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国会質疑

2006年3月16日

【会議録】第164回 安全保障委員会

【浜田委員長】

 次に、長島昭久君。

【長島委員】

 民主党の長島昭久です。
 まず冒頭に、この米軍再編のための集中審議を開催していただきました、御尽力いただきました浜田委員長初め与党側の理事の皆さんに、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 本件は、我が国の安全保障に直結をし、日米同盟の根幹にかかわる問題でありまして、しかも、この後詳しく議論をさせていただきますが、相当な税金が投入される可能性があるという意味で、国民への説明責任をきちっと果たしていただかなければならない大変重要な問題だというふうに思います。  三月末の日米間の最終合意までにこのような委員会審議が本委員会で開かれるかどうか、こういう機会がまたあるかどうかについては非常におぼつかないところもありますので、きょうは、まず最初、総括的な質問から入りたいというふうに思います。
 第一番目、この再編協議の進め方についてであります。
 最近、安倍官房長官がこうおっしゃっていますね。地元の合意が得られなくても、日米両政府で在日米軍再編の最終報告をまとめる、こういう御発言をなさっていますが、これは明らかに順序が逆だと思うのですね。説明を尽くして、そして、地元の皆さんもある程度納得された上で日米合意をするというのが筋だと思いますけれども、ぜひ、防衛庁長官、この場で、そういう手法はとらないというふうにしっかり言明をしていただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

 お答えをいたします。
 これは、安倍長官の御発言をよく見ますと、この問題について地元と精力的に話し合いをしている、他方で日米協議を促進しているというような話をしているわけでございまして、政府の立場は一貫しておりまして、地元の理解、地元の説明をきちっとした上で、納得した上でこの問題の解決を図るということが基本的な姿勢であるし、我々は一貫してその形で地元に対して説明をしてきているというのが本当のことでございます。その上でこの問題の解決を図っていきたいというふうに思っております。

【長島委員】

 そうしますと、今、田端委員の方からも御質問がありましたけれども、仮に、地元の理解がもう少しで得られそうだ、しかし三月末日を迎えそうだということであれば、アメリカ側に対して、少し合意の期限をずらしてほしい、こういうこともあり得るということなんでしょうか。

【額賀国務大臣】

 私は、話し合いをしている、外務大臣とともに責任者であります。三月末までに結論を得るために最大限の努力をするつもりであります。

【長島委員】

 ストレートにお答えいただいていないのですけれども、ぜひこの順番を逆にしないでいただきたい。
 なぜかというと、もし仮に強行されることになれば、つまり、頭越しにアメリカ側との合意を先にして、それから地元にもう一度持ち帰るということになると、やはり地元の皆さんの反発はそれだけ深くて大きいものになるということだと思いますので、そこはぜひ順番を取り違えないでいただきたい、こう思います。  それから、第二番目は、グアムの経費負担の問題です。
 これもぜひ外務大臣にお答えいただきたいのですが、前回、私、この場所で、グアムの移転費用、立ち退き料という説明では申しわけないけれども承服できないと。  その後、恐らく参議院も含めて委員会などでいろいろな説明をなさってこられたと思うんですけれども、政府の説明ぶり、どんな形で国民の皆さんの納得を得られる説明をなさっておられるのか。この委員会でぜひ議事録にとどめたいと思いますので、もう一度改めて、グアム移転費の性格というか意味づけについて説明をいただきたいと思います。

【麻生国務大臣】

 表現が、立ち退き料が品がなかったかもしれませんけれども、基本的には、今沖縄にあります在沖縄米軍の移転の件を促進するということは沖縄の負担の軽減につながる、これが第一であります。
 その軽減を負担させるに当たって、兵隊、家族含めて約一万七千、八千ぐらいの人が在沖縄から移転をするというのは、そこにおります軍人、家族の絶対量が減りますので、したがって、事故等々、いろいろな事件の起きる確率は減ることになります。そこを考えていきますと、それをなるべく早くというのが沖縄の希望。  傍ら、在日米軍の方は、別に今移転する必要はないわけですから、何も今すぐ移転しなくてもいい、金もないと。時間をかけてずうっと十年、十五年、二十年ということになると、沖縄としてはなかなか納得がしがたい。そうすると、私どもとしては、なるべく早く移転をしてもらうためには、ある程度の経費を負担するという態度、姿勢というのが必要なのではないか。
 問題は、その中身につきまして、この間、ボウリング場とかいろいろ出ておりましたけれども、その内容に関してまで私ちょっと詳しく知りませんけれども、今から詰めねばいかぬところだとは思いますが、その負担の仕方が、いわゆる真水で出すのかローンでやるのか、またはいろいろなやり方が考えられるところであろうと存じます。
 したがって、その経費の支払いの方法また内容等々につきましてはこれ以後さらに詰めていく必要があろうと思いますが、基本的哲学は、沖縄の負担をなるべく早く軽減させる、それが主たる目的でありますので、それに伴って、一連の負担を私どもとしてはある程度覚悟しておるというように御理解いただければと存じます。 <>/p

【長島委員】

 もう繰り返しはいたしませんが、もう少しこの地域の安定、安全というものを考えた説明ぶりをしていただければありがたいと思っています。  今外務大臣いみじくもおっしゃった、内容がよくまだわからぬ、こういう話なんですが、北米局長、ぜひお答えをいただきたいんですが、まだ内容がわからないんですか。十月三十日に日米合意をして、経済的な負担のやり方について考えると合意文書に書かれていて、もう四カ月以上たっていて、報道はもう幾らでもなされていて、まだ内訳が外務大臣ですら判然としないというのは、これは交渉担当者として問題だと思うんですが、いかがですか。内訳をそろそろ明らかにしていただきたいと思います。

【河相政府参考人】

 お答え申し上げます。
 十月末に中間的な取りまとめをやった、その中で、今話題になっています、七千もしくは今八千に及ぶかという海兵隊のグアムへの撤退、移駐という問題がございまして、日本側として、資金負担その他適当な措置を検討するということを言っておるわけでございます。
 それ以降、幾つかの場で米側から、一体どういうプラン、どういうそれに伴う経費が必要になってくるかというのは、段階的な説明はございます。ただ、まだ経過途中ということでございまして、今この場で、この内訳として、こういうものについてこういう額が必要なんだと確定的に申し上げる状況にはまだ至っていないということで御理解いただければと思います。

【長島委員】

 この間の米軍再編の議論は、いつもこういう政府側の説明なんですよ。つまり、今地元の皆さんがフラストレーションを感じているのは、地元に対する説明もない。それから我々国会に対しても、今言ったように、協議中ですから確たることは申し上げられません、この繰り返しなんですね。
 だけれども、新聞によると、去年の十月のあの合意の後は三十億ドルと言われていた。年明けになったら七十六億ドルになった。最近は百億ドルですよ。これはオークションをやっているんじゃないんですから。どんどんどんどん金額が協議のたびに上がっていく、これはどういうからくりなんですか。
 そろそろ、我々と情報をシェアして、日本政府としての、あるいは日本国の納税者としての意見をアメリカ側に伝える、そういう姿勢が必要だと思うんですけれども、いかがですか、もう一度。

【河相政府参考人】

 お答え申し上げます。
 本件資金負担に関しましていろいろな報道がなされているという事実は私どもとしても承知しておりますけれども、その報道自体、いろいろな推測に基づいたものかというふうに思っております。
 そして、まさに経過措置、いろいろな米側との協議の過程の中で、やはりかなりの大規模な施設を必要とする。これは、基本的に言えば、司令部が移るわけでございますので、その司令部の施設も要る、また、家族を含めて動くわけでございますから、その生活に関連する住宅等々の施設が要るということでございますけれども、具体的に一体どれだけのものが要るか、そして、それについてどれだけの経費がかかるかということを積算するのは必ずしも容易なことではない。その中でいろいろな議論がなされている。その議論をできるだけ早く最終的に確定をして、その中でかちっとした形での議論を進めていきたいというふうに思っている次第でございます。

【長島委員】

 前回も申し上げましたけれども、何とか日本側が負担の軽減を求めていて、それならば、ではこれもつくってくれ、あれもつくってくれと向こう側から足元を見られてやられてはしないか、そういう国民の皆さんの不安や不信感があるということをぜひ認識していただきたいし、やはり同盟の安定的な維持のためには、強化のためには国民の支持というのが絶対ですから、そこはやはり外さないでいただきたいというふうに思います。
 それで、十二日の日経新聞に、日本の負担三兆円を見込む、米軍再編について、こういう記事が出てまいりましてびっくりをしたんです。しかも、この報道によりますと、長官、防衛費からこの三兆円というのが捻出されるというような説明になっているんですね。
 三兆円もの経費を防衛予算から捻出するということは、その分、正面装備も削られる、あるいは隊員の皆様の給料も減らされることになりかねないわけなんです。これを見ると、普天間代替施設の建設費が約一兆円、それからグアム移転費が九千四百億円ですから、これも約一兆円、そういう積算の根拠になっているんですけれども、こんな話になっているのかどうか。そして、こんな規模で防衛費に手をかけるようなことになるのかどうか。
 もっと言えば、例えば沖縄の基地再編についてはSACOという特別の協定を結びました。SACOの別枠で、防衛費とは別枠で出していましたね。今回のように全国、これはネーションワイドでやるわけですから、全国版のSACOと言っても過言ではないと思うんですね。
 ですから、これは防衛費から出すのではなくて、やはり別枠でこういう予算を組んでいく必要があると思うんですけれども、その辺の防衛庁長官としての御見解をいただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

これは長島さんと手を組んでしっかりと話し合いができるんじゃないか、こう思っておりますが。
今、防衛庁の予算というのは、人件費も含めて五兆円弱なわけであります。そして、我が国の周辺というのは、もう御案内のように、非常に不安定な要因がある。そういう中で我々が国民の安全と地域の安定を図っていくために、これ以上装備等の予算を減らすわけにはまいらない。まして、弾道ミサイル防衛について新しい体制をしいていこうとしているときである。そういう流れの中でそういう新聞記事が書かれているとすれば、その書いた人は極めて偏狭的な視点に立って書いているにすぎないと思っております。
 これはやはり政府を挙げて取り組むべき問題である。しかもなおかつ、このグアム移転に限らず、全国的な基地の縮小、再編というものを考えていくわけでございますから、防衛予算とは別に、新SACO方式で考えるのが適当であるというふうに思っております。

【長島委員】

 ぜひしっかりやっていただきたいというふうに思います。  
さて、ここは安全保障委員会ですから、私、負担の軽減の話だけするつもりはありません。抑止力の維持というものも、我が国の安全保障を考えたら大変重要なポイントだと思うんです。  
ここから先はちょっと仲村先生には耳をふさいでいただきたいんですが、沖縄から海兵隊がグアムに移転することは、沖縄の負担が減るという観点からは、これは非常にハッピーなことだと思います。先ほど外務大臣もおっしゃったように、総勢で一万七千、八千人、家族も含めてグアムに移転する、これは画期的なことだというふうに思うんですが、抑止の観点から本当に大丈夫なんだろうかという一抹の不安はあるんです。ここはぜひ国民の皆さんに対して説明責任を果たしていただきたいと思うんです。
 それはどういうことかというと、沖縄の海兵隊というのは、年間で約百回ぐらい海外訓練に出動するんですね。私が海兵隊関係者から直接聞いたところによると、ある月、ある時期は、半分以上の海兵隊員が沖縄から出払うという瞬間があるそうですね。しかも、二〇〇四年の夏から年末にかけて、ちょうどイラク戦争の一番激しい時期ですけれども、31MEU、沖縄の海兵遠征部隊二千二百人、それから3MEF、海兵遠征軍の三千五百人、計約六千人が出払っていた時期があったわけです。私は一度、以前、この点について、抑止は大丈夫か、こういう質問をさせていただいたんですが、それは残りまだ一万人ぐらいいるわけですから大丈夫だ、こういう話であったし、また、グアムとかで別の航空機やそういうもので補てんをするというような説明がありました。  しかし、今回、司令部機能という、そういうときにずっと残っている人たちが七千人、八千人グアムに移転するわけですから、そうすると、今申し上げたような空白の期間というのが今後、非常に継続的に生ずる可能性があるのじゃないか。これを、どの国とは特定しませんが、ああ、あんなに、もぬけの殻じゃないかということで、抑止がきかない、そういう瞬間がこれから出かねない。
この点について、防衛庁長官は、抑止の観点から、今回のグアム移転について、本当に大丈夫だという保障といいますか、その辺の手当てはどうなっているのか。いや、そこは自衛隊で補てんするんです、自衛隊の役割をもう少し増してその分の穴埋めをするんだ、こういう見解も一理あると思うんですけれども、その辺のところ、防衛庁長官としてどういう政策を持っておられるのか、ぜひ国民の皆さんに説明をしていただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

 お答えをいたします。
 基本的には、日米同盟関係を維持していく中で、日本の安全と地域の安定を保っていくということが軸になっているわけであります。この米軍再編において、我々は、抑止力の維持をする傍ら、負担の縮小を図っていくということで、日米のそれぞれ陸海空の司令部機能の情報の共有あるいは運用等々を図っていくことになっております。一方で、ミサイル防衛の体制をしいていく。
 そしてまた、アメリカはアメリカの戦略で、ハワイ、グアムそして日米同盟関係、この機動的な対処の中で、日本の安全及び地域の安全、安定、あるいはまた中東からアジアまでの不安定の弧に対する対応というものを考えているだろうというふうに思っております。
 技術力、輸送力等々の急進歩の発展等々と日米同盟関係の強化ということから、いささかの心配もなくこの体制をつくっていくことが我々の仕事であろうというふうに思っております。

【長島委員】

 時間があればもう少し突っ込んだやりとりをさせていただきたいんですが、次に進みたいと思います。しっかり、ぜひ抑止の観点を忘れずにやっていただきたいと思います。
 最後は、普天間の問題です。
 先ほど来、仲村先生、田端先生からお話ありましたように、普天間基地の移設が滞っている、大変な難渋をしている。これは政府の立場も私もわきまえているつもりですが。先日、新しい島袋名護市長さん、沿岸案なら話し合う余地はない、沿岸案の話をするんだったらもう会議はいいということで、施設庁長官ですね、三十分の予定が十五分で終わっちゃった、こういう報道がありました。
 一方で、先ほど田端先生の方から御紹介がありましたが、名護市として修正案というものを市議会で説明をされた。さっき、防衛庁長官、自分はまだそれを正式に提案を受けていない、こうおっしゃったんですけれども、しかし、全くトータル・ノーではなく、何とか日米安保体制のために歩み寄ろう、そういう姿勢を地元の方がいろいろな政治的リスクを抱えながら示していただいているんですから、それは提案が来るのを待っているんじゃなくて、そんなのが聞こえてきたけれどもどうなんだといって、ぜひ真摯に向き合っていただきたい、こう思うんですね。
 一方、小泉総理は、政府案を変えるとまた問題が起きる、何とか政府案でまとめてほしい。そんな硬直したやり方で本当にまとまるか、僕は非常に不安でいっぱいなんです。
 麻生外務大臣は、これは外務委員会の審議でしょうか、米軍も日本政府もそれから地元も少しずつ譲歩すべきだというような発言をされたかと思います。ですから、政府もぜひ譲歩していただきたい。
 それから、これはまた、仲村先生が先ほどお触れになりましたが、アメリカのシーファー大使、先月那覇で講演して、よりよい考えが出てきたらそれを採用する可能性もある。つまりは、アメリカ側はかなり柔軟なシグナルを送ってきていると私は思うんですね。
 そうすると、外務大臣も意外と柔軟、総理は別として、何か防衛庁だけが沿岸案で頑張っちゃっているような、防衛庁が余り頑張り過ぎて日米合意がもしまとまらなかったらこれは大変なことになると思いますね。もしまとまらなかったら例えば特措法とか、そういうふうになったら本当に沖縄の政治がめちゃくちゃになると思うんです。
 防衛庁長官、ぜひ柔軟にこれは対応していただきたいと思うんですが、修正の余地が場合によってはあるのかどうか、ぜひお答えいただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

 今、この問題については、日米間の問題というよりも、これは日本の国内の問題でありますから、我々と沖縄県、名護市との間での問題であるというふうに思っております。
 したがって、私は何も、先ほど、末松助役が話された提案について、報告は聞いていないとは言いましたけれども、名護市の人たちと全然話し合いをしていないわけではありません。さまざまのルートを通じて、沖縄市民の皆さん方がどういうことを考えているのかということについては逐一情報を入れ、そしてまた、地元の皆さん方がどういうことを望んでいるのか、そういうことをよくよく考えながら最終的な合意を取りつけてまいりたいというふうに思っておるところであります。  ただ、基本的に、中間報告の骨格を変えるわけにはまいらないということであります。

【長島委員】

 今微妙な表現をしていただいたと思うんですね。骨格は変えないと。シーファー大使は概念的合意という言い方をされていますね。つまり、あそこで出た、大浦湾にちょっと突き出たようなあの図が、我々も拝見しましたけれども、寸分たがわずあそこにどんと来るというのではなく、いわば概念的な合意なんだ、骨格なんだ、今こうおっしゃったので、ぜひこれ、最後の瞬間に額賀長官が、前は大野長官だったんですけれども、当時まだ長官ではなかった額賀長官がセーブといいますか入られて、日米交渉の最後の取りまとめに尽力されたのはよく存じ上げておりますけれども、言ってみれば、額賀長官があそこで何とか十月三十日の取りまとめまで持っていった。だったら、それを長官がある意味で撤回をして、よし、この修正案でいこうと、日米合意のために、あるいは沖縄の、名護の地元の人たちのためにこれを翻しても、だれも非難する人はいないと僕は思うんですよ。ですから、ぜひ、これは実現することが目的なんですから、そこはやはり大胆に動いていただきたいと私は思うんですが、いかがですか。

【額賀国務大臣】

 当時、日米の間でなかなか歩み寄りがなかったものですから、党の立場で日米の歩み寄りを促す言ってみれば助言をしたことは確かでありますけれども、先般、小泉総理ともこの問題について話をしました。小泉総理は、政府案を原則に、きっちりと実行可能な案をつくらなければいけない。ですから、この中間報告に基づいた基本線、その上に立って地元の皆さん方に対して説明をし、納得いくまできっちりと対話をしていく。上から、きちっとこれでやれということはしません。

【長島委員】

 実行可能な案ということなんですね。さっき防衛庁長官は、田端先生の質問に答えて、沿岸案、今の政府案のメリットについてかなり詳しくおっしゃっていただいたんです。しかし、その実行可能性ということを考えると、デメリットも考えないといかぬと思うんですね。
 私、ちょっとデメリットを考えてみたんです。
 まず、地元が総スカン。これは、名護の市長が、その沿岸案だったらもう聞きたくないと言っているわけですね。
 それから、海上は難しい、こう言うんですが、これは沖縄の関係者から聞いたんですが、いやいや、陸上も大変なんだ、抗議活動が、海に出なくて歩いて行ける、おじいちゃんもおばあちゃんも抗議活動に参加できると。これを排除してやるというのは容易なことじゃないと思いますね。
 それから、海洋の環境破壊が非常に少なくて済む、こういう話なんですが、実は、陸上部分の環境破壊というのもあるんですね。これは、大浦湾は実はウミガメの産卵地でありまして、あそこに物をつくるということになると、これのまた環境問題も出てくる。それから、さっき長官もおっしゃった、藻場の一部を埋め立てることになる。
 それから、集落の問題。これは、防衛事務次官、守屋さんが、何か報道によれば、沿岸案の飛行経路は十軒ぐらいしかかからないから、そんなの大丈夫だというような発言をされていますが、これは認識が甘いという気がするんです。
 それから、正面に観光スポットがありますね。年間二十五万人以上が宿泊する観光施設がある。そこも騒音にさらされる可能性がある。  ですから、こういうことを一つ一つチェックして、例のSACOのプロセスの中で一回立ち消えた経緯がある案なんですね。それをもう一回防衛庁が持ち出して、今回こういうことになっているんです。
 こういうデメリットがある中で、さっき長官がおっしゃった、工期が短縮できる、あるいは環境への影響が軽微だから、本当に十年、十五年はかけられないんだ、とにかく急いでやらなきゃいかぬのだと。私もそう思いますよ、普天間のあの危険な状況を一日も放置することはできませんから。  そういう意味では、一日も早いところに政府が工事をしていきたいというふうにおっしゃるのはよくわかるんですが、今挙げたようなデメリットをではどうやって克服されるのか、少し説明していただければと思います。

【額賀国務大臣】

 お答えいたします。
 まず、地元の反対というものがあるということでございますけれども、地元の皆さん方の御意見については、私は、だから、できるだけ負担を最小限にするために努力をしたいということを申し上げているわけでございます。
 海上の困難というのは避けられていると私は思っております。それは、陸の上から工事を進めていくことによって、工事はしやすいことは確かでしょう。  また、海岸の環境破壊ということについては、これは、どういうことをやっても、環境破壊を全部ゼロにして仕事をするというわけにはいかない。これもまた、環境破壊の程度を最小限にする形を追求していかなければならない。しかもなおかつ、実行が進まなければだめだということでございますから、総合的に考えると、一番負担が少なくて被害が少ない案が沿岸案ではなかったのか。
 そういうことについて地元の皆さん方と今話をしているところでございまして、地元の皆さん方も、キャンプ・シュワブの沿岸に基地をつくってはいけないとは言っていない、そういうのが大半の人の意見であると私は承知しております。だから、地元の皆さん方の意見を率直にお聞きし、そして、これまでの経緯、これからの名護市、これからの沖縄全体のこと、そういうことを語り合いながら、納得できる形をつくり上げていかなければならないというふうに思っております。

【長島委員】

 トータルで、総合的にいいアイデアだ、こういう話をおっしゃったんですが、私は個人的には、総合的に一番いいアイデアは、実は、外務大臣いなくなっちゃったんですけれども、嘉手納に持っていくのが一番いいと。つまりは、環境アセスメントの必要もないし、それから、既存の米軍の施設内につくるわけですから、これも問題ないわけですね、山を削ったり海を埋め立てたりする必要がないし、環境破壊も生じない。外来機がこれから削減されるわけですから、そういう意味では、全体の騒音が嘉手納で低減されれば、私は、十分嘉手納の余地もある。
 これはもう長官よく御認識されていると思いますが、九六年のSACOのときに、最初、嘉手納への移駐ということがあった。しかし、米空軍が反対をした。だけれども、あの九六年の状況と、今、ラムズフェルド長官のもとで四軍の統合が進んでいる、基地も統合しよう、いろいろな統合作戦の中で、空軍がそんながたがた言ったって、一緒に使えばいいじゃないかと一言でこの嘉手納に海兵隊のヘリコプターが移駐されても、これは十分日本側から提案する価値のあるテーマだというふうに私は思っていたんですけれども、今そうなっていないので残念です。
 外務大臣、今、いらっしゃらないうちに、実は嘉手納の移駐の問題をお話ししたんです。外務大臣は、三年前の一月に沖縄で講演をされて、移設先については、常識的には米軍の嘉手納基地だろうな、こういうふうにおっしゃった経緯があるんですね。だから、私、前からこの問題をぜひ政府に真剣に考えてもらいたかったんです。  これは、前回私が紹介した海外基地見直し委員会の最終報告のレコメンデーションの中にも、嘉手納への統合というふうに言っているんですね。ですから、日本側からこういう創意工夫を発揮したアイデアをぜひ出していただきたかった。これは今さら言ってもしようがないんですが。
 最後に、防衛庁長官、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、本当にあと二週間しかない、そういう中で、この普天間の問題が動かないと、トータルパッケージとして米軍再編が動かないことになるんだろうと思うんですね。そういう意味では、まさに先ほどかなめという御発言がありましたけれども、このかなめである普天間基地の移設問題、ぜひ柔軟な姿勢で最後は着地していただきたい、こう思いますので、最後もう一度、修正の余地も含めて、御決意のほどをいただきたいと思います。

【額賀国務大臣】

 この米軍再編全体を成功させるためには、普天間の全面移転をしなければなりません。代替施設をつくっていくことを実行可能な形でまとめる必要があると思っていることについては、長島委員と共通の認識を持っております。しかもなおかつ、あと二週間ぐらいしか時間がないということも切実に考えております。
そういう中で、しっかりと、日米の同盟、地元の皆さん方の理解を得る形で最終合意ができるように最大限の努力をすることをお約束させていただいて、答弁にかえさせてください。

【長島委員】

 ありがとうございました。