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【山口委員長】次に、長島昭久君。 【長島委員】
民主党の長島昭久です。 【麻生外務大臣】ミサイルの場合は、これは長島先生御記憶のように、一九九三年、初めてノドンの発射というのがありました。そのとき、結構騒ぎだと私は思ったんですけれども、余り騒ぐ人もなく、九三年のときは国連でも何のステートメントもなく終わりました。九八年の八月の三十一日でしたか、このときにはテポドンというのが日本の上空というか頭上を越えて太平洋に着弾ということになって、このときも、これは日本では大騒ぎになりましたけれども、国連安保理では、このときは決議案はできず、二週間かかって議長声明だったかで終わったということだと記憶します。 したがって、こういう例から見てもわかりますように、核がついていない限りはミサイルが飛んだって大した話じゃないというのが通常の意識のように、私にはそう思えます。 しかし、今回のテポドン2というかテポドンXというか、今回の七月のテポドンの騒ぎのときには、これは少なくとも国連憲章の第七章は外れたとはいえ、決議文というのが十一日間で通っております。 そういう意味では、間違いなく意識は変わってきたということで、つぶれるはずの国がだんだんだんだん、つぶれるどころか、事ミサイルとか、いわゆる核の搬送技術というのはどんどん進化したという状況に加えて、今回地下核実験というのを行ったと自分たちで宣言するところまで来た。 そういう状況になってきますと、これは明らかに、これまでの搬送技術プラス、ミサイルに載っける弾頭というものは、核に限らず、BC兵器、いわゆるバイオとかケミカルとかいう生物化学兵器を載せ得ることはもっと安くできる話ですし、そういったものもあり得るということで、それの影響がどれくらい大きいかというのは、我々はサリンで一回十分にテロの恐ろしさを経験しております。あのオウムのサリン事件で大量にサリンをまかれたというのは霞ケ関で起きた話ですから。 そういうことも考え合わせて、今回のこの話というのは、これは核で、だからうわっと騒ぎになっておりますけれども、私から言わせると、別に核じゃなくても、大量に殺人できる兵器というのは、クルド族に使いましたマスタードガスとかいろいろなものがありますので、そういったものを含めまして、どちらがちょっと気味が悪いかといえば、正直、私は両方気味が悪いです。ただ、核の方が、いわゆる山口さんの言葉をかりれば、被爆国だったということもこれあり、いろいろな意味で核の方には各国の反応が非常に敏感という状況になっておるというのが、情況証拠を分析すればそういうことになりますが、私は、どっちが気持ち悪いかと言われれば、どこでも飛んでくる、核だけあってミサイルがない状況と、ミサイルがあって核がない状況というのを両極端で言った場合は、ミサイルの上に載っけられるものは何も核以外のものもありますので、そういった意味では、気分的には少々ミサイルの方がちょっと正直気持ち悪いかな、これは私の個人的なことを言わせていただければ、正直なところがそんなところです。 【長島委員】大臣、非常に率直に今おっしゃっていただきましたけれども、やはりエスカレートしてきていますから、去年の二月に核保有宣言を初めて公式にして、そしてことしの七月にミサイルを連射して、そして十月の三日に核実験をやると予告をして、そしてやった。やったかやらないか、まだ日本政府はコンファームしていませんけれども。そういう状況の中で、それをただ並列に比べるのではなく、やはりエスカレートしてきている結果としてこういう事象があったということで、私はきのうの外務大臣のステートメントにあるように極めて重大な脅威だと思いますし、ライス国務長官も、重大な一線を越えた、こういう表現を使っております。 そこで、きょうは皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。この二つの、七月のミサイル発射事案、そして今回の核実験事案に対する政府の、同じ日本国政府の対応の違いについて、時系列でわかりやすいようにお示しをいたしました。これは私、一切加工していません。それぞれ、内閣官房からいただいた資料、それから防衛庁からいただいた資料、外務省からいただいた資料を一つの事案ごとにただ一緒にしただけの話でありまして、何も私は手を加えておりません。 今、私が申し上げたように、より日本の平和と安全にとっては脅威が高まってきている、そういう認識のもとで行われた政府の対応にしては、これはもう数日前からこの点について追及が行われておりますけれども、きのうも報道ステーションですか、「空白の四十分」なんという非常に衝撃的なタイトルになっていましたけれども、その空白の四十分の意味は、十時三十分ごろに中国政府から北京の外務省日本大使館に第一報が入って、十一時ごろやるらしい、やるかもしれない、こういう情報が来た。そして、十時三十五分には、これは気象庁の地震計が通常の波形とは異なる地震波を観測する。そして、十時四十分に北京から外務省本省に、そして本省から官邸に、そして官邸から直ちに、北京からソウルに移動中の政府専用機に乗っておられる安倍総理に第一報がもたらされる。 当然、私たち考えるに、この瞬間に、外務省からでもいいですし、官邸からでも結構です、防衛庁を初め各関係省庁に連絡が行っているはずですね、対応としては。ところが、ここに書かれているように、何と四十分後に内閣官房から防衛庁に、北朝鮮が核実験を実施した可能性がある、こういう情報伝達がなされているわけです。非常にこれは解せないのであります。 きょうは木村副長官にお見えいただいておりますので、ちょっと木村長官の前にまず内閣官房の方から、この十時四十分から第一報、防衛庁にもたらされた第一報が十一時二十分、この四十分間の間に官邸でどういう動きがあったのかなかったのか。あわせて、今回鳴り物入りで起用されました首相補佐官、国家安全保障担当の首相補佐官という方がいらっしゃると思うんですが、その方がこの四十分間の間にどんな役割を演じられたのかということも含めて、御説明をいただきたいと思います。 【山浦政府参考人】七月五日の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に際しては、発射後短時間のうちに着弾するという弾道ミサイルの特性を踏まえ、早期警戒情報を発令し、直ちに総理、官房長官等へ連絡したところであります。 他方、十月九日の北朝鮮による核実験実施発表に際しては、午前十時四十分ごろの外務省から官邸への第一報については、北朝鮮が間もなく核実験を行うかもしれない旨の連絡であり、その後、関連情報の収集、当該情報の分析を行った結果、実験を実施した可能性があるとの情報を入手したため、十一時二十分ごろに防衛庁等に連絡をしたものであります。 このように、御指摘の二つの事案に際しては、弾道ミサイルの発射に関する早期警戒情報と地下核実験に関する行うかもしれないというそれぞれの事案に係る第一報の特性に応じ、政府として迅速かつ適切に初動対応を行ったものというふうに認識をしております。 それから、内閣総理大臣補佐官、小池補佐官の対応でありますけれども、一連の政府対応に際しては、内閣官房長官はもとより内閣官房副長官や国家安全保障問題担当の小池内閣総理大臣補佐官にも官邸危機管理センターに参集し、政府の対応に関する検討に参加するとともに、安全保障会議にも出席するなど、内閣総理大臣臨時代理である内閣官房長官を中心に政府として機動的かつ適切に初動対応を行ったというふうに考えております。 【長島委員】防衛庁副長官にお伺いしたいんですけれども、今、四十分の間というのは不確かな情報であったがために分析にかなり慎重に時間を要した、こういう御説明だったんですが、総理に防衛庁の職員あるいは自衛官というのが、北京、ソウルへ外遊をされて首脳会談に臨まれた総理にそういう防衛庁の関係者は同行していなかったんでしょうか。 それから、いれば、そこから当然総理に入った情報が本庁にもたらされるというふうに私どもは想像するんですけれども、あるいは北京の日本大使館に、当然のことながら防衛駐在官はおられるでしょうし、あるいは防衛庁関係者もおられると思うんですが、そういう情報というのはそういう周辺から防衛庁の方に、十一時二十分に内閣官房から初めて情報がもたらされる前に、こういう情報というのはもたらされていないんでしょうか。 【山崎政府参考人】ちょっと私自身もきのうテレビを見ておりまして、当然知り得る立場にあるというのは防衛庁から派遣をされております北京大使館の防衛駐在官がまず第一だろうと思いますが、防衛駐在官自体は、ちょうどたまたま訪中をされておりました総理大臣の接遇のためにいろいろな役割を与えられて、その場にいなかったということで、第一報については接する物理的な立場になかったというふうに私もテレビで承知をいたしました。 それから、政府専用機は当然防衛庁の職員が搭乗しておりますが、皆、運航にかかわる者でございまして、正直、情報運用系統の責任ある立場にある者がいなかったということで、政府専用機に対して多分外務省さんの方から秘匿電話を通じて総理の方に電話があったのではないかというふうに考えております。 【長島委員】今私の背後からどよめきが上がっているんですけれども、防衛庁として万全を期して対応されていると私は信じたいし、私は、今回の国会で防衛庁の省昇格法案というのが出てくるので、これは正面から議論してよりよい国防体制を築いていく、このことについてはだれよりも真剣に考えてきた立場でありますが、申しわけないですけれども、今の局長の御答弁ではとてもとても納得がいかない。 しかも、十一時半に防衛庁長官が補選の応援に行かれる。別にどの応援に行こうが構いません。構いませんが、政務で立たれるということで、もう少し防衛庁の中にきちんとした情報伝達のシステムができていれば、どなたが防衛庁長官であろうと、防衛庁長官がどういう条件のもとに置かれようと、もう少し早く情報が伝達をされて、ちょうどこの下につけておきましたけれども、七月五日、八分後にきちんと防衛庁長官から指示が出ている。そして、防衛庁に対策本部が設置されている。しかし、今回は、防衛庁長官の指示が出たのが四時間後。そして、防衛庁に対策本部が立ち上がったのが五時間後。副長官、これは副長官として恐らく最初に経験されたいわゆるクライシスだったと思うんですけれども、これで万全だというふうにお考えでしょうか。 【木村副長官】北朝鮮のミサイルの発射の事案、そして今回の核実験の表明、どちらも我が国の安全保障にとってはとても深刻な問題だと認識をいたしております。 その上で、防衛庁として、ミサイル事案と今回の核実験の表明といささか対応が違うということを委員に申し上げるならば、委員の方が北朝鮮の問題等々大変造詣の深い方でありますけれども、ミサイル事案というのは、発射に係る兆候の探知や発射の態様の特定等については、艦艇や航空機、また地上のレーダー等々の手段を通じまして、防衛庁・自衛隊が主要な役割を果たすものでありますし、万が一発射をされますと短時間で我が国に着くということで、即座に運用をすべき問題だ、こう想定をしてかからなきゃいけない問題だと思います。 一方、この核実験の問題というのは、初期の探知やその事案の発生の判断というのは、防衛庁が政府部内において主要的な役割を果たすことが期待されておりませんで、部隊の運用や対処すべき場面が基本的に想定をされていないということから、それぞれの対応が防衛庁において違っていたということであります。 いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、各種の情報収集や、また庁内の幹部や関係部局の連携、また情報の共有等々につきましては意を用いて対応をしてきたことは当然でありまして、我が国の安全保障に任ずる防衛庁といたしましては、今後も関係省庁と連携を図りつつ、事態に迅速に、的確に対応できるように取り組んでまいりたいと思っております。 【長島委員】確かに、ミサイルが物理的に飛んだという事案と、それから、地震なのか核実験なのかなかなか確認がとれないという、そこに少しタイムラグが生ずるというのは私も理解できますよ。しかし、それにしても危機感がなさ過ぎるのではないか、恐らく今のやりとりを国民の皆さんもごらんになればそう思われると思います。 そこで、これは申し上げるのもちょっとはばかりますが、きのう久間長官がこういうふうな御答弁をなさっているんです、安全保障委員会で。ただ、今度の場合は、つまり核実験の場合は、先ほど言ったように事前にいろいろな手は打っておりました、が、はっきり言って、ミサイルの実験をやったときよりも核実験の方が防衛庁長官としては危機感が薄いわけですよね、こうおっしゃっているんですね。 だから、これは長官の、私は、長官をまさに攻撃するために言っているわけではありません。この麻生外相、久間防衛庁長官というのは、私は今の日本の外交安全保障をつかさどるリーダーとしては一級だと思っておりますので。しかし、それにしても、防衛庁長官がこういう危機感、まさにこの委員会でぽろっと、安全保障委員会ですけれども、ぽろっとおっしゃってしまった、こういう危機感がもしかして庁内に伝播していたとすれば、これは大変看過すべからざることであるし、別に自慢するわけではありませんが、私たち立法府も、この七日か八日か九日の週末に、核実験があるかもしれないということで、実は、あったら直ちに衆議院で非難決議を出そうということで、私は、七日、八日と、野党側の非難決議の文案を与党の皆さんとすり合わせをしておったんですね。 情報が全くと言っていいほどもたらされていない私たちですら、そういう事態に陥ったときの準備はかなりできていた。にもかかわらず、さっき、こういう事案についてはリード官庁ではないというような御説明をされておられましたけれども、しかし、やはり日本の平和と安全にとっては極めて重大な脅威に当たるような事実でありますから、そこから国連の制裁決議にいくロジックが立てられていくわけですから、私は、もうこれでやめておきますけれども、この問題についてはここでやめますが、ぜひ防衛庁の皆さん、もう一度ふんどしを締め直して事に当たっていただきたい、このように思います。 それでは、外務大臣。今回の国連制裁決議、私も、非常にスピーディーだったし、結果として大変バランスがとれていたというふうに思っています。というのは、前回のミサイル発射のときは十一日間かかっている。今回は六日で、やはり全会一致。 バランスがとれていたという意味は、七章のもとで行動するということをはっきり原則を立てた。つまり、これからさらにエスカレートした場合についての手当てをきちっとしている。同時に、中国やロシアからの要望も高かった四十一条に限定して非軍事的措置で対応しよう、こういう意味で私は非常にバランスがよかったというふうに思うんですが、一点、先ほど少し質疑ありましたけれども、この決議の最後のところに、北朝鮮に対し、六カ国協議に無条件で即時に復帰することと。丸谷委員はそれが一番のこの決議のポイントだというふうに先ほどおっしゃっておられましたが、私は多少違和感があるんですね。 つまり、きのうもたしか外務大臣、安全保障委員会での質疑の中で、この六カ国協議のやり方で、この六カ国協議の目的は何かといえば、北朝鮮に核を放棄させるということですから。しかし、この枠組みでかなりだらだらだらだらとやってまいりましたけれども、何年間にもわたってこの枠組みを維持してきましたが、結局核を持たせてしまった、そして核実験までやらせてしまった。これは、もしかしたら、六カ国のマルチの枠組みというのは機能しなくなってしまったのではないだろうかというふうに私は思うんですね。 外務大臣は、この制裁決議の六カ国協議即時無条件復帰という、ただ復帰をすればいいのかということを考えたときに、外務大臣のお考えとして、この六カ国協議という枠組みが今後も有効に維持されているのか、それとも失敗に終わってしまったのか、この辺の御認識はどういうふうになっておりますか。 【麻生国務大臣】これは、長島先生、六カ国協議をつくった本来の目的は北朝鮮に核を持たせないというためにつくったんですから、今回の北朝鮮の核実験というものが実際に核実験であったということを前提にするならば、この六カ国協議の本来の目的は失敗であった、そう考えないといかぬと思います。 ただ、今後の対応の仕方として、この六カ国協議にかわるしかるべき、これは全然対話が成り立っていませんから、北朝鮮とイギリスとか、北朝鮮とアメリカとか、その他の主要国と。だから、そういった意味では、北朝鮮との間できちんとした対話の窓口というものをあけておく必要がありますので、そこの点に関しては、六カ国協議というのは、本来の目的とは違った意味で、今度はいわゆるつくった核をしかるべく放棄、廃棄等々をしていくという形で、別の目的、それでないと、これが拡散する可能性があるのを、テロに売られるとかテロに渡されるとかいうことを最も恐れるのが世界ですから、そういった意味からいきますと、この六カ国協議という一つの枠組みの中に入った上で今の目的に沿った線で協議していくということであって、従来の、核を持たせないという本来の目的のものではなくて、持ったのを廃棄等々の話に変わっていくんだと思います。ただ、六カ国協議にかわる、何と呼ぶかは別にして、そういった形の協議をする場というものは断固確保しておく必要があろうと存じます。 【長島委員】私も、やはり六カ国協議は、第一の目的は達することができなかった、失敗に終わった、こう思うんですね。しかも、もしかしたら北朝鮮は、先ほど来外務大臣もおっしゃっておられるように、宣戦布告だと言いながら、しかし、アメリカの出方によっては話し合いに応じてもいいような、そういうポーズもとっておりますので、上がるだけ上がって後はおりていく、その辺の道を探っているところだろうと思うんですね。 そのときに、じゃ六カ国協議に復帰しますと例えばいきなり言った場合に、はい、じゃ歓迎ですと言ってそれで迎え入れて終わるかというと、私、そこは終わらないと思うんですね。 ですから、一つお考えいただきたいのは、例えば六カ国マイナス北朝鮮、つまりは残る五カ国できちっとした協議の枠組みをつくっていく。その中核は、当然のことながら日米韓ということになるんだろうと思うんですが、日米韓、中ももちろんそうです。後でちょっと中国の役割とか意図については大臣の御所見を伺いたいと思っていますが、日米韓。ちょうどきょうライスさんとお会いになって、そしてあすソウルへ行かれる。野党も、外務大臣がそういうアジアの外交でリーダーシップを発揮されるというのであれば、国会の審議の日程ぐらいうまく融通をきかせてやるべきだと私は思いますけれども、そういうことも含めて、ぜひお考えをいただきたいと思っております。 それから、これもずっとこの間議論がありましたけれども、国連決議の要請するものについて。まず一つは、私たちにとって耳なれない言葉が今回出てきているんですが、制裁委員会。これは大臣ではなくて政務官、国連決議の中に、制裁委員会を設置する、そして三十日ごとに報告を求める、こういう文言がありますが、これはどういう機能を果たすんでしょうか。 【松島大臣政務官】今回の決議に基づきまして設置されます制裁委員会について、御説明させていただきたいと思います。 この制裁委員会は、すべての安保理理事国で構成されています。決議の適切な履行を確保するために、主に次のような任務を遂行することになっています。 一つ、制裁措置の効果的実施のためにとられた行動に関する情報などを加盟国から収集する。二つ目、制裁措置の違反に関する情報や免除申請を検討する。三つ、制裁措置の対象品目、個人等を追加的に指定する。四つ、制裁措置の実施促進のために指針を策定する。 以上でございます。 また、この制裁委員会は、安全保障理事会に対して、この委員会の作業などについて少なくとも九十日ごとに報告を行うことが今回の決議で決められております。 このように具体的な内容の定まった制裁委員会であります。。 【長島委員】それで、今回決められた制裁をきちっと実行するために、いわゆるインスペクション、船舶検査、あるいは貨物検査と今回は呼んでいるようでありますが、これは臨検とは違うんだということ、御説明が何度もなされております。 一番端的に言えば、今アメリカが、特に今回、今国連にいるボルトン国連大使というのは、もともと国務次官で、軍縮・核拡散防止担当の国務次官であったわけですけれども、PSIをまさにリードした方でありまして、今回の国連決議に当たっても、ボルトン氏は、PSIがいよいよ成文化されたんだ、こういう言い方もしておりますし、シーファー大使も、やはり同じようにPSIに日本が参加をするということの期待感を述べておられます。 アメリカがやはり一番典型的な成功例として頭に描いているのは、二〇〇二年の十二月、あの例のイエメン沖で、イエメンに北朝鮮からスカッドミサイル十五基でしたでしょうか、輸送中、アメリカとスペインの軍艦によって、まさに臨検の対象となり、そしてそれが発見された、こういう事例だと思うんですけれども、これをこれから恐らく日本海で展開をしていくことになるんだろう、こう思うんです。 先ほど山口委員の御質問にもありました、まだアメリカ側がどういう形式で事に臨もうとしているか把握をしていないんだ、これからまさに決定を受けて日本側として参加の形態について検討するんだ、こういうお話がありましたが、きのうの御答弁でも、そんなすぐ簡単にやれるものじゃない、半月ぐらいはかかるんだという麻生大臣のお話でしたが、これも少しのんびりした話だなと私、客観的に思うんです。 というのは、十月五日に谷内外務次官がクラウチ大統領副補佐官とホワイトハウスで会っていますね。そして、先ほど話に出ました佐々江局長がヒル次官補と会っています。こういうところで、朝鮮半島の平和をどうやって回復するか、あるいは北朝鮮に核を持たせないために、放棄させるためにどうしたらいいか、こういう大戦略ももちろんですけれども、これからあり得べき船舶検査あるいはPSIについて、アメリカ側はこういうふうに臨んでいる、イギリスが来るかもしれない、オーストラリアが来るかもしれない、こういう話は当然やっているんでしょう。いかがなんですか。 全くそういう話がされないで今日に至っているとは私はとても考えられない。国会で言えないような事情があるんだったら別ですけれども、恐らくそれはないと思うんですね。これから起こる、後でちょっとエスカレーションの話もしたいと思っていますけれども、これからそういうことに日本が参加をしていく中でいろいろなリスクも当然あるわけですから、しかし、前広に国民の皆さんに対して説明をしていただくということが政府の姿勢としては望ましいと私は思うんですが、いかがでしょうか。 【梅本政府参考人】谷内外務次官とクラウチ大統領副補佐官との協議について御質問がございましたので、ちょっと事実関係について御説明をしたいと思います。 谷内次官とクラウチ副補佐官は、会談をやったときは、北朝鮮は核実験をするぞということは言っておりましたけれどもまだする前であったわけでございまして、核実験を実施したとする発表の前でございましたので、どういうふうに北朝鮮の核実験を阻止すべきかというようなことも議論をいたしましたし、また、仮に北朝鮮が核実験を実施するというようなときに日米がどういうふうに協力をしていくかということについても話をしたわけでございますが、ただ、船舶検査の細部をどうしようとかこうしようとか、そういうようなところの議論には、立ち入った議論はしておりません。 【長島委員】にわかには信じがたいんですが、それはそれで、そういう情報公開のやり方だということで理解をしておきたいというふうに思います。 いよいよ、じゃ、日本としてどうするか、日本の法的枠組みがどうあるべきか、こういう話に移りたいと思うんですが、麻生外務大臣、私は先ほどの御答弁を伺ってあれっと思ったんですが、例の周辺事態法を適用するかしないかという話。 これはきのうも、私どもの前田委員が安保委員会で多少閣内不一致をつく質問をさせていただいたのですが、副長官、久間長官は最初から極めて慎重ですね。周辺事態法を適用する状況にはないんだということを再三御答弁なさっておられます。それに対して麻生外務大臣は、これは委員会の場ではないんですが、テレビや記者会見の場で、周辺事態の認定については法的には不可能ではない、あとは政治的決断だ、判断だ、こういうふうに述べておられて、二段階論ということで、つまり、周辺事態でまず対応して、そしてそれでも足りない部分があれば特措法を求めていくんだ、これは非常にリーズナブルなアプローチだと私は思っているんです。 これは、それぞれのお立場がそう言わしめているのかなと多少推測をするんですが、やはり、外務大臣のお立場からすると、今回の七章決議をリードしたのはまさに日本です。そして、議長国である日本のリードによってこの制裁決議が行われ、それに基づいてまさに制裁を実効化するためのPSIが日本海に展開をするときに、いや、済みません、うちは実は余りきちっと参加できないんです、これは国際社会で、どうなっておるんだと。 例えば、ちょっと話がずれるかもしれませんが、常任理事国入りを目指している、しかし、常任理事国になったはいいけれども、なった後、常任理事国に求められているいろいろな海外での活動が日本はできません、これでもおかしいわけでありまして、同じような轍を踏みかねない。ここに外務大臣は意を用いておられるのかなと私は推測をするんですが、外務大臣、ここではっきり、この周辺事態認定についての外務大臣としてのお考えを改めて承りたいと思います。 【麻生国務大臣】長島先生、そのもう一つ前に、一つだけ確認をしておかないかぬと思いますが、先ほど、六カ国協議に戻るという話のところで、戻ってくればいいというわけじゃないだろうというお話だったんですが、これはもう一個大前提があると思うんですね。それは、だれも言っていないけれども、やはりこれは核保有国として六カ国協議に戻ってくるんですか。僕は、そこのところはきっちり詰めておかないと、核保有国というのを前提として戻すのかそうじゃないのかというのは、これはなかなか難しいところです。私は、そこのところが、どなたもおっしゃらぬけれども、ここのところは考えておかないかぬ大事なところじゃないかと思っております。 それから二つ目の、今周辺事態法の話が出ましたけれども、久間長官と私との話でいろいろという点が出ていましたけれども、これは基本的には、今どうやって連携してうまくやっていくのかという話のときに当たって、何となく、やったことがないから皆想像の域を超えていないんだと思うんですね、この種のオペレーションを現実問題としてやったことが日本の場合はありませんので。したがって、どこをどういうぐあいにすればいいのかということが一番の問題なんだと思うんです。 ただ、日本としては、PSIのことに関して言わせていただければ、これは、オペレーションというものがいつかはあり得るかもしらぬということで、これは過去二十回にわたって、いわゆる訓練をずっと、PSIの訓練、世界じゅうでやった訓練に日本はこれまで二十回参加をして、いわゆる核を拡散するということに対して、懸念国と言われるところに対して抑止的効果というものを持たせないかぬということで、そういったものをずっとこれまで訓練してきたことという事実はあるんです。 そういったのがありますので、あれは昨年五月か、ですから、そういった意味では、イエメンの話を今言われましたけれども、少なくともアメリカはこのイエメンの話のほか十一件の事例を具体的な事例として多分言うと思いますが、そういったものを含めて、こういったものに効果あらしめたことは確かだと思っております。 したがって、これは、武力をどうするとかいうことを考えるときに、私として一番、現実、時間的な問題が一点。もう一点は、現場をやらされる隊員にとっては非常に危険を伴う話を、自分の身を守るすべは、全部両手両足縛られて、やるだけやれと言われるというのは、これは明らかに法の不備によって前線に立たされる人たちが非常に不利なことになるというのは、国としては断固避けねばならぬ、基本的にはそう思います。 したがって、そこのところの法律をきちんと整備した上でどうできるか、その法律に時間がかかりますので、それまでの間どうするかという話と二つ考えておく必要があるのではないか。基本的には、普通そう考えられるんだと思っていますが、現実問題として、今言われましたように、それに当たって、周辺事態法がそれに適用されるのか。時間的なものがあって、法律ができた後ぐらいから実際動き始めるのか。事実、日本の場合は完全に締め出ししちゃっておりますので、日本に直接どうのこうのというのは、直接影響するわけではありませんので、そこのところは少し違うかなとは思いますけれども、いずれにしても、ちょっといろいろなことを検討させていただかねばならぬと思っております。 【長島委員】確かにこの問題は、別に閣内不一致云々ではなくて、我が党の中にもいろいろな意見がありますし、連立の中にもいろいろな意見があるし、恐らく自民党の中にもいろいろな意見があるんだろうと思います。 ただ、一つメルクマールになるのは、いわゆる六類型と言われている、前原さんはもういませんけれども、前原委員が、当時、野呂田防衛庁長官に質問をして、そして周辺事態について政府統一見解をとって、その六番目に、「ある国の行動が、国連安保理によって平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為と決定され、その国が国連安保理決議に基づく経済制裁の対象となるような場合であって、」ここまでは完全にクリアしているんですね、今回。「それが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合」、まさに重要な影響を与える場合。ですから、これでいけなくもないと。 今まさに大臣おっしゃったように、限界があるんです。船舶検査法に基づく活動には強制性がないとか、あるいは武器使用にも非常に制限がかかっているとか、あるいはアメリカだけにしか支援ができないとか、こういうところを踏まえた上で、しかし、今ある中でどういう枠組みを使うかというのは、これはぜひ真剣に検討していただきたいし、そうはいいながら、久間長官が危惧をされている、今、日本の防衛法制の枠組みの中では、周辺事態の認定というのは、まさに防衛出動を下令する次の段階ですから、これは日本の側からエスカレーションの引き金を引く可能性もあるわけですから、ここにもやはり配慮していかなければならないというふうに私は思っております。 それで最後、ちょっと事実関係を確認したいんですけれども、今大臣がPSIの訓練に二十回参加をしたというお話がありましたけれども、これは海上自衛隊はこれまで実戦の訓練には参加したことがあるんでしょうか。私の記憶では、専ら海上保安庁が実戦の訓練に参加をしたというふうに承っているんですが、いかがでしょう。 【山崎政府参考人】過去、PSIの訓練は全部で二十四回ございまして、そのうち、我が国は二十回にわたり参加をしておりまして、オブザーバーの参加でございますが、そのほかに、派遣して、二回実動訓練に参加をしております。 【長島委員】その二回は、自衛隊が二回ですか。海上自衛隊が二回。なるほど、わかりました。 今回の、周辺事態法を適用するかあるいは特措法をつくるかは別にして、まずオペレーションの前線に立つのは恐らく海上自衛官の皆さんだろうというふうに思いますので、政府の皆さんにおかれましては万全の体制をぜひ築いていただきたいのと、野党の立場から言わせていただくと、多少時間がかかってもやはり特別措置法を一緒になってつくっていく、そして万全の体制をつくった上でオペレーションに入っていく、こういう方向をぜひ模索していただきたい、このことをお願い申し上げまして、質疑を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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