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国会質疑

2005年10月17日

【会議録】第163回特別国会 テロ防止・イラク支援特別委員会

【船田委員長】

これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島昭久君。

【長島委員】

おはようございます。民主党の長島昭久です。 このテロ特措法の審議は、今国会で本当に短い、きょうとあしたしか行われないということは大変残念なことでありますけれども、私たちは、このテロ特措法にかかわるさまざまな国民の皆さんの不安、疑問といったことを代弁して、きょうこの委員会で徹底的に議論させていただきたい、こう思いますので、ぜひ政府の皆さんも説明責任をきちっと果たしていただきたい。
やじが飛んでおりますが、私、最初から、審議もする前からこの法案の賛否を明らかにするつもりはありませんし、私たちは、願わくは、大臣、政府の皆さんがきちっと説明責任を果たしていただいて、ああなるほど、このテロ特措法に基づくインド洋での海上自衛隊による給油活動というのはこんな利点があるのか、こんなに有効なのか、こんなに必要なのかということをきちっと説得力ある形で示していただきたい、そのように思います。
そして、私たち民主党は、かねがね申し上げておりますけれども、私たちの住んでいる環境とは全く違う、次元の異なる、本当に厳しい過酷な環境の中で、全世界で、特にイラクのサマワで、インド洋の洋上で、あるいはパキスタンの地震がありましたけれども、あのカシミール地方という非常に厳しい環境の中で、今もなお、その活動が国益に資するんだという信念を持って、確信を持って活動されている自衛隊の皆様方に心から敬意を表するし、その皆さんが任務を遂行して達成して、そして無事に帰ってきていただきたい、そのように心から願っているところであります。
細かな活動の詳細については、きょう、私どもの民主党の委員がたくさんこれから登場して質問をさせていただくことになると思いますが、私の方からは、四年前にさかのぼりますけれども、この大事な政治決断を行ったその根拠、あるいは、今回再延長になるわけですけれども、特別措置法という時限立法には私は異例だと思いますけれども、こういう形で再延長せざるを得なくなった、そこの政治判断、政策判断を中心にお伺いさせていただきたい。
それで、もう一つお断りをしなければなりません。私どもは、二年前の特措法の延長のときに反対をいたしました。その反対の一番大きなポイント、これは四年前にもさかのぼるわけでありますけれども、国会の関与が少し甘過ぎやしないかということであります。
自衛隊という実力組織、武装組織を海外に派遣するわけですから、これはやはり国民の皆さんの関与、すなわち国会における関与というものを相当厳格に適用していただきたい、私はこのように思っておりますし、私どもは、そういう観点から、国会の事前承認をしてほしい。国会の事前承認というのは、事前承認だけが目的ではありません。なぜそうするかというと、なおざりに、活動が終わった後、報告だけで済まされないようにきちっと説明責任を果たしていただくという観点から、私たちは事前承認というハードルを掲げて、そして政府の説明責任を求めてきたわけであります。
その点で政府と見解を異にしたということで、私たちは、この法律の趣旨そのもの、あるいは活動の内容について反対したわけではありません。その点をぜひ冒頭に確認させていただきたいというふうに思っております。
まず最初にお伺いをしたいのは、この自衛隊派遣の、これはまさにそもそも論なんですけれども、法的根拠は何なのかという、これをちょっとさかのぼって考えてみたいと思うんです。
二〇〇一年九月十一日に同時多発テロが起こりました、ニューヨーク、ワシントン、ペンシルベニア。そして翌日に国連決議一三六八が発出されました。そして十月の七日、アメリカは自国の個別的自衛権に基づいて武力攻撃を開始しました。イギリスを初めとするNATO諸国は、集団的自衛権の行使、発動として、このアメリカの軍事作戦に参加をいたしました。これが、オペレーション・エンデュアリング・フリーダム、OEFという、今まさに自衛隊が支援活動を行っている軍事作戦の名称であります。
この多国間における合同軍事作戦、これは自衛権の共同行使ですね。この自衛権の共同行使に当たる合同軍事作戦に対する我が国の後方支援活動、これも立派な軍事支援活動であります。この後方支援活動が、集団的自衛権の行使、自衛権の共同行使の一部分を構成していないという政府の恐らく御説明だと思いますけれども、もう一度改めて、それが自衛権の共同行使に当たらないという理論的な御説明をいただきたいと思います。外務大臣、よろしくお願いします。

【町村国務大臣委員長】

OEF、不朽の自由作戦の国際法上の根拠及び集団的自衛権にそれが当たるかどうかという御質問でございました。
OEFについては、今委員御指摘のとおり、これは安保理決議一三六八ということでありまして、九・一一のテロ攻撃が国際の平和及び安全に対する脅威であると認められたことを踏まえまして、またさらには、累次の安保理決議が国際テロリズムの防止等のために適切な措置をとることを求めているということにかんがみまして国際法に従って行われているという考えでございます。この点につきましては、ISAF、国際治安部隊とOEFとの違いというのは委員既に踏まえての御発言であろう、こう思っておりますが、ISAFについては、安保理決議一三六八が、参加する国にそのマンデートを達成するためにすべて必要な手段をとるということを認めておりますけれども、これとは別に、今委員の御指摘のOEFにつきましては、安保理決議というものは必ずしもないわけでございます。
集団的自衛権とのかかわりのお尋ねでございました。
これも当時何度も政府側が答弁をしているようでございますけれども、このテロ対策特別措置法に基づき行っております給油等の活動は、それ自体は憲法の禁ずる武力の行使には該当するものではなく、あくまでも憲法の範囲内で実施しているものであり、憲法の禁ずる集団的自衛権の行使に当たることはないということを、当時からも申し上げておりますし、現在もまた同様の考え方でいるわけであります。

【長島委員】

その答弁は私も何度も読ませていただいたんですが、それでも納得いかないので説明を求めているんです。
今、ISAFに言及をされました。ISAFというのは、きちっとした、さっきのは一三六八ですけれども、国連安保理決議一三八六で設置をされた。これは、集団的自衛権の行使でも個別的自衛権の行使でも何でもない、まさに治安を安定させていく、そういう軍事的な作戦であります。これに対する後方支援を仮に日本がやった場合には問題はないんですよ。私はそのことは全然問題にしていないんです。そこはすっきりしているんです、理論的に。
しかし、私が問題にしているのは、アメリカが個別的自衛権を行使し、そしてそれの助太刀をしたヨーロッパ諸国が集団的自衛権の行使をしている軍事作戦の一部分を日本が構成しているんですね、紛れもなく。給油活動を行っているんですから。後方支援活動というのはまさに軍事支援活動そのものですから。にもかかわらず、その集団的自衛権を行使している多国間の取り組みの一部を日本の自衛隊の活動が構成していないという説明というのは、何度聞いてもどうも納得がいかないんです。皆さん納得されますか。
政府は、武力行使はしない、武力の行使と一体化もしていない、戦闘地域とも一線を画しているから、自分たちは武力行使をしていないんだからこれは集団的自衛権の行使に当たらない、こうおっしゃるんですが、客観的にこの物事を見たときに、日本は集団的自衛権を行使している国々の作戦の一部を構成しているんですから、これは素人というか、常識的に考えたら、この集団的自衛権の片棒を担いでいると言われても仕方がないですよね。そこのところをどういうふうに法理論的に整理されているのか、もう一度御説明ください。

【町村国務大臣】

これも、私も議事録等を見て、当時何度も何度も同じ議論が繰り返されたということでございましょう。
このテロ特措法に基づく給油活動、それ自体としては憲法の禁ずる武力行使に当たらない活動でありますし、その活動地域はいわゆる非戦闘地域であることなどから、他国の武力行使と一体化するとの問題を生ずることはないということを当時から申し上げているわけであります。
この一体化の考え方は、仮にみずからは武力の行使を行っていなくても、他国が行う武力行使への関与の密接性等から我が国も武力行使をしたと評価を受ける場合もあり得るというものでありますけれども、いわばこれは憲法上の判断に関する考え方を述べたものであるということで、従前から同じ考え方を申し上げ続けているわけであります。

【長島委員】

今おっしゃった密接性というのは、これを議論していたら切りがないんです。神学論争になりますからそれは追及しませんけれども。
これをもし突き詰めていくとどうなるか、私は少し考えてみたんですけれども、皆さん御承知のとおり、今回のテロ特措法の原型になっているのは九九年の周辺事態安全確保法でありますね。この周辺事態法の法理というのは、今まさに外務大臣が御説明なさったように、武力行使とは一体化していない、そういう活動なんだ、それから、戦闘地域から一線を画すんだということから、仮に米軍が我が国周辺で軍事作戦を行って、それに我が国が後方支援しても、それは米軍の軍事作戦と一体化するものではないんだと。
つまりは、米軍がどういう理由でやるかわかりません、個別的自衛権でやるのか集団的自衛権でやるのかわかりませんが、仮に朝鮮半島で何かあった場合に、韓国は個別的自衛権、そしてそれを支援する米軍が仮に集団的自衛権を行使したとしても、それに対する我が国の米軍の支援というのは、今外務大臣がおっしゃったように集団的自衛権を構成するものではないんだ、こういう説明だと思うんですね。それと同じことを今テロ特措法で外務大臣はおっしゃったと思うんです。
しかし、これを突き詰めていくとどうなるかというと、自分たちがやっている後方支援活動というのは、その支援対象である活動の主体がどんなことをやっていても関係ないという議論ですよ。そうではありませんか。仮に、先制攻撃を行っていたり、あるいは侵略のための作戦行動を行っていても、今外務大臣の説明でいけば、我が国の憲法にのっとって、日本の後方支援活動は、武力行使と一体化もしていません、戦闘地域の外でやっていますから、仮に支援対象となる国がどんな活動をしようが関係がないという議論になりますね。そこをお認めになりますか、外務大臣。

【町村国務大臣】

今、米国がどういう活動をやっているのかということを一定の仮定を置いてお話しになられました。
米国がおよそ国際法違反の活動をどんどんやる、それについて日本が支援をするのかというお尋ねであれば、アメリカは、国連憲章に基づいて一定の場合にしか武力行使はできないわけでありますから、それに基づいてする活動というものは当然あり得る。今回のイラクがその一つのいい例だろうと思います。
したがって、それに対して日本がどういう支援をするか、それはまた日本独自の判断があり得るわけでありますけれども、アメリカがおよそ国際法をすべて無視して、国連憲章も無視してありとあらゆる好き勝手なことをやるんだという前提の御議論であれば、アメリカがまるでアウトローの国家であるということを長島委員がおっしゃっているような感じがいたしますから、それは違うんじゃないんでしょうか。

【長島委員】

私は、別にアメリカがどうとかこうとかと申し上げているわけではありません。
周辺事態法のときは、ここは、周辺事態というのは地理的概念ではない、そういう整理だと思いますけれども、しかし、まだ、我が国の周辺という地域的な限定がかかっていたんですね。しかし、この特措法では、それはもう地球上どこでもできるという話になっているんですよ。なっていますよね。これは、イラク作戦であろうがアフガニスタン作戦であろうが、とにかく我が国の憲法上の制約をクリアしているんだから、後方支援に限定されるんだったら、支援の対象がどんな軍事行動を行っていてもそこは見ない、こういう法理じゃないですか。しかも、さっき外務大臣がおっしゃったように、国連安保理決議がないにもかかわらず支援をしている、そういう根拠がないのにもかかわらずと。
ですから、これでいくと、支援の対象となっている国がどんな行為をしているかも関係ない、それから国連決議の有無もほとんど関係なく、後方支援だったら地球上どこでも日本はやれるということになるんですね。そういう考え方も一つあっていいと思いますよ、私は。だけれども、国民のある意味でいうと今までのコンセンサス、あるいは政府が積み上げてきた、自衛隊の活動というのは自衛権に基づく必要最小限度にとどめるべきだというコンセンサスからかなり逸脱しているんじゃないか、こういう印象があるんです。その点についてどう思われますか。

【町村国務大臣】

今委員が、支援する相手国がいかなる活動をやっていてもとおっしゃったから、そこは違うのではないんですかということをさっき申し上げたのであって、それは一定の国際法で認められた範囲での活動、もしそれが国連憲章等にのっとらないものについて、いかなる活動であっても日本は支援できるんだ、例えばアメリカがやることならば何でも支援できるんだ、そういう議論にはならないのではないですかということをさっき申し上げたのであります。

【長島委員】

それは政治判断の問題なんですね。もちろん、そんな、支援の対象となる国がほかの国を侵略しているような行為に我が国の政府がどんなに間違っても支援するはずがないんです。それはわかるんです、それは政治判断としてあり得るんです。
私は今、憲法解釈を問題にしているんです。憲法の枠というのはどうなっているんですかということを質問しているんです。
憲法の枠組みに従って純粋に今の政府の説明を突き詰めて考えていくと、支援対象がどんな活動であれ、あるいはそれに基づく国連決議があるなしにかかわらず、後方支援活動であれば日本の自衛隊は地球上どんな場所に行ってもやれる、武力行使を直接するわけじゃないから何でもできるんだという話になりませんか、そういうことをお尋ねしているんです。もう一回お答えいただけますか。

【町村国務大臣】

だから、今、委員がどんな活動でもとおっしゃったから、そこは違うのではないですかということを私は申し上げているんです。

【長島委員】

外務大臣、はぐらかさないでください。それは政治判断の話でしょう。日本の政府としての憲法判断はどうなんですか。法的判断を聞いているんです。

【町村国務大臣】

憲法判断にもちろん、ですから、このテロ特措法が違憲の立法であるという御判断をもし今長島委員が言っておられるならば、私どもはそう考えないということを申し上げるしかないわけであります。

【長島委員】

これはもう最後にしますけれども、政府の説明はこうなっているんですね。仮に支援する対象が個別的自衛権を行使しようが集団的自衛権を行使しようが、それに対する後方支援というのはそういう活動の一環ではないという説明を政府はずっとしてきたんです。
ということは、その対象となる活動がさらにエスカレートした場合でも、仮に侵略に及んだ場合でも、後方支援の範囲というものを限定すれば自衛隊はそのまま活動し続けられる、こういうことになりませんかという御質問なんです。

【町村国務大臣】

ですから、何度も申し上げておりますように、アフガニスタンにおけるテロ防止活動というものを多国籍で今やっている。ある意味では、国際的にみんなが、そうだよな、こういう活動は必要だというコンセンサスがある中での支援活動でありますから、もしこれが、仮定の話ですから、どこか全く関係ない国にテロ対策だと称してどんどん攻めていったというような活動について、では支援を続けますかといえば、それはそういうことはない。
だから、当然、そこで行われている活動の、本来それらの多国籍軍がやっている活動の合目的性とか国際的な合法性というものを前提にして、私どもはそれに支援するしないというのを日本独自の判断で決めるということを申し上げております。

【長島委員】

外務大臣、法的枠組みの話をしているんですが、最後はいつも政治的判断の話になってしまうんですね。政治的判断は疑っていないんです、私は。だから、法的枠組みはこれでいいんですか、そういう質問をさせていただいたんですが、これ以上やっても仕方がないので次に行きたいと思います。
テロ特措法は、テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めている諸外国の軍隊などの活動を我が国が支援する、こういうふうに言っているわけですが、このテロ特措法に言うテロ攻撃によってもたらされた脅威の除去に努める諸外国の軍隊の活動、これは今のところどうなっていますか。今OEFの話をしていただきましたが、ほかに何があるのか、実態としてどういう軍事活動が続いているのか、御説明いただきたいと思います。

【町村国務大臣】

OEFについては、先ほど申し上げましたが、約二十カ国が部隊、将校等を派遣しておりまして、アフガニスタンの南東部から東部の国境地帯を中心に、アルカイダ兵、タリバン兵の排除、拘束、情報ルートの分断等の活動をやっております。
また、インド洋におきましては、このOEFの海上阻止活動ということで、米、英、カナダ、ドイツ、フランス、パキスタンの艦隊が海上阻止活動に従事をしておりまして、二〇〇一年の九月以降、十三万七千回の無線照会、それから約一万一千回の乗船検査を行っておりまして、テロの脅威が世界各地に海を通じて拡散するということを抑止する効果を上げている、こう考えております。
そのほかにも、先ほどお話ししましたISAF、国際治安支援部隊でございますが、これは、アフガニスタンを再びテロの温床にしないという観点から、三十六カ国が参加をし、約一万一千人が首都カブール及びその周辺の治安維持活動をやっておりますほか、地方復興チーム、PRTと呼んでおりますけれども、これに二十二カ国が参加して、地方都市における治安維持及び復興支援活動を実施しているという状況でございます。

【長島委員】

テロ特措法は、行きがかり上と言ったら語弊があるかもしれませんが、OEFに限って活動しているわけですけれども、これはISAFやPRTの方に活動を拡大するというか、何でOEFに限定して日本の活動をしているのか、そこはどういうふうに御説明されるのでしょうか。

【町村国務大臣】

これは、日本の今の自衛隊の法上の制約、武器使用の問題といったようなことが一つ大きな制約にあるんだろう、こう思います。したがって、この陸上での活動、もちろん、最終的に憲法を改正し、あるいは自衛隊法を改正し、そういうもろもろの法改正をやればそれはできないことはないと思いますけれども、今の状態というのは、もう一つは危険の状況というものも多分加わってくるんだろう、こう思いますが、これらについては参加をしない、あるいは参加し得ないという判断をしているわけでございます。

【長島委員】

それから、OEFのMIOミッション、海上阻止行動、これも本来なら、給油ももちろん非常に重要な活動だと思いますけれども、船舶検査そのものを日本の海上自衛隊がすることはできないんでしょうか。
周辺事態法と一緒に成立をした船舶検査活動法によれば、これは周辺事態に限ってでありますけれども、船舶検査を公海上ではやれることになっています。そちらの方の活動を控えている理由は何でしょうか。防衛庁長官に。

【大野防衛庁長官】

船舶検査ということを御指摘でございますけれども、現在、各国からの要請というものは、給油のニーズ、水のニーズということでございます。そういう各国のニーズを踏まえてこういう形にしているわけでございます。

【長島委員】

主体的判断ということでありますから、ほかにいろいろな活動があり得るんだと思うんですね。もちろん、これはさっき外務大臣からお話がありましたように、軍事的な活動の三本の柱を御説明いただきましたが、非軍事の日本の貢献というのもたくさんあるんだろうと思うんですね。
今、アフガニスタンの復興支援を初めとして、軍事だけではなく非軍事の方で、これは特措法にももう一つの柱として、人道的精神に基づいて実施する措置、こういうのがあります。私どもは経済支援の九億五千万ドルというのを何度も聞いておるんですけれども、非軍事の人的な支援が今どの程度アフガニスタンで行われているのか。
私は、自衛隊の皆さんは本当に御苦労なんですけれども、何か日本の人的支援は自衛隊の皆さんに頼り切っているような、私はそういうイメージがあるんです。外務省は、ほかの面で人的支援が行われているのであればそれをもう少しPRすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

【町村国務大臣】

アフガンへの日本の取り組み姿勢ということで一番典型的なのは、二〇〇二年一月に、アフガニスタン復興支援国際会議、東京会議というものを日本のイニシアチブで開催したわけでございます。その中で、政治プロセス、治安、復興、すべての分野での支援を進めるということを決めているわけでございまして、今委員御指摘のように、支援総額約十億ドルということであります。
また現地でも、確かに必ずしも治安状態がよろしくないわけでございますが、それでもカブールを中心にして百数十名の邦人の援助関係者が現地で大変頑張っておられるという姿でございます。
政治プロセス、治安、復興、それぞれについて簡単にお話をいたしますと、政治につきましては、昨年の十月の大統領選挙、また、ことしの九月の下院選挙、県議会選挙の実施につきまして約三千万ドルの支援を行ったほか、選挙監視団という人的貢献もしております。
治安の部分につきましては、それぞれの国がある種の分担をいたしまして、日本は武装解除の分野で主導的な役割を果たしているところでございまして、既に、軍閥出身者から成る旧国軍兵士約六万三千人の武装解除を完了したところでございます。そのうち六万二千人が動員解除され、約六万人が今社会復帰の過程に入っているということで、この日本のDDRの面での活躍、活動というものは国際的にも非常に評価をされているというふうに理解いたしております。
復興につきましては、インフラ整備、保健衛生、教育、こうした分野での支援をやっておりまして、日本がその一部を担当いたしましたカブール―カンダハル間の幹線道路が二〇〇三年に開通したほか、これは日本だけということではございませんが、教育分野での支援というものもやっておりまして、非常に数多くの児童が就学をするに至っている、こういうことでございます。
ただ、このほかにも、麻薬の問題でありますとか非合法武装集団の問題でありますとか法の支配の問題でありますとか、いろいろな課題がまだまだ残っている。そういう意味では、本格的な国づくりは、これからまだやるべきことがたくさんあるということだろうと思います。

【長島委員】

さっき、自衛隊が何でISAFやPRTの活動に参加しないのですかとお尋ねをしたら、治安の問題もある、それから武器使用の権限の問題もある、こういうお話でした。にもかかわらず、百数十名の邦人が今なおアフガニスタンで活動されている。
この方たちの安全確保はどのようになされているんでしょうか。

【町村国務大臣】

私も詳細を全部承知しているわけではございませんが、ことしの春に私もアフガニスタンに参りまして、現地で活動しておられますNGOあるいは日本の政府機関の方々、もちろん大使館の方々はもとよりでありますが、お目にかかっていろいろ話をいたしました。
比較の問題でいうならば、カブールはまだ相対的にいい、しかし、それも町の中の場所にもよりけりだということでございまして、そういう意味では、彼らは比較的安全とおぼしきところ、もちろん道路などはやや郊外の方に行って仕事せざるを得ないわけでございますが、その分はできるだけ、例えば全体の監督をする役割にとどめて、実際の工事は現地の人を雇うというようなことでございます。
したがって、私どもも、その百数十名の方々が本当に安全な状態であるかどうかということについては細心の注意を払いながら、十分いろいろな情報を入手し、彼らが危険な場所に陥らないような必要な情報提供、連絡等を常日ごろ心がけながら、できる限りの活動をやっていただくようにしているところでございます。

【長島委員】

カブール地域は比較的安定しているということなんですが、そうであるなら、先ほどの御答弁のようではなく、もう少しゼロベースで日本のアフガニスタンの復興に対する自衛隊のかかわり方というのも、さっき大野長官はニーズが給油しかないというようなお話をされましたけれども、それは我々、もう少し主体的に考えていけるんじゃないだろうか、こう思います。
それで、この特措法の最大の難点は、活動の出口が見えないということなんだろうと私は思うんですね。時限立法なんですから、その性格に照らせば、期間内にこういうことを達成するんだ、そういうことが達成されたら活動を終了するんだ、こういうはっきりとした指標が必要だというふうに私は思うんですね。  しかし、実態として見てみると、これはイラクも同じなんですけれども、イラクの話をしましょうか。
イラクは二十八カ国がやっています。しかし、日本以外の二十七カ国は治安維持活動をやっているんですね。安定確保のための活動をやっているんです。それは、一方でイラクの治安部隊を育成しているわけです。イラクの治安部隊が育成されてある程度治安が回復してきたら、その活動はある意味で終息を迎えるんですね。ゴールを迎えるんです。すごくわかりやすいのです。だから、後はイラクの治安部隊にゆだねて、そして撤退することができるんです。
しかし、イラクの自衛隊がやっていることは人道復興支援ですから、この橋も直してください、この道を直してください、この病院も直してください、この学校も直してくださいと、これはまさにエンドレスなんですよ。今、イラクで起こっている出来事というのは、他の二十七カ国に比べて日本の活動というのは本当にエンドレスになりつつあるという、そこを私は非常に危惧しているんです。
同じように、このOEFでもそうなんですね。ISAFの活動やPRTの活動というのは、ある程度治安が安定して、そして復興が進んでいけば、これはお役御免になるんです、必要なくなるんです。しかし、洋上の活動、海上阻止活動というのは、これは際限がない可能性があるんです。つまり、テロリストが海上に出てくるかもしれない、テロリストをかくまう人たちが武器を搬出するかもしれない。ずっと世界じゅうでテロが起こっている限り、あの洋上での活動はエンドレスで続く可能性があるんです。
そういう状況の中で、政府は、この特措法に基づく自衛隊の活動、どこで終止符を打とう、どういう基準で終止符を打とうとされているんでしょうか。

【大野防衛庁長官】

当然、我々、政治として考えるべき問題でございます。
ただ、インド洋における我が国のテロとの闘い、全体の闘いというのは、当然のことながら、国際社会が、テロを追放しよう、地球から追放していこう、こういう使命に燃えまして、その中で国際社会の責任ある一員として日本が参加しているわけでございます。この闘い、アメリカなんかでよく言われておりますように、冷戦のように本当に長くかかるかもしれない、そしてまた忍耐を要する仕事である、こういうことは委員十分御存じのことだと思います。
そこで、例えば、テロのリーダー、ウサマ・ビンラディン、あるいはアルカイダ、こういうような主要幹部が捕捉された、あるいは拠点が破壊された、これだけで終わるものだろうか。まだまだテロの可能性があるとすればそこを見きわめなきゃいけない、ここに非常に難しい問題があろうかと私は思っております。
現状において、やはり我々は、アフガニスタン国内で行われているテロ掃討作戦が進展する、アフガニスタンを拠点とした海上における武器やテロリストの移動の流れが著しく減少していく、このような状況を総合的に判断していかなきゃいけない、その判断をこれからしていかなきゃいけない、こういう問題であって、では、いつごろそれがわかるんだ、こういうことはなかなか今の時点で申し上げにくいことでございます。
アルカイダの関与が疑われるテロが世界各地で発生する、あるいは九・一一のような脅威は依然として存在するんだ、こういうような認識は我々十分持っていて、そしてテロをとにかくこの地球上から追放していくんだ、この理念でもって国際協調をやっていかなきゃいけない、このように思っております。

【長島委員】

私もその理念は賛成なんですよ。
官房長官、忍耐が必要というお話が今ありました。いつ終わるかわからないというお話がありました。では、何で一年なんですか、延長期間が。これは前回は二年だったんですね。法律はもともとは二年になっていた。それをはしょって一年にする。では、一年間で今言ったようなテロの終息する見通しがあるんですか。

【細田国務大臣】

これまでは二年、二年と来たわけでございますが、今回、一年延長で御審議をいただいているわけでございます。
今後の取り扱いについては、アフガニスタンにおけるテロリスト掃討作戦等々の進捗状況あるいは同国の内外の情勢、国際社会によるテロとの闘いへの取り組みの推移、我が国として果たすべき役割など種々の要素を総合的に勘案して、我が国として主体的に判断する必要があると考えております。
今回、二年延長でなく一年延長にしたということも、政府としての考え方の方向を一年ごとにまた考えるべきであるということでお願いをしているわけでございます。

【長島委員】

全然説明になっていないんですよ、官房長官。一年で終息する見通しがあって一年にするんだったら我々も考えますよ。だけれども、全然見通しもなく今回は一年、まさに腰だめの数字なんじゃないですか。
一般的なテロとの闘いだったら、なぜ一般法でやらないんですか。何で時限立法にするんですか。時限立法というのは、ある見通しがあって、短期間で終息するからこれだけはやらせてほしいといって出すのが時限立法でしょう。なぜ一般法にしないんですか。その理由をお答えください。

【細田国務大臣】

期限を付するような形での延長が適当でないから恒久法、一般法をつくるべきであるという御指摘でございますが、これは、総合的にそういった必要があるかどうか、つまり、どちらがいいかということで申し上げているわけでございますので、やはり総合的にテロ自体の今後の動向、特に九・一一テロに関してあれほど、三千人以上の死者を出し、世界を震撼させたテロ行為であり、かつアフガン内部でその種が強く残っておる現在は、まだもうちょっと今の掃討作戦等の様子を見る、こういう必要性を強く感じているわけでございます。

【長島委員】

今の答弁は本当に無責任だと思います。もうちょっと様子を見る、こんなことで本当に審議が成立すると思っておられるんでしょうか。
今、一般法の議論をさせていただきました。私は、政府は見通しが非常に甘かったと思いますね。さっき大野長官もちょっと触れられておりましたけれども、テロとの闘いというのは本当に冷戦に匹敵するぐらい長期の闘いになるということは、前からいろいろな専門家や政府関係者が言ってきたんです。にもかかわらず二年の時限立法でやった。これは、あのときに緊急性があったということは一つの理由だとは思いますけれども、しかし、それを延長するときに、一般法の議論もあわせてしていたはずなんですね。
官房長官、お尋ねします。
以前、これは平成十五年九月三十日の質疑の中で、中谷筆頭が当時の福田官房長官に一般法の作業の進捗状況について尋ねておられますけれども、そのときに官房長官は、「さまざまな検討を開始したところでございます。これは内閣官房で特別チームをつくりまして、そこで検討を始めた、こういう状況でございます。」と。二年たちました。一般法の進捗状況について端的にお答えください。

【細田国務大臣】

これまでそのような議論があったことはよく承知しておりますし、また、与党、野党内でもさまざまな意見交換が行われておるということはよく承知しております。
これは、国会の側あるいは政府の側、ともに非常に大事な問題でありますので、十分今後のあり方について検討し、それを踏まえて考えるべき問題であると考えております。

【長島委員】

極めて無責任、不十分な答弁、官房長官、そう思われませんか。二年前から着手していまだに今のようなお答えしか、原則すら示すことができないのですか、アウトラインも。だから、これは一年後にもう一回再々延長をお願いするようなぶざまなことになりますよ、こんなことをやっていたら。本気で一般法の議論を始めてください、恒久法の議論を。私たち民主党も既に議論を始めております。
委員長、ぜひこの機会に一般法の議論、こういう時限立法を延長、延長、延長という無責任なやり方ではなく、本当に、国連決議がしっかり存在する、あるいは広範な国際社会の共同の枠組みがある、そして国会の事前の承認が必要だ、こういうような三つぐらいの柱に絞って、ぜひこれから真剣に一般法の議論を始めていただきたい。そうでなかったら、このテロ特措法を延長するような、まさに法の趣旨をゆがめるようなやり方をいつまでも続けることはできません。そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

【船田委員長】

次に、山中あき子さん。