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国会質疑

2005年10月7日

【会議録】第163回特別国会 安全保障委員会

【浜田委員長】

次に、長島昭久君。

【長島委員】

民主党の長島昭久です。どうぞよろしくお願いいたします。
時間が限られておりますので、端的に、普天間基地の移設問題に絞ってお話を伺いたいというふうに思います。
御案内のとおり、今世界的な米軍の再編が行われております。その中で、我が国の在日米軍基地、これの再編協議が日米間で進められている。その原則は、小泉総理も再三おっしゃっているように、抑止力の維持と地元負担の軽減、この二つの柱でやっていくんだと。
しかし、ここへ来て、この普天間基地の移設問題が、これも大うそと言われるのかもしれませんが、新聞記事によりますと、この移設問題が非常に困難な状況に陥っており、この問題が解決されないので再編協議そのものが暗礁に乗り上げている、こういうことであります。
私がじかに聞くところによると、米政府も相当フラストレーションがたまっている、このように承っておりますが、そこへもってきて、昨日の朝日の朝刊ですけれども、ラムズフェルド国防長官が来日を見送る、こういう衝撃的な記事が載っております。中国や韓国は行くんだけれども、日本は素通りする。そして、この記事によれば、普天間基地の移設問題で打開が見込めないから長官は来られないんだ、日本に対する再考を迫るメッセージだ、こういう分析なんですけれども、防衛庁長官、何が起こっているんですか、解説をいただきたいと思います。

【大野防衛庁長官】

まず、公明党、赤松先生の御質問にお答えしましたが、今度の中間報告というのは二つの問題があります。
一つは、先ほど申し上げました役割、任務、ケーパビリティー、能力等の問題であります。これは、いかに日米両方が協力して日本並びに極東の平和、安全を守っていこうか、そこで共同の基地使用の問題等々が出てきている。この方は順調に議論が進んでいるわけでございます。それから、それを支えるために基地をどう再編していくのか。共同使用というようなことになりましたらまた基地のあり方が変わってくる。こういう問題であります。
そういうことで、大方の意見は大体出てきておりますけれども、まだまだ、今先生がおっしゃったように、普天間の飛行場を早く移設しなきゃいけない、この命題につきましてはなかなか進んでいない、これが現状でございます。
そして、我々はやはり、沖縄を中心とする基地のある町の負担を軽減するためには、SACO合意で決められた普天間の移設、もう十年たっているわけですからね、これがいまだにできていない。このことも反省しながら、ベストな案は何だろうか。本当は、今の辺野古をそのまま続けていく、これがSACO合意の延長でありますけれども、これがとんざしているものですから、やはりほかにも選択肢を探っていかなきゃいけない、こういう努力をしております。
そういう努力をしておりますけれども、その点については今なかなか合意点に達していない。最後の努力をやってまいりたい、このように思っています。

【長島委員】

長官からおっしゃれるのは最大限そこまでなのかなとも思います。
これは直接話法で、ちゃんとクオーテーションがついて、防衛庁の守屋次官や、あるいは交渉相手である米国のローレス副次官が発言をしている記事があるんですね。これまでうそとはもちろんおっしゃらないと思うんですが、それに基づいて言いますと、二つの案が出てきている。
一つは、辺野古ライトと言われているらしいですが、辺野古の沖合に今まで海上施設を建設するという、それをもう少し浅瀬の側に寄せてきて、九九年の閣議決定では二千メートルの滑走路を持った施設ということだったんですが、これを千三百メートルまで縮小してやれないか、これがいわゆる縮小案と言われているものですね。
もう一つが、普天間ジュニアと呼ばれているらしいですが、内陸型の、陸上型の、要するに、キャンプ・シュワブの中に小高い山があるわけですけれども、その丘の部分に陸上の施設をつくる。これも、伝えられるところによると、千三百メートルの滑走路を持つものだと。
これは逃げられるといけないのできちっと言っておきますけれども、まず、守屋次官は三日の午後の記者会見で、一つは、きれいな海を壊したくないという県民の強い思いがある、だから、辺野古沖の浅瀬を埋め立てる案では地元の同意が得にくいと。そして同時に、政府が米軍のキャンプ・シュワブの陸上に移設する案を主張していることを記者団にはっきりおっしゃっているんですね。だから、まずこの案がどういう案であるのかというのを伺いたいのが一つ。
それから、それに対して、これはちょっと前後しますけれども、九月の二十九日、上院の公聴会に出席した後の記者会見でローレス副次官が、日本側が示した陸上案を拒否したということをはっきり言っている。そして、縮小案についてどうかと聞かれたら、もちろんイエスだ、軍事機能がより増強される一方で地元との衝突が少ないと評価した、こういうふうになっているんですね。
どうもこの日米の衝突がラムズフェルド長官の来日を阻むというか、今、日米間の交渉を暗礁に乗り上げさせてしまっている原因ではないか、こういうふうに私どもは観測しているわけです。
長官、一点、アメリカ側が反対しているにもかかわらず、陸上案をある意味で後押しをしている、これを提示し続けている。今回も大古防衛局長もその案を示した、こういうふうに伝えられておりますが、陸上案、これも実は突然出てきているんですね。さっきSACO合意というふうにおっしゃったけれども、SACO合意を受けた九九年の閣議決定では、辺野古の沖合に二千メートルの滑走路を持った軍民共用の飛行場をつくる、こういうふうにはっきり書かれているんだけれども、それがうまくいかないから妥協案ということで二つ出してきて、そのうちの一つの陸上案が今言ったような形なんですね。しかし、アメリカが相当抵抗している。それにもかかわらず出してきている、その理由は何ですか、メリットは何なんでしょうか。ぜひ国民の皆さんにわかりやすく御説明をいただきたいと思います。

【大野防衛庁長官】

まず、今のトランスフォーメーション日米協議が実質的に合意点に達しないという問題があることは事実でございます。したがいまして、ラムズフェルド長官も、実質ができていないところへ来るわけにはいかない。こういうことで、必ずしもそれが、その事実そのことをもって日米間に溝ができたというふうには私は全然受けとめておりません。
それから第二点は、先ほど私がSACO合意の延長線にあると言ったのは辺野古沖の今の滑走路のことでございます。今建設をしようとしている問題であります。それではなかなか進まないからというので新たな選択が始まっている。あの辺野古沖の滑走路というのは、まさにSACO合意のときの苦渋の選択でした。今それが進まないから、また苦渋の上に苦渋を重ねた選択をしているんですね。
それぞれ、私の言葉で言わせていただくと、ナゴライトと陸上、こういうふうに申し上げましょう。そのほかにも幾つかのアイデアがまだあります。しかし、その二つが出ましたので、二つで申し上げますと、それぞれについてメリット、デメリットがあります。お互いにそこは誤解がないように十分議論していこうじゃないかということで最後の議論を今やっているところでございまして、我々は、やはり今までの辺野古沖の滑走路づくりの反省に立って、十年たってこんなことがないように、やはり今一番大事なときだから、よりベターな選択をしようじゃないか。その場合に、ベターな選択をする上で、それはメリット、デメリット、両方ともあります。それを十分にお互いに理解しながらやっていこう、こういうことでやっているわけであります。そういうふうに御理解いただければ幸せでございます。

【長島委員】

今のは説明になっていないんですね、長官。
これはぜひ、ここまで情報がリークされているわけですから、きちっと説明する責任があると私は思いますよ、長官。その内陸案のどこがメリットなのか。その説明をぜひしてください、ここで。どういうふうにアメリカ側を説得しているのか、どういう項目で。
私たちは、普通に、今まで基地問題、ずっと見てきた者からすると、SACOの延長線ということから考えれば、辺野古の縮小案の方がよほどSACOの最終報告の延長線にあるように見えるんですね。アメリカ側もそのように理解をしている。しかも、地元の名護の岸本市長も縮小案なら仕方がないかというような発言もされている。そういうのを全部吹っ飛ばして、この陸上の案がかくかくしかじかで非常に有効なんだ、軍事的にも、地元の皆さんの反対に対する調整の問題も、それから日本の国にとっても沖縄県の皆さんにとっても、かくかくしかじかで説得力があるんだということをぜひ国民の皆さんにわかるように説明していただかないと、そういう責任があると思いますよ。

【大野防衛庁長官】

先生御指摘のとおり、説明責任はあります。しかし、今交渉中の話であります。相手方がおります。地元に対する、地元との関係で、地元の反応の問題もあります。今詳細に申し上げることはできませんけれども、やはり我々は、建設の工期の問題、それから安全性の問題、騒音の問題、自然環境の問題、いろいろな問題、総合的に考えてどっちがいいのか、こういう議論をしているところでございます。
これ以上のことは御勘弁いただきたいと思います。

【長島委員】

では、今言った工期の問題、安全性の問題、自然環境の問題、少し私の方からサジェスチョン申し上げたいと思います、僣越ながら。
陸上案は極めて困難な条件をクリアしなきゃならないと私は思いますね。
まず、沖縄県は完全に拒否をしていますね。それから、地元の名護市長も拒否している。現行案でも十年かかった。そのほとんどは地元との交渉ですね、調整ですね。それを全部白紙に戻して、さらに一から地元との交渉を始める。これは工期の問題も含めて、かなりこれから時間がかかりそうな気配ですね。それから、米側が拒否している。
それからもう一つは、射撃訓練場があるんですね、今陸上案で言われている場所には。この射撃訓練場を移設しなきゃならないんですね、もしそこにヘリコプターの基地をつくるなら。この射撃訓練場はちょっとやそっとの規模じゃないんですね。車載の機関銃、車に載せる機関銃、それを下から上に撃ち上げる。相当な射界、射撃のエリアを必要とするんですね。もう長官には釈迦に説法ですけれども、レンジ4と呼ばれている都市型の非常に小さな施設の移設一つとっても、相当時間がかかってごった返しているわけですね。
それから、ヘリの運用も、私はヘリコプターのパイロットに聞いたんですが、背景に山があるところで非常に危険だということですね。それから、市街地の騒音問題も、これはアメリカ側が再三言っているようですけれども、解消しない。しかも、北部振興策の一環で出てきた国立の高専、高等専門学校があるんですね。それがもうすぐ間近にあるんですね。こういう環境にある。
それから、陸地における環境問題は何かというと、これは意外と、海の場合、ジュゴンという話がありますけれども、陸地にも希少生物が随分すんでいる。海上にまさる反対運動が起こるんだ、こういうふうに、守屋次官は記者会見の中で、海上の反対運動はひどいんだ、陸上はそれほどでもないんだというような言い方をされているようでありますが、陸上だってこれは大変なことになりますよ。例えばあの基地に入るゲートを全部反対派が封鎖したら、これは建設の資材すら運び込めないような状況になるわけですね。
私は、こういういろいろな障害がある中を仮に押し切って政策変更するというんだったら、これは一番恐れているのは、私は反対派に火をつけることになりかねない。来年は、これは余計なことかもしれないけれども、一月には名護の市長選挙があるわけですね。こういうこともぜひ視野に入れてこの問題を処理していただかなきゃならない。
そういう中で、私は、どうしてもわからないんです。この陸上案に、長官初め防衛庁の皆さんが固執しているという言い方が適切かどうかわかりませんが。
そこで、先ほどSACOの話が出たんですが、そうすると、長官の認識では、この陸上案というのはSACOを進めるものではないという認識なんですか。つまり、SACOの延長上にない、そういう御認識ですか。

【大野防衛庁長官】

まず、いろいろな角度から問題を分析していただきまして、本当にありがとうございます。
そういう議論をやっていかなきゃいけない。自然環境の問題、どういうふうな問題があるんだ、騒音の問題、どうあるんだ、高専の問題をどうするんだ、いろいろな問題がありますから、それを我々はしっかり頭に入れて、固執するとかそんなことじゃなくて、何が一番ベストなんだろう、こういう意味で今検討しているわけでございます。
それから、SACOの延長線なのかどうかということになりますと、これはもう解釈の問題でございますけれども、私は、やはりSACOの気持ちを酌んでSACOの合意の延長線上にあるのが、今建設をしようとしている、環境調査、ボーリング調査をやっておりますあの辺野古沖、これがなかなかうまくいかないから、やはり選択肢を考えて、よりベターなものを探していこう、こういう意味では、SACOの延長線上と私は考えてもいいのかもしれないけれども、やはり新しい時代の日米の協力関係、これを支えるもの、いわば米軍再編成のもとで抑止力を維持し、負担を軽減していく、この考えのもとで新しく見直していこう、こういう視点があろうかと思います。

【長島委員】

いや、これが解決しなかったら負担は軽減されないんですよ、長官。普天間はずっとそのまま維持されているままですよね。
それで、SACOの延長線上で考えられなくもないというふうにおっしゃったんですが、それはちょっと私も聞き捨てならないといいますか、SACOにはこう書いてあるんですね。原文でいきましょうか、SACOのプロセスで三つの案が検討されました。ヘリポートの嘉手納飛行場への集約、いわゆる嘉手納統合案ですね。それからもう一つは、キャンプ・シュワブにヘリポートを建設する、これは今の陸上案に似たようなアイデアだと私は思います。そして、三番目が海上施設の開発及び建設。この三つを検討した結果、「海上施設は、他の二案に比べて、米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質にも配慮するとの観点から、最善の選択であると判断される。」こういうことなんですね。
陸上案というのは、ここで退けられた案である上に、今申し上げたように、沖縄の県民の安全及び生活の質に配慮し、運用能力を維持するようなアイデアにはとても見えないんですね。だから、私たちは、非常にこれは、何でこういうアイデアが、ほこりをかぶったアイデアが今出てきたのか。これはぜひ国民の皆さんにも一緒に考えていただきたいんですけれども、ここは本当に注視をしていきたい、こう思うんです。
しかも、このSACO合意を受けて、沖縄県はすったもんだがあったんです。九八年の二月に、前の大田県知事が県内移設受け入れ拒否、こういうことで、一時は北部振興策も全部、沖縄振興策も全部とんざした瞬間がありました。しかし、その後、今の稲嶺県政になって、条件つきで普天間基地の県内移設を受け入れる、こういうことになり、九九年の閣議決定、先ほど申し上げました十二月の閣議決定によって、日本とアメリカと沖縄県と、そして地元の名護市、すべての当事者が合意した形で、現行の辺野古沖合案が実行に移されることになったんですね。これらすべての当事者の積み重ねられてきた合意を、今回、防衛庁が提示をした案がある意味で吹き飛ばすような格好になっている。
外務大臣、こういう今の状況を、日米安全保障条約をある意味で所管をする責任者として、外務大臣はどのように御認識をされているか、どのようにとらえておられるか、ぜひ問題を、問題関心といいますか、大臣の御所見を伺いたいというふうに思います。

【町村国務大臣】

いろいろな経緯の中で、既にどのくらいになりましょうか、二年半以上日米間で議論が行われてきております。私も、昨年の九月、外務大臣を拝命してからずっとこの議論をやっておりますから、当然、前大臣の時代もこの議論があったわけでございます。
いよいよ議論も最終的に大詰めの段階に来ておりますし、論点も限られてきている、こう思っております。その一つ一つについて、今、具体のことを申し上げられる状態にはないので、私は具体のことは申し上げませんけれども、いずれにしても大きな命題、抑止力を維持しながら基地所在地の負担をできるだけ軽減していこうという、ある意味では二律背反的な命題をどう解決していくのかということで、非常に幅広い議論をやってきて、それを今ぐっと絞ってきて集約段階にある、できるだけ早い機会に中間取りまとめもやりたい、こう思っているところでございます。
今、委員から貴重な御指摘をいろいろいただきましたし、大野長官もお考えを述べられました。そういったことをすべて踏まえながら、できるだけ早いうちに日米間でまず中間的な意見集約をそろそろやらないといけない時期にまさに来ている、こう認識をしております。

【長島委員】

町村大臣、前任の大臣よりももう少し詳しく今まで御答弁いただいてきたと私は印象深く思っているんですが、もう少しきちっと答えていただきたいんですが、今言った、SACOの延長ではないようなアイデアが出てきて、日米交渉が今このように決裂寸前にまでなってしまっているんですね。
聞くところによると、外務省は米側と同じように、浅瀬案でもやむを得ないだろう、こういう見方をとっている、こういうことですね。
私は、この普天間移設がなかったら、小泉総理流に言えば、普天間移設なくして在日米軍再編なしだと思いますよ。それから、普天間はすべての再編につながる再編の本丸だと思いますね、私は。しかも、この程度の移設ができなくて、本当に在日米軍の再編ができるんですか。私は、だから申し上げているんですよ。民主党はこう言いました、もっと大事なことがある、郵政特もいいけれども、総理にぜひここへお出になっていただいて、本当に総理の口から、この大切な日米安保の根幹にかかわる問題について肉声を伺いたい、私はこう思うんです。
大臣、もう一度大臣の御所見を伺いたいと思います。

【町村国務大臣】

昨年のヘリコプターの事故を見るまでもなく、普天間の移設、これは今回の再編成論議の中でまさに最も重要な課題の一つである、こう私どもも位置づけております。
委員、何か決裂直前だと、何か太平洋開戦前夜であるかのごときの御発言がありましたが、私はそう思っておりません。これはさまざまな議論、もっと本当にいろいろなアイデアがあった、それからだんだん絞られてきている状態でありますから、それは確かに議論自体は激しく日米間で議論したり、あるいは政府の中で議論したりすることもありますが、私は、さっき申し上げたように、そろそろ決着をしなければならない段階に来ている、こう思っておりますので、日米間の意見の合意を見ないという事態は全く考えておりません。

【長島委員】

そろそろなんですが、大臣、相当時間がかかっているんです、これは。私が知っている限りでも、そもそも九六年の、普天間返還が決まったあの橋本・クリントン会談で発出された日米安保新宣言の中に、兵力構成については不断に見直していくんだ、こういう文言がありますね。そこから本来は、いろいろな国際情勢の変化に従って日米間は議論を積み重ねていかなければならなかったんですね。しかし、そういう努力が余りなされなかった。
そして、二〇〇一年に九・一一が起こった。そして同時に発出されたアメリカのQDR、四年ごとの国防政策見直し、この中で初めてトランスフォーメーション、こういう言葉が出た。だから、日本側から見れば、そのころから世界的な米軍の再編があるということは予測できたんですね。
しかも、二〇〇二年の十二月に、2プラス2で、これはもうはっきり言っているんです。新たな安全保障環境における日米両国の防衛体制を見直す必要性を踏まえて、両国の役割、任務、兵力及び兵力構成を議論する。これはさんざんこのとき以来議論を重ねてきているわけですね。
しかも、おととしの十一月に、ラムズフェルド長官が日本に来られた。そこで沖縄を視察された。そのときに、普天間を見て、何と危険きわまりない基地だ、これは何とかしなければいかぬ、こう言った。これは物すごいモメンタムだと思いますよ。しかし、その後は何をしたか私はわかりませんが、その後、さっき外務大臣がおっしゃった、普天間の、沖縄国際大学にヘリコプターが墜落した事故があった。こういう事故やあるいはモメンタムがありながら、議論に議論を重ねて今日までずるずる来てしまったんです。
特に、去年の九月、私は交渉決裂というのは何も大げさに言ったつもりではありません。あのときも、去年の秋には結論を出すという話になっていた。しかし、日本側がちょっと待ってくれ、こういうことで、翌年の四月にしましょうと、パウエル長官が来られて、ことしの四月までに何とかまとめましょうか、こういうふうに仕切り直しをしました。
そして、ことしの二月に、共通の戦略目標で合意をして、さあもうそろそろ出てくるんだろう、こう思ったら、これはアメリカ側から言わせればですよ。日本側からは、何となく今までの議論の積み重ね、そして出てきた案は、今までの議論の延長線というよりは、何かあさっての方向から球が飛んできた。これはびっくりしない方がおかしいじゃないですか。外務大臣。

【町村国務大臣】

私は、寡聞にして、去年の九月にもう取りまとめが行われる直前であったという話は聞いておりません。そこまで議論が煮詰まったとも理解をしておりませんし、そういう資料もございません。
ただ、私が去年の九月の終わりごろに大臣になりまして、いろいろな様子を聞いてわかったことは、余りにも各論が先行し過ぎている、これでは真っ当な議論にならないのではないかと思ったものですから、もう一度、別に何もそれまでの議論をひっくり返すという意味ではなくて、もう一度出発点、要するになぜこれをやらなきゃならないのかという共通認識、戦略目標をはっきりし、その上で、それぞれの日米が果たすべき役割、任務は何なのかということを明確にしながら、その全体像の中で具体の議論をしていこうではないかということをパウエル長官に申し上げ、そして、そういう議論に沿って、ことしの二月の2プラス2でまず共通戦略目標ができた。
そこからすぐ一、二カ月でできるなんていうことを私どもゆめ思ったことはございません。実際にまだロールズ・アンド・ミッション、要するに役割、任務もようやっと今ここに来て文章化できるような状態になってきましたし、さまざまなケーススタディーがあります。実際に、普天間の移設先だって、相当いろいろなアイデアがそれは出てきたんです、あえてどこを何カ所とは申し上げませんけれども。
そういう議論をだんだん積み重ねてきて、ここはアメリカが一方的にいら立っているという報道がありますけれども、それは甚だおかしな報道であって、彼らの検討に非常に時間がかかっている部分だってあるんです。我々の検討より時間がかかっている部分もあるんです。幾ら日本から資料を要求しても、それはもうちょっと待ってくれ、あと三カ月待ってくれといって、議論が延び延びになってきている部分も相当程度あるんです。それはしようがないんです。お互いに詰めて議論をやっていけば時間がかかる。
何も僕らは、いたずらに議論を引き延ばして、後になればなるほど日本が有利になるとかあるいはアメリカが有利になる、そういう性格のことではないんですね。お互いの必要性、お互いが平和と安全のためにどういうことができるのかということで議論するのであって、何かアメリカがどんどん提案して、一方的に日本がノーと言ったり何か球を散らしている、そんなことではないんです。日本からも提案し、それを検討するので少し向こうも時間が欲しいと言って、どうしてもそこで二カ月間、ある程度そのテーマについては議論が中断せざるを得ないとか、いろいろな状況があって今日こう至っているのであって、新聞を見ると、何か日本が専らおくらせてアメリカがいら立っているという報道ばかりが先行しておりますが、日本だってアメリカ側の反応が遅いのでいら立っている部分だって実は相当あるんです。それはだからお互いさまで、そんなことを言い合ってもしようがないので、しっかりとした議論を積み重ねて今日、今ようやっと大詰めの段階に来ているんだ、こういうふうに私は理解をしておりますので、ぜひその点は先生も御理解を賜ればと思います。

【長島委員】

私が一番恐れているのは、このきょうの琉球新報の記事なんですね。今回、この協議がもし決裂といいますかうまくいかなかったら、普天間は現状固定なんですね。米海兵隊としては、協議が進まなければ今の普天間にそのまま居座り続ける、こういうことになりかねないんですね。私はこれを一番恐れているんです。
だからこそ、日本側からはっきりとした政治的なイニシアチブが必要なんですね。私はそう思っています。つまりそれは、小泉総理がやはり表へ出てきてきちっとこの問題について決着を図らなければ、これはアメリカ主導になりますよ、最終的には。つまりは、居座るか、ラムズフェルド長官流に言えば、いてほしくないところにはおれたちはいるつもりはないといって全面撤退するか、このどちらかですよ。全面撤退すれば、それは沖縄の皆さんはせいせいされるかもしれませんが、日本の安全保障上、もしアメリカが全面撤退されたら、これは大変なことになりますよね。
そういうことがありますから、今外務大臣からお話がありましたように、私もやはりもっと大きな話から詰めていかなければならぬと思うんです。つまりは、この二月に共通の戦略目標で合意しました。そしてその後、その合意に基づいて、任務、役割あるいは日本の能力、兵力構成、こういうものを議論して、それが多分中間報告に出てくることになると思いますから、そしてその結果、基地がどのように再編成されるかという話になるんですね。
最後に一つだけ、この基地の再編協議の中に、自衛隊におられる制服組、いわゆる軍事専門家の人たちのアイデアがあるいは関与がどの程度あるかということを防衛庁長官からお話をいただきたいと思います。

【大野防衛庁長官】

この問題は、当然ながら、防衛庁内局それから防衛施設庁、そしてまさに今御指摘の制服組、三者が情報を共有しながら同じ方向に向かって進んでいかなきゃいけない、こういう問題でございます。これまでも、制服組に限って言えば、その場に応じて知恵をかり、いろいろ協議をやってまいっております。
しかしながら、これはやはり私は、全体として、形の上でもきちっとこの会議の構成員をつくるべきだ、こういう意味で、最近指示をいたしまして、防衛庁長官を中心として、内局、防衛施設庁、それから統幕議長、三幕長、そろって情報を共有して今後のことを検討していく会議をやろう、こういうことを考えております。

【長島委員】

私は、ぜひ委員長に御提案をしたいんですけれども、これだけ非常に重要な問題ですから、ぜひ在日米軍基地再編問題で集中審議をしていただきたい、そして、この場に制服組の皆さんも出席をして、もっと中身の濃い大きな議論をぜひ国会でやっていきたい、こういうふうに思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

【浜田委員長】

理事会で協議させていただきます。

【長島委員】

ありがとうございました。

【浜田委員長】

次に、細野豪志君。