
|  |
2005年7月28日
【会議録】第162回通常国会 拉致問題特別委員会
|
【赤城委員長】
次に、長島昭久君。
【長島委員】
民主党の長島昭久です。まず冒頭に、お二人の参考人、西岡参考人そして安参考人、本当に困難な環境の中で、それぞれ国籍は異なっておられますけれども、これまで国家テロと真っ正面から闘ってこられたお二人の勇気に、心から敬意とそして感謝を申し上げたいというふうに思います。
また、きょう、お暑い中傍聴に来ていただきました横田早紀江さん初め傍聴の皆さん、本当に御苦労さまでございます。
時間がございませんので、核心からずばりと御質問させていただきたいと思います。
調査室でつくっていただきました参考資料の中で、西岡参考人が安明進参考人から伺った、こういうことでお話をされています。七六年ごろ、金正日が、工作員現地化の教育のために現地人を連れてこい、こういう命令を下して、以後拉致が本格化したというふうにされている。最初はむやみやたらに連れてきたんだけれども、精神的、思想的な理由で使えない人もおり、そこで日本国内の協力者に頼んで人の選定をしてもらった、このように西岡参考人がおっしゃっておられるんです。
安参考人に直接きょうお伺いしたいと思うんですけれども、ここで言う日本国内の協力者というのはいかなる人物、いかなる組織であるのか。そして、人の選定というのはどのような形で行われたのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
【安参考人(通訳)】
日本において北に協力活動を行うことのできる者というと、まず北の工作員、それからまた、総連に属する人の中で、北に家族、親戚がいるために人質をとられた形となって、北の命令を受けたら断れないという人々がそうした活動を行うこともあり得ます。それからまた、工作員の中にも、自分で実際に何かの行動に出るのではなく、日本国内の犯罪者などに金を渡して何かをさせるということもあるであろうと私は確信をしています。
それから、拉致の対象者についてなんですけれども、北側がこれからも日本国内で拉致を続けていこうとするならば、余り騒ぎが大きくならないような人を選ぶと思います。その人選、どのような対象者を選ぶかということの方針が変わった当時、私は現場にいたわけではありませんので確実にはわかりませんけれども、当然考えることは、親戚縁者などのない人、つまり、いなくなっても余り一生懸命探す人がいないような人、それから目立たないような性格でひっそりと暮らしているような人であろうと思われます。
【長島委員】
西岡参考人、何か補足するところはありますか。
【西岡参考人】
拉致には、ですから二つのタイプがある。ゴムボートが海岸にあってすぐ乗せられていったのはむやみやたらに選ばれたケースではないか、そして海岸以外のところからおびき出されたケースは協力者がやったケースではないか、そのように私は見ております。
【長島委員】
先ほど、清津の工作機関の連絡所がまだ解体されていない、現存している、こういうお話がありましたけれども、今もなお拉致行為というのは日本国内で継続され、しかもそれに対して協力をしている日本国内にいる人たちも引き続き現存しているのか、その点の観測を西岡さんにぜひお聞きしたいと思います。
【西岡参考人】
韓国に侵入するため、あるいは海外で韓国に対する工作をするために拉致をしていたわけですが、韓国の状況が先ほど来議論してきたような状況なので日本経由の比重が低くなっているということを考えると、日本に対する、麻薬とか覚せい剤、資金や装備をとるとか、あるいは在日米軍基地や自衛隊の監視とかいうことはありますが、拉致を今しているかどうかについては、今もできる状態にあると思いますが、私は、最近は余りないのではないかと判断しています。
【長島委員】
今、もちろん拉致の問題は大変深刻であります。そして、私たちは韓国の拉致被害者の方々とやはり連携をとっていかなければならない、こう思っているわけですけれども、韓国国内、先ほど来お話がありましたように、大変な親北の傾向、先ほどの西岡参考人の言葉をかりると、政治的、思想的に真っ二つに分かれている、こういうことであります。
安参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど来西岡参考人がおっしゃっていた、真っ二つに分かれていて、ただし保守派を中心に、かなりそういう今の盧武鉉政権に対してフラストレーションを感じている人たちがたくさん韓国にもおられる、そういう人たちと私たち日本政府は、あるいは日本の心ある人たちは連帯をすべきだ、私も全く同意見なんです。同時に、先ほど質問にお答えする中で、韓国の政界に対する工作、あるいは政官界に対する工作と言ってもいいと思うんですけれども、そういう工作もかなりの密度で進行している。
一説には、もはや保守派も何もなく、韓国の国民はもうあちら側に行ってしまった、もう我々が連帯する相手もほとんどいないんだというような意見も聞かれるんですけれども、韓国の国内と日本とを行ったり来たりされている安参考人の実感として、まだまだ韓国の国民は捨てたものじゃないというような、そんな観測を持っておられるのか、率直なところをお聞きしたいと思います。
【安参考人(通訳)】
今現在、韓国の国民は北の正体について知り始めている、しっかりとした知識を持ち始めているという段階にあるんですけれども、むしろ一部の政治家の方がその反対方向に走っているという状況です。そうしたことが太陽政策である、北をソフトランディングさせる方向であるというふうに韓国政府は言っているんです。
しかしそれは、実際には悪魔を生き延びさせるということに直結することでありまして、北朝鮮二千三百万の人民に苦しみをなめさせ続けることだと思います。そしてまた、それは、韓国が莫大な国防費をいつまでもいつまでも使い続けなければならないということでもあります。
そうした北側の実情というものを韓国民に正確に知らせる役割を担うべき韓国のマスコミ、放送局などのトップの方にも、実は左傾化した人々が非常に多いんです。ですから、今は韓国民に真相を知らせる方法さえなくなりつつあります。そうしたマスコミの中でも比較的真実を伝えようと努力している朝鮮日報、東亜日報などのマスコミに対して、露骨な圧迫が加えられるような状況です。
【長島委員】
韓国の国内は大変深刻な状況だというふうに思っておりますが、その韓国とアメリカと、やはり、先ほど南方三国同盟というお話がありましたが、核、拉致、ミサイル、この三つを包括的に解決するためには、この三国の連携がどうしても必要だと思うんですね。
昔、九八年、九九年、元国防長官だったペリーさんを中心にペリー・プロセスというのがあったと思うんですが、あれは基本的には核やミサイルをターゲットにしていましたけれども、やはりこの拉致の問題、人権の問題で日米韓が連携をとっていく必要がこれから出てくるというふうに思うんですが、そこで一つかぎを握るのが中国の動向だと思うんですね。
ちょっと中朝国境の脱北者の状況についてお尋ねをしたいというふうに思うんですが、まず一つ、事実の問題として、把握をしておられればお答えいただきたいんです。
国境付近に、三十万人と呼ばれているぐらいの脱北者の方たちが中朝国境におられるというふうに数字がありますけれども、今、その脱北者の数が大体どのぐらいなのか。それで、その方たちの数というのは毎年ふえてきていると言われておりますけれども、実態はどうなのか。それから、その方たちの生活環境、衛生状況といったものはどんな状況なのか、もし御存じであれば安参考人にお答えいただきたいと思います。
【安参考人(通訳)】
北朝鮮を脱出して、今現在中国に入っている人が何人いるかということは正確にはわかりません。彼らは隠れて暮らしているんですから。
しかしながら、昨年十一月に金正日にまで上がった報告書があるんですけれども、会寧という場所の場合、それによりますと、女性はみんな中国の方に逃げてしまった、だから電信柱と男だけが残っているというような報告が金正日に昨年上がっています。
それからまた、北朝鮮の警察関連の団体、保衛部などが、住民のうちでの行方不明者が七万人に上っているというようなレポートを作成したということもありますけれども、正確な数はわかりません。
【長島委員】
その数はともかくとして、相当悲惨な生活状況にあるというふうに言われておりますし、あの地域はたしか朝鮮族の人たちがたくさん住んでおられる。その朝鮮族の皆さんと、恐らく韓国の国民の方々も相当程度連絡があろうかと思うんですね。その状況に対して、韓国の国民がいわば人道、人権の観点から立ち上がっていくというような、そういう傾向は実際あるのかどうか、これが一つ。
もう一つ、最後に伺いたいのは、これは西岡参考人に伺いたいんですが、中国政府が、結局、脱北、命がけで自由を求めて出てこられた方々を不法滞在者ということでそのまま強制送還しているわけですけれども、これは中国も批准をしている難民条約にももとる行為だというふうに思っているんです。その辺のところの西岡参考人の解決策といいますか、お考えを最後にお伺いしたいというふうに思います。
まず、安参考人から。
【安参考人(通訳)】
お話にありましたように、脱北者がどれほど悲惨な生活をしているか、直接自分の目で見た韓国人は、彼らのために何かをしようと考えます。しかしながら、公的には、韓国の政府機関が脱北者をもうこれ以上受け入れたくないという立場になってきています。
【西岡参考人】
我々は、北朝鮮は制裁をして圧力を加える対象だと長島先生も先ほどおっしゃいましたけれども、脱北者の問題については北京政府も圧力を加える対象だと思います。彼らは、自国の人権問題があるので、北朝鮮の人権問題に触れられたくないと思っている。
これは体制の問題ですから、自由民主国家ではない独裁体制に対しては、やはり圧力を加えて、人権を守れと強く言うべきだし、人権を守らない国が国連の安保理事会の常任理事国でいいのか、我々は日本と交代したらいい、そういうことまで言うべきではないかと私は思っています。
【長島委員】
どうもありがとうございました。
【赤城委員長】
次に、菊田まきこ君。
|