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国会質疑

2006年2月27日

【会議録】第164回 安全保障委員会

【浜田委員長】

 次に、長島昭久君。

【長島委員】

 民主党の長島昭久です。
きょうは、米軍再編の問題に絞って御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
私も、この二年半、米軍再編、とりわけ在日米軍の再編のプロセスを見てまいりましたけれども、どうも、日本側からきちっとしたマスタープランといいますか戦略ビジョンといったものをアメリカ側に主体的な形で提示し切れていなかったんではないか、そういう印象を強く持っております。本来であればこういう議論は、お互いの戦略を持ち寄ってすり合わせをして、そして両国にとって利益になるような解を探し出す、こういう形であることが望ましいと思うんですけれども、どうも、私の多少うがった見方かもしれませんが、日本側から発せられるメッセージは、二つの二本柱、抑止力の維持、負担の軽減、こういう二つの二本柱のうちの後者、負担の軽減というところ、もちろんそれは、先ほど安次富先生のお話がありましたように、我が国にとっては大変重要なポイントだと思うんですけれども、それにしても、少し負担の軽減にこちら側の主張が偏り過ぎているがゆえに、どうも、とられる必要もないようなところをアメリカ側から足元を見られてとられてしまっているような、そんな印象があるので、ちょっとその点伺いたいところなんです。
 一つは、額賀長官、今月の初めにラムズフェルド国防長官とお会いになった。そのときに、これは報じられているベースなんですけれども、改めて負担の軽減のお話をされたということなんですね。私はちょっとそこは多少違和感がありまして、なぜかといえば、去年の十月の末に日米間で取りまとめた合意、その合意を得るプロセスで日本側の負担の軽減の主張はさんざんして、それを加味した形で合意文書というのができている。そこから先、その合意文書をどうやって実施するかという際にまた改めて負担の軽減の話をされるというのは、多少米側からすると違和感があるのじゃないかな。
 実際、ラムズフェルド長官も、地方で選挙があるから、これは名護の選挙だと思うんですけれども、またことしは沖縄の県知事選挙もありますし、地方で選挙があるからとか、おくらせる理由は幾らでもある、だから、地元調整を理由に来月の最終報告をおくらせぬようにくぎを刺された、こういう報道ぶりなんですけれども、長官として、改めて負担の軽減ということを持ち出されたその理由は何なのか、ちょっとお話をいただきたいと思います。
〔委員長退席、岩屋委員長代理着席〕

【額賀国務大臣】

 その前に、ラムズフェルド長官と話したときは、日米同盟というものは、日本の安全保障だけではなくて、アジアの地域、あるいはまた日本にとっては新しい脅威である弾道ミサイルとか、あるいはまたゲリラ的なものとか、日米の協力関係をきちっとしていかなければならない。あるいはまた、戦略的に日米同盟は自由主義とか市場経済だとか価値観を共有するところがあり、世界の今後のあり方を考えれば、お互いに成熟した民主主義国家群をつくっていくためには日米同盟関係がしっかりしていかなければならない、そういう前提の上に立って、この再編の中身について入らせていただきました。
 そこで、中間報告では一応の考え方がまとまりましたけれども、はっきり言って、それは米国側と日本側で若干の意識の差があります。アメリカでは、基地の問題はどこの地域に行っても総体的に言って大歓迎であります。しかし、日本においては、やはり地元の負担が多い、つらい思いをするということで、地域の皆さん方を説得することに相当のエネルギーを消費いたします。これはもう紛れもない事実であります。中間報告でまとめられた考え方を実現していくためには、抑止力の維持と負担の軽減というのは紛れもない事実でありますから、我々がきちっと、中間報告で協議したことについてアメリカ側が具体的な考え方を示せないものですから、しっかりスピードを出してやってくれという話をしたわけであります。

【長島委員】

 ありがとうございます。
 私も全く同感でありまして、日米関係の強化あるいはアジア太平洋地域における日米の安全保障上の協力というのは、私どもの生存にとっても繁栄にとっても欠くべからざるものであるという認識を持っております。
 そこで、先ほどの多少足元を見られているのではないかという文脈でお尋ねをしたいのは、アメリカの海兵隊、第三海兵遠征軍の司令部のグアム移転に伴う日本側からの財政支出の問題なんですね。
 これは、去年の十月の合意文書には、「約七千名の海兵隊将校及び兵員、並びにその家族の沖縄外への移転」というものがうたわれて、「このような兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、米国政府と協力して、これらのグアムへの移転を実現可能とするための適切な資金的その他の措置を見出すための検討を行う。」と、語尾は大分濁っているんですが、財政的な支援をするというコミットメントを両国政府間でなさっておられるということなんだろうと思うんです。
 私の質問は、この財政支援の話というのは、いつごろ、日米どちら側から持ちかけた話なのか、ぜひお答えをいただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

 これは、中間報告のころに私は政府の代表として交渉したわけではないから、すべてのことについてつまびらかではありませんけれども、基本的な考え方としては、海兵隊を移転するということは、沖縄にとっては負担の軽減につながっていくことになります。負担の軽減につながっていくことになるためには、アメリカの協力と日本の協力があることによってスピーディーにできるということが財政負担をする根拠になっていくことになります。
 どちらが早くやるということを言い出したのかということではなくて、これを延々と十年も二十年もかけてやっていくということであるのならば、私どもとしては、一日も早く負担の軽減を継承していくために、アメリカの対応が我々の要望どおりになってくれるならば、財政負担をしても結果的には国民の利益それから沖縄の利益になるのではないかというふうに判断したところであります。

【長島委員】

 おっしゃる意味はよくわかるんですね。日本側の要望が強い場合には今の長官の御答弁は全く正しいと思うんですが、今回の米軍再編というのは、日本だけではありませんね、韓国もドイツも、全世界規模で行われている。
 同じように駐留米軍が削減をされているドイツや韓国、ここでも当然のことながら地元負担というのは、今長官がおっしゃったように軽減されるわけですね。しかし、日本とは異なって、経費負担という話は出ていないと思うんですね。そこは事実ですか。

【塩崎副大臣】

 今、ドイツ並びに韓国のお話が出ましたが、特にドイツにつきましては、実は費用負担というのは一兆円ぐらいしているんですね。そういう事実はありますが、しかし、お尋ねが、米国の同盟国に関して行われた、米軍の移転に伴う経費負担をしたかどうかということにおいては、我々が知っている限りでは、ないというのが実態でございます。
〔岩屋委員長代理退席、委員長着席〕

【長島委員】

 塩崎副大臣、一兆円というのは、それではどういう経費負担なんですか。

【塩崎副大臣】

 これは九四年のドイツ国防白書に記してあることでございますけれども、旧ソ連軍のドイツからの撤退時における費用負担ということで、一兆六百八十億円、百二十億マルク、これをドイツが負担しているということでございます。

【長島委員】

 そうですよね。ソ連軍ですね。当時、ソ連はもう崩壊寸前のような、そういう国でしたから、やむを得ない一つだったんだろうと思うんですが、今のアメリカが崩壊寸前とはだれも思っていないと思うんですね。
 日本経済新聞の去年の十一月八日の朝刊に、外務省の幹部の方のコメントということで、ドイツや韓国は米国の意向による削減であって、日本側が求めた沖縄の海兵隊削減とは事情が違う、こういうコメントをされているんですが、これは外務大臣でも防衛庁長官でも構いませんが、この見解、この論理立てに間違いございませんか。

【麻生国務大臣】

 基本的には、韓国の場合を例に引きますと、釜山から三十八度線以降にごそっと下げたのは米軍の意向、韓国は反対だったと記憶いたしますので、米軍の一方的な意向だったと存じます。それから、ドイツの場合は、先ほど塩崎副大臣の方からも申し上げたとおりです。
 今回の場合は、日本側のこれは長年にわたる希望でありましたし、先ほどの安次富委員に限らず、これは沖縄の方は皆おっしゃるところでもありますので、私どもとしては、移転を決めてもらったのはいいんですけれども、今から十五年かかって毎年五百人ずつなんというんじゃとてもじゃないので、これを一挙にやってもらうというときには、立ち退き料という表現が正しいかどうか知りませんけれども、もう少し適当な外交用語があるんでしょうけれども知らぬものですから、セメント屋としてはその程度の単語しか知らぬもので、済みません。そういった意味で、とにかく即行ってもらった方がいいのでということで、今のような話になった。その額が幾らになったかはまだ、ちょっと詰めを、存じません。

【長島委員】

 外務大臣らしい直截的な御表現をいただきましたけれども、立ち退き料、これを本当に同盟国同士でやりとりし合うことがあしき先例にならないかというのは私非常に危惧をしておりまして、この点、これは幾らやっても水かけ論だと思いますのでここでやめますけれども、ここの認識は国民の皆さんも相当違和感を持っておられる決定だろうと思いますので、ぜひ御認識をいただきたいというふうに思います。
 そこで、さっき、ドイツや韓国は米国の意向だった、沖縄からグアムに移転するのは実は日本の意向の方が強いんだ、こういう御指摘だったんですが、私が多少調べたところによりますと、グアム移転も米国の意向ではないかと思われるような根拠が実はあるんですね。
 私、日本の政府の皆さん、いろいろレクを受けてもなかなかお答えいただけないので、少しアメリカの文書をほじくり出しまして、手元に、昨年の五月に中間報告を発表されました海外基地見直し委員会、これは米議会、連邦議会の諮問機関でありますけれども、元ジェネラルとかアドミラル、要するに将軍や提督がメンバーになって、それぞれの海外基地の見直しを国防総省とは別にやってみようということで諮問をしたそのドキュメントを持っております。非常に分厚いドキュメントなんですけれども、本文はたったこれだけなんですね。あとはアペンディックスなんですね。これは全部付録なんです。
 この付録がくせ者でして、実はこれが、〇五年、去年の五月九日に海外基地見直し委員会のホームページにアップされるや否や、ラムズフェルド国防長官が怒りまして、この中には非公開資料が含まれているということで、慌ててその委員会はこのリポート自体をホームページから削除したという経緯があるんですね。それは、五月十五日に発行されたニューズウィークで第一報があって、翌十六日のワシントン・ポストにもその記事が載りました。ですから、河相局長初め皆さん御存じなんだろうというふうに思うんですが。
 八月十五日にすったもんだのあげく最終報告が出まして、その最終報告は実にこんなものなんです。アペンディックスは全部削除された。その理由は何かというと、このアペンディックスの中に、付録の中に、国防総省から見直しの検討をするのに必要な書類、情報ということで提供した非公開文書が、情報が入り込んでいたので、これを削除しますという断りが書いてあります。私が何で持っているかというと、これもネット社会で、おもしろいもので、全米科学者協会というんですね、そこのホームページが、最初にぽんと五月九日にホームページに出たときに、これをアップロードしていて、そのホームページから私は行って入手したんです。今恐らくそのホームページしかアクセスできないんだろうと思うんですけれども。
 そこにはどう書いてあるかというと、グアムの基地の再構築という項目がありまして、第三海兵遠征軍司令部が沖縄からグアムに移転する可能性があるんだと。これは去年の五月の段階ですよ。これにより最大で二十九億ドルの大規模な施設建設費がかかる、その後アンダーソン空軍基地の強化の話、それから海軍の潜水艦や、あるいはもしかすると空母打撃部隊の寄港地にもなるというような、そういう文章が並んでいるんです。
 つまりは、私が申し上げたいのは、世界的な基地再編のその当然の帰結、米軍としては帰結としてこのグアムの基地を強化したい、その一環として沖縄の第三海兵遠征軍の司令部をグアムに移転させる、これはまさにアメリカの意向としてこういう決定がなされているわけで、麻生外務大臣が先ほどわかりやすく説明していただきましたけれども、立ち退き料というよりはアメリカの都合でこの司令部の部隊をグアムに移転した、こういうふうに考えられるのではないかと思うんですが、長官あるいは外務大臣、いかがでしょう。局長でもいいと思いますが。

【河相政府参考人】

 お答え申し上げます。
 今の手持ちの資料として、ブラックのもう削除されてしまった記録というのは私持っておりませんので、必ずしも詳細にわたってここで御説明することには限界があろうかと思います。
 委員御承知のとおり、グアムには現在、空軍それから米海軍がおります。それにつきまして、海軍、空軍の能力を向上するという考え方、これは米側として持っている。これは、例えば二〇〇五年、昨年の三月のファロン米太平洋軍司令官の議会証言の中でも、戦闘機等々の部隊を強化する、それから、現在潜水艦として攻撃型潜水艦が配備をされているんですけれども、さらに巡航ミサイル搭載型原子力潜水艦を配備する、そういうようなことは考えているということは記録として出ておりますし、我々も承知しておるわけでございます。
 仮に、ブラックの中に、調査団の中に沖縄の海兵隊がグアムに移転をするということが言及されていたのかもしれませんけれども、日米間の細かい交渉経緯というものについてつまびらかにすることには限りがあるわけでございますけれども、日米間において既にそのときに、沖縄の海兵隊の司令部機能のところをどうやってグアムに下げることができるかどうかという議論は、いろいろな形でしていたという事実関係はございます。

【長島委員】

 ですから、だまされたという言い方を私は同盟国ですからしたくはありませんが、どうも、負担の軽減をしてほしいんだろう、だから、もともと既定路線だった司令部のグアム移転も、ある意味で恩着せがましく、じゃ、あんたのところを加速するためにお金払いなさいよ、こういう話になっていやしないかという私ども不信感が実はあるので、そのことは私は議事録にとどめておきたいし、外務省の皆さん、防衛庁の皆さんにもそこはぜひ認識をしていただきたい。
 これはアメリカの戦略から考えれば理由のないことではなくて、アメリカは、今回のQDRではなくなりましたけれども、不安定の弧という、東南アジアから南西アジアそして中東をにらむ、こういう非常に不安定な地域に対するアメリカ側のかかわり方として、沖縄からグアムに司令部を下げるというのは、距離的には下がるんですけれども、弧ですから、ちょうど平行移動したような形になるんですね、地図上では。そうすると、より広いアメリカのオペレーションのコマンドをきちっとできるという意味で、グアムに移転させるというのは、別に日本側からいろいろ言われなくても、アメリカ側として非常にリーズナブルな結論として到達したんではないだろうか、こういうふうに思いますので、そこにまで日本人の、日本国民の税金を安易に投入することについては、私は非常に危惧を持っている。
 それと同時に、今、海軍と空軍の話をされましたが、今回まだ、私が聞いているところによれば、資料請求したんですけれどもこの費用負担の内訳が出ていない、こういうことなんですけれども、その内訳の中に、仮に、先ほど外務大臣がおっしゃった、あるいは防衛庁長官がおっしゃったように、沖縄からの司令部移転だけの費用負担を求められると仮定したとしても、これが空軍や海軍の施設整備費に援用されないというか、そちらの方に充てんされない、そういう保証はあるんですか。そこはどういうふうにそういう保証をとるんでしょうか。

【河相政府参考人】

 お答え申し上げます。
 グアムに沖縄にいる海兵隊が退くことに伴う経費につきましては、現在、日米の事務レベルでいろいろな議論はしておるわけでございますけれども、最終的な姿というものは議論の過程でまだ出ていないというのが現状でございます。

【長島委員】

 いや、今の段階ではそこまでしかお答えできないんだと思いますが、新聞ではかなり詳細な、例えば読売新聞などは詳細な内訳を出しているんですね。
 米軍再編の過程でも私ども一番フラストレーションを感じたのは、立法府である私たちにほとんど情報が出てこない。それで、毎日のように新聞からそれらしい情報が垂れ流されている。こういう状況は私たちにとっては非常に耐えられない状況でありますので、ごまかさないでいただきたいんですが、今の海空軍の施設整備費には絶対流用されないんだ、ここはぜひ担保をとっていただきたいというふうに思います。そこまで私たちがやる必要は当然のことながらないはずですから。
 それから、沖縄の海兵隊は、この日米の合意文書によりますと、ハワイ、グアム、沖縄の間で再配分すると書いてあるんですね。沖縄にいた海兵隊がグアム以外の例えばハワイ、もっと言えば、報道レベルですけれども、フィリピンやオーストラリアという話もさんざん出てきました。ここは下地さんの方が詳しいのかもしれませんが。そういう意味では、なぜ、今まで沖縄にいた海兵隊がさっき外務大臣がおっしゃった立ち退き料で出ていくとしたら、グアムの司令部だけ、その建設費用だけ日本が負担するのか。それは、私は全部出せと言っているわけではありません、論理的に、ハワイに行くものも含めて日本は面倒を見ろという話になるんじゃないんですか。そこはいかがですか。

【河相政府参考人】

 現在日米の事務レベルで議論していますものは、あくまでグアムに沖縄にいる海兵隊が撤退をするということに伴う経費ということでございます。
 これに関しまして、確かに七千名全員がグアムに移転するのか、グアム以外のところに移転することは全くないのかということは、それ以外の、グアム以外に移転をする可能性というものは排除されるわけではございませんが、ほかのところについての経費負担というのは議論しておりません。
 基本は、先ほど外務大臣からも御説明したように、グアムに対する移転に伴う予算、資金について日本が検討するということは、いかにして早くその移転が実現できるかということに関連して議論しているわけでございますので、ほかの地域はグアムと同様のような状況にはないというふうに私は理解しております。

【長島委員】

 冒頭から申し上げているように、今の論理立てというのは、私は甚だ日本国民としては不満なんです。なぜかというと、全くダイナミックな思考じゃないんですよ。私、昔つたない文を書きまして、アメリカの軍事プレゼンスというのがアジア太平洋の平和と安定に必要ならば、国際公共財としてそのプレゼンスを日本がある程度財政負担をして、沖縄に負担も集中しているし、そこが分散されるのであれば、フィリピンやオーストラリアやタイやそういうところに分散されるのであれば、多少日本が財政的な支援、基金をつくって、アジア太平洋安全保障基金というようなものをつくって、そこから供出するようなアイデアもあるんじゃないか、こういう提案をさせていただいたこともあるんですけれども、それがいいか悪いかは別にして、ぜひそういう思考で当たっていただきたいんです。
 今回の日米合意文書にもそれらしいことが、長官、書いてあるんですね。「柔軟な危機対応のための地域における米海兵隊の再編」という項目に、「これらの変更には、海兵隊の緊急事態への対応能力の強化や、それらの能力のハワイ、グアム及び沖縄の間での再分配が含まれる。これによって、」ここから重要です、「個別の事態の性質や場所に応じて、適切な能力を伴った対応がより柔軟になる。また、これらの変更は、地域の諸国との戦域的な安全保障協力」、シアター・セキュリティー・コーポレーションと訳されるわけですけれども、「の増進を可能とするものであり、これにより、安全保障環境全般が改善される。」これが目的ですよね。
 これに対して、日本は、単に財政支援をするだけじゃなくて、主体的にこういう目的を達成するために、アメリカと任務、役割、能力の分担をしようというのが私は今回の日米同盟の変革と再編の最大の眼目だと思うんですね。そういう発想ではなく、何かグアムに立ち退いてくれるからお金をちょっと払ってあげましょうというような発想では、私は、なかなか日本の納税者を納得させることは難しい。
 むしろ、五千億だか七千億払うことになるのかどうかわかりませんけれども、私は絶対それは阻止したいと思いますけれども、そういうお金がもしあるのであれば、例えばこの地域の国々のキャパシティービルディングに役立てるとか、あるいは海上保安庁の能力を高めて海賊に対する対処能力をつけるとか、あるいは日本と域内諸国との共同訓練なんかの資金にするとか、あるいは高速輸送船が必要ならばそういうところから高速輸送船の購入費に充てるとか、こういうやはりダイナミックな、ああなるほど、我々の納めた税金はそういうアジア太平洋地域の安全保障にアメリカとは別の角度から貢献しているんだというようなロジックをぜひ政府の皆さんにも立てていただきたい。そうしないで、単に立ち退き料ということであれば、私は、この本委員会の委員としては絶対に認められないし、そういう説明で済むと思っておられれば、それはやはり認識を改めていただかなければならない、こういうふうに思っています。
 もし御感想があれば、大臣か長官か、御所見を承れればありがたいと思います。

【額賀国務大臣】

 もともと米軍再編は、アメリカはアメリカなりにみずからの戦略に基づいて再編計画が行われている。我々も、従来の安全保障に取り組む姿勢から、新しい環境の中でどういうふうにみずからの安全保障、防衛体制をつくるか、あるいは日米同盟関係を考えていくか。
 その際に、アメリカ側も、長島さんが御指摘しているように、この前は不安定の弧、今度はアジアの重視、そういう戦略転換は日本と共通する問題意識がある。それは、日本の安全保障と日本のアジアの地域における役割と責任を果たす上でプラスのものがある。共通のものについてしっかりと環境づくりをしていく。私は、日米同盟関係というのは世界の中で公共財的な役割を果たしていくことがこれからの姿だろうと思っております。その意味では委員と共通の認識を持っておりますし、それなりに、きちっと負担すべきところは負担はした方がいいと思っているわけです。

【麻生国務大臣】

 長島先生、昔、今から二十数年前、日米同盟と言っただけで内閣が一個倒れたんですよ。そういう時代だったの。今は、世界の中の日米同盟と言っても、長島さんも当然じゃないかと。そういう意識を持っておられる方が民主党にもふえた。喜ばしいことですよ、僕に言わせたら。二十年前はそんなこと絶対考えられないから。そのころから議員をやっています者からいうと隔世の感があるなと思って、今、自民党の方の御意見かなと思ってじっと聞いていたぐらい、私どもはそう思いましたよ、正直なところ。
 だけれども、私どもは、今長島さんの言われたことには、基本的には全く異論はありません。私どもとしては、少なくともこのアジア地域というところがまだいろいろな意味で不安定さを残しているということはもう確かですから、朝鮮半島、台湾海峡、いろいろ問題もありますし、その他にもマラッカ海峡の海賊の話も今されましたけれども、確かにそういった問題というのは、通商で生きている我々にとりましてはこれは非常に大きな問題ですから、そういった意味では、日本とアメリカが共通の価値観を持って、私どもとして共通の価値観を守るということに関して一緒になっていくというのは基本的に正しいんだ、私もそう思っておりますので、今言われた問題というのは、どうも日本の話になると、安保の話になると沖縄の話だけになっているみたいですが、これは沖縄の人ほど迷惑な話ですから、そういった意味では、もっと大きな視野で見るべきという意見に関しましては、私ども、全く賛成です。

【長島委員】

 ぜひ、日本側の主体性それから戦略性を持って対米交渉を、これから最後の最終報告に向けてきちっとやっていただきたい。納税者の声もぜひ酌み取っていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。