸海空ともそれに対応したものになるのかどうか。しかし同時に、私どもは、防衛力を整備しますのに、構想段階から実際に配備をいたしますまでに、急いでも十年かかります。これは要らないというものが仮に仮にあったとしても、それは耐用年数が残っている限り捨ててしまうわけにはまいりません。 そういうような非常に難しい中にあって、何が納税者に対して一番誠実であるのかということは、きちんきちんと陸海空、検証していかねばならぬであろう。そこに戦車があり、そこに護衛艦があり、そこに戦闘機があればそれでよしというものではなくて、それぞれが何を機能として果たすのかということについて、きちんと検証していかねばならない。それは、議会においてもそういうような御議論をぜひ賜りたいと思っておるところであります。 【長島委員】政策の中身についてはまた安保委員会でぜひやりたいと思いますが、せっかく中川大臣お見えですので、武器輸出三原則についてちょっとお聞きしたいと思うんです。 先ほどスパイラルアプローチという耳なれない言葉が石破長官のお口から出てこられました。これは、私が解釈するに、研究開発、量産、配備という、この間をただ単線的にいくんじゃなくて、いい技術があったらすぐ開発に回し、開発から量産に回す、こういうスパイラル運動でやりとりをしていこう、こういうことだと思うんですが、アメリカと共同研究をやっているうちはいいんですけれども、開発から生産に入ってくると、当然のことながら武器輸出、今まではアメリカに対しては技術だけはいいよということだったんですけれども、部品そのものがアメリカ側に移転するという可能性が出てきているわけです。 例えば、これは石破長官もよく御案内のとおりだと思いますが、アメリカがヨーロッパと一緒につくったジョイント・ストライク・ファイターというのは、もうデザインの段階から各企業の人たちがヘッドクオーターに入って、そして生産までずっと研究、検討、開発を続けていく。そういう手法で、何と、日本が今保有しているF2の約半分のコストでジョイント・ストライク・ファイターをつくっているんですね。 今、石破長官から、納税者に対する責任、こういうお話がありましたけれども、今までのようなやり方、つまり少量生産、これも石破長官の委員会での発言の中にあるんですけれども、一時期は、日本の戦車一台でアメリカの戦車六台買えるよというような、こういう嘆きにもつかないようなお話がありましたけれども、産業界の立場から、つまり、技術革新を維持していかなきゃならない、あるいは、本当に最善の技術をいろんな国々から持ち寄っていかなきゃならない。 今、中国の脅威が叫ばれていますけれども、日本の先端技術、付加価値の高い技術を取得していくためには、この武器輸出三原則の問題というのは避けては通れない問題だと思うんですけれども、その辺、産業界を相手にしておられる経産大臣の方から御所見を伺いたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 【中川国務大臣】私は、貿易管理という立場から武器輸出三原則についての御質問があったものと思っております。 長島委員御承知のように、昭和四十二年ですか、佐藤内閣のときに、平和国家として、紛争等を助長するようなことのないようにという目的で三原則というものはできたわけであります。その後、昭和五十一年とか五十八年の、当時の内閣で若干その内容が少しずつ変わってきておるわけであります。 今、BMDに関して防衛庁長官といろいろやりとりがあったことを拝聴しておりましたけれども、やはり時とともに、国会の御議論等をいろいろと踏まえながら、最終的には国会と内閣とでその時点での最良の選択というものがあるんだろうと思いますけれども、現時点におきましては、この昭和五十一年の武器輸出三原則の原則に基づきまして、日米間においては、共同研究、技術供与という段階であるということが現時点での状況でございます。 産業振興とかそういうこともございますけれども、輸出管理という立場からは、そういう考えで現時点ではおります。 【長島委員】これは大変難しい問題だと思います。兵器の輸出国にならないという、これは一つの大きな私たちの決意でもあります。しかし、そうであるがゆえにコストの高いものを国民の税金で買わざるを得ない今の状況というのもまた悩ましいものがあるし、それが日本の産業の技術力の前進を、もし足を引っ張っているとすれば、これもまた一つ大きな問題だろうというふうに思います。 この論点の最後として、石破長官の本音の御所見を伺いたい。 というのは、佐藤内閣のときに決められたときは、さっき中川大臣がおっしゃったように、紛争当事国に兵器を売らないという原則だったはずなんですね。それを三木さんが、三木首相が出てこられたときに、まあ、これも多分与野党のいろんなやりとりの中で決まってしまったんだろうと思いますが、あらゆることを禁止したというような、「慎む」という表現ですけれども、ということになっておりますが、官房長官談話の中でも、これから整理する問題があるというような発言もありますけれども、ちょっと方向性について一言お伺いしたいと思います。 【石破国務大臣】政府としての立場は、今経産大臣から御答弁があったとおりでございます。 これは、そもそも憲法の精神にまでさかのぼってという非常に重いものでございます。そしてまた、委員が御指摘になったように、我が国が世界じゅうに武器を売りまくって、いわゆる死の商人になって紛争を助長するとか、そのようなことは絶対にしてはならないのだという極めて重いものであります以上は、やはりこれは国会の場において、納税者の代表たる先生方の間でいろいろな御議論があるべきものではないかと私は個人的に考えております。 ただ、申し上げれば、自由民主党として、私は、大臣になります前に、国防部会でいろいろな議論をいたしておりました。そのときに、当然、憲法に基づくそういうものは重視をしながら、今御指摘のようないろいろな歴史的な経緯も踏まえてどうすべきなのかという党としての議論はありました。 そして、昨年のことであったと思いますが、参議院において、御党の議員から、例えば、東南アジアの海軍能力が非常に弱い国々が、海賊退治についてそういうような日本の古い船が欲しいというものについて、それも出せなくていいのかという御提起がございました。 要は、どうやって平和を構築するかということであります。どうして納税者にこたえるかということであります。委員が御指摘のように、日本の科学技術力もございましょう、納税者の御負担の面もございましょう。したがいまして、外国のものを買ってくればそのまま安いということにはなりません。どの国も、自分の国の納税者の血税を使って開発したものを安く外国に売るなんてお人よしの国はありません。そのこともよく理解をしながら、やはり政府としてはこのことには極めて慎重であります。 しかしながら、納税者の代表たる議会において、本当にどうなのだろうという議論はこれから先なされるのかな、それがあったときに、価値観を交えずにインフォメーションを御提供する責任は当然政府としてはあると考えております。 【長島委員】またこれも引き続き議論をさせていただきたいと思います。 もう残りも少なくなってしまったんですが、三番目の論点に行きたいと思います。沖縄の在日米軍基地の問題であります。 きょうの毎日新聞にも出ておりましたが、数日前の毎日新聞にも出ておりました、沖縄タイムスにも出ておりました、これは、代替なしで普天間返還。 つまり、九六年の日米安保新宣言を橋本首相とクリントン大統領の間で交わしたときに、普天間基地を代替施設に移設する、そして普天間の返還をする。この写真にもありますように、もう本当に住宅と隣接をした大変危険な基地であったわけです。今回、ラムズフェルド長官が日本に来られたときに、恐らく上空から見たんでしょう、これはひどいという恐らく印象を持たれたんだと思います。私の選挙区の横にも横田基地というのがありますけれども、あそこも住宅街の上をいろいろな飛行機が飛んでいくわけです。 この毎日新聞がいわばスクープをした、普天間の移設なしに返還をするというアイデア、これは大臣としては信憑性も含めてお答えいただきたいと思います。 【川口国務大臣】まず、米国からそのような申し入れを受けたということはないということでございます。 それで、政府の考え方といたしまして、これは何回も御説明を申し上げていますけれども、普天間の移設、返還という方針、これは平成十一年の末に閣議決定をして、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域、そこを移設候補地とするということを閣議決定しているわけでございまして、この閣議決定に基づいて、今、地元の公共団体の方々ともお話をしながら、代替施設建設協議会で議論をさせていただいているわけでございまして、今後とも、この閣議決定の方針に基づいて、普天間飛行場の移設、返還の問題に全力で取り組んでいくという方針に変わりはないわけでございます。 【長島委員】この毎日新聞はいいことを書いているんですよ。「代替施設の計画見直しに」つまり、アメリカ側からそういう話があったにもかかわらず「政府の腰が重いのは、「条件なし返還」が在日米軍削減のきっかけとなり北朝鮮問題などを抱える東アジアの不安定化につながる、との懸念が強いためだ。」これは正しい報道でしょうか。 【川口国務大臣】臣 我々といたしましては、これは、日米安保条約に基づいて米軍がこの地域、日本及び極東の平和と安全ということに対して役割を果たすということは重要であるというふうに考えているわけでございます。この方針について、米国からも、きちんとそういうことをするということを、話は聞いているということであります。 【長島委員】しかし、普天間の移設は見通しが本当にあるんですか。建設には政府試算で三千三百億という巨額な費用がかかる。使用期限十五年の問題もネックでずっとある。地元もなかなか言うことを聞かない。沖縄県もいろいろな条件をつけてくる。SACOのときは華々しく言いましたけれども、しかし、七年たってたった二百ヘクタールしか減っていない。 こういう状況の中で、アメリカ側から、仮に非公式であれ、そういうアイデアがもしもたらされたら、真剣に検討するのが日本政府の立場じゃないんですか。 だって、皆さん、日本の面積の〇・六%の沖縄に七五%の米軍基地が集中しているんですよ。こういう状況を放置しておいて、アメリカもしびれを切らして、今回、トランスフォーメーションで海外の駐留アメリカ軍を再編しよう、そういう流れの中で考えてもいいという、しかも、嘉手納吸収案というところまで出てきているじゃないですか。 そういうのを、木で鼻をくくったように答弁して、それで済ませようというのは、無責任、ふまじめきわまりないと思うんですけれども、いかがでしょうか。 【川口国務大臣】普天間飛行場は、委員もおっしゃったように、私も見ましたけれども、密集した市街地の真ん中に、そこだけぽかりと空き地がある、そこが飛行場であるということでございまして、我が国としても、SACOの最終報告に従ってこれをきちんと実行していくということが重要であるというふうに考えているわけです。 それで、沖縄につきましてですけれども、これは御案内のように、米国は今、米軍のグローバルな軍事態勢の見直しを行っているということであって、沖縄米軍を含む在日米軍もこの例外ではないというふうに承知をしています。 それで、政府としまして、この在日米軍の態勢の見直しが行われる場合には二つのことが重要であるというふうに考えています。一つは、これは、日米安保条約に基づいて駐留をしている在日米軍、この在日米軍が持っている抑止力、これが効率的に維持をされるということであります。それから二つ目は、沖縄を含む米軍施設・区域の所在地である地元の自治体の負担、これを十分に念頭に置いて検討作業をするべきであるということでございまして、こういった観点から、今後、米側との協議を進めていくという考えでおります。 それで、移設、返還につきましては、先ほど申しましたように、委員も御案内のように、これは本当にさまざまな経緯があって平成十一年の閣議決定が行われたということでございます。政府として、この平成十一年の閣議決定に従って、地元公共団体とも御相談をしながら今取り組みを進めているわけでございまして、その取り組みを進めていくということが重要であると考えているわけです。 【長島委員】これも後々安保委員会でじっくりやりたいと思いますけれども、抑止力とおっしゃいましたね。今のアメリカの海兵隊、普天間は海兵隊の基地です、アメリカの海兵隊の抑止力とは一体何でしょう。 この記事、ごらんいただきたい、琉球新報。今度、三千人のアメリカの海兵隊が、沖縄駐留の海兵隊のうちの三千人がイラクに七カ月間行って帰ってこないんですよ。沖縄の海兵隊というのは、いろいろな複雑な仕組みがあって、半年間のローテーションで来たりする部隊があるんですけれども、突き詰めて言うと、たった一個大隊しか残らない計算になるんですよ、この七カ月間。 抑止力というのは何ですか。 【川口国務大臣】抑止力とは何かと。抑止力というのは、多分皆さんおわかりでいらっしゃって、委員があえてお聞きでいらっしゃるかなと思いますけれども、これはまさに、日米安保条約があって、我が国としては、その日米安保条約に従って米軍が日本及び極東の平和と安全のために日本にいるということによってもたらされる、日本の安全と平和を保っていくための力というふうに申し上げてもいいかもしれません。 【長島委員】別に一般的な定義を聞いたわけじゃないんですが、一個大隊が持つ抑止力を外務大臣がどう思っているかというふうに聞いたんです。 何が言いたいかというと、沖縄にいる海兵隊は削減できるんですよ。七カ月いなくたって今大臣がおっしゃったような抑止力が保てるというアメリカ側の判断があるんですよ。そういう建設的な意見を日本側から何で提起できないのか、そういう話を私は申し上げたいんです。 もう時間がないですから、お答えいただく必要はありませんが、これが日本政府の大変重要な役割だと私は思いますよ。つまり、危機に即応できる能力を低下させないで、どうやって日米同盟関係の長期的な関係を、安定的な関係を保っていくか。これを、沖縄の犠牲の上にだけ日米同盟の安定化というものを保たせる、そんな生易しい話ではないということを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。 【笹川委員長】これにて長島君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。 |
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