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【山口委員長】
これより会議を開きます。 【長島委員】
民主党の長島昭久です。 【山口委員長】質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島昭久君。 【長島委員】民主党の長島昭久です。 本日は、六カ国協議の問題について、限られた時間でありますが、外務大臣等に対して質疑をさせていただきたいと思っております。 その前に、昨日の夕刻、野党から外務大臣に対する罷免要求が出されたということを伺っております。 私は、個人的には、先週でしたか、我が前原委員も本委員会で外務大臣との間で質疑をいたしましたけれども、核保有の議論を国会で全くしないというのはかえって日本に対する国際社会の疑念をいたずらに巻き起こす、ここは、我が国にとって核保有という選択肢は非現実的なんであるということをきちんと国会で明らかにして、国民の皆さん、あるいは国際社会に対して説得力ある形で日本のメッセージを発するべきだと思っておりますし、一昨日の党首討論を拝見する限り、内閣総理大臣もそういう御意向のようでありますから、むしろロジックとしては、外務大臣の罷免というよりは、どうせ出すのなら内閣不信任案を提出すべきだ、こういうふうには思っておりますが、今回は、この件についてはミスター・ノンプロリファレーションの山口委員に譲りたい、こう思います。 まず、本題に入る前に、昨日結果が判明したわけでありますが、アメリカの上下両院、州知事も含めた選挙結果について、これは通告はしておりませんが、この選挙結果と、それを受けてラムズフェルド国防長官が事実上更迭をされ、新しいロバート・ゲーツという元CIAの長官が国防長官に就任をしました。その点について、外務大臣の御所見を承りたいと思います。 【麻生国務大臣】他国の選挙結果についていろいろコメントをするというのはいかがなものかと思いますので、その点はちょっと差し控えさせていただきますが、上院でほぼ均衡、下院では共和党が負けるというのは、かなり前から出ていた予想ではありましたので、その予想の結果に大きな違いはなかったと思っております。 ラムズフェルド長官の辞任につきましては、これもかなり前から、中間選挙が終わったらやめるであろうという話はアメリカではよく言われていた話でありましたので、その点に関しましても余り驚きはありませんでした。 後任のゲーツにつきましては、これは先代のブッシュのときの、あれはNSCだかCIAだかにいたスコウクロフトの直属にいたのがゲーツ、その下にいたのがコンディ・ライスだと記憶しますので、そういった意味では、アメリカの政策が、対外政策や防衛政策が急激に変わるということではないというような感じが一応いたしております。このゲーツという人は現職をしばらく離れておられますので、その後どうなっているかよくわかりませんけれども、少なくともこれまでの経緯等々を考えますと、急激に方向転換をどうこうするというような感じに受け取っているわけではございません。 【長島委員】私は、意外と重要な人事だったというふうに思っておりまして、急激には転換しないんでしょうけれども、アメリカの政策、外交政策、安全保障政策が徐々に変化をしていく兆しではないかというふうに私は受け取っております。 今外務大臣がおっしゃったように、スコウクロフトさんというのは、まさに共和党の穏健派に属する方でありますし、ゲーツさんはパウエルさんやアーミテージさんとむしろ親しいという方でありまして、ラムズフェルドさんのように、あの人自身はネオコンではないんですけれども、ネオコンに軸足を置いたこれまでのブッシュ政権の安全保障政策が、徐々にまた現実主義の方向に転換をしていく。それは私がこれから議論させていただきたい六カ国協議を中心とする北朝鮮の核の問題についてのアメリカの政策のポジティブな変化につながっていくのではないかという期待感も私は持っておりますので、その点についても、外務大臣、ぜひ御認識をいただいて、そういう今まで流のネオコン中心の、力によってすべてを解決していくというやり方ではない、アメリカと我が国の、同盟国としての役割を、符牒を合わせていく、こういう外交でぜひ先頭に立っていただきたい、こう思います。 さて、六カ国協議なんですが、私はミサイル発射のときもたしかこの委員会、この部屋で外務大臣に議論させていただいたときに、早晩六カ国協議に復帰してくるだろう、いろいろ局面を打開するために飛び道具を使ってくるけれども、結局何食わぬ顔で戻ってくる、戻ってきただけでは始まらない、戻ってきてからが勝負だということで質疑をさせていただき、外務大臣もそういう御所見だったというふうに思っております。 今回、きっかけとなったいろいろな要因があるんでしょうけれども、直接きっかけとなったのは、十月三十一日に中国の外務省が発表したわけでありますが、それに向けてアメリカ、中国そして北朝鮮との間で非公式協議が重ねられてきた。一説によると、十月の初め、核実験の前からそういう非公式協議が断続的に続けられていたという情報もございますけれども、外務大臣、この非公式協議のポイントは何だったのか、どう認識しておられるか、御所見を承りたいと思います。 【麻生外務大臣】どれがと、一番、これだという決め手が一つあったというわけではないと思うんですが、少なくとも、いろいろあったとは思いますが、中国側からアメリカに対して、六者協議を再開するというのを目的に米中朝のいわゆる六者会合首席による協議打診というのがあって、米国も、六者協議再開、即時無条件復帰を求めるために米中朝の三者協議に応じたというものだと思っております。 ただ、この点に関しては、昨年の九月だったと思いますが、六者共同声明の迅速な実施の必要について議論をして、朝鮮半島の非核化というもののコミットを再確認したということがありました。そのときの話にさかのぼりますけれども、北朝鮮がいわゆる前提条件を付さないで復帰するということに同意したというのがそのときだったと思います。 今回の十月の三十一日に行われた米中朝三者会議におきましては、いわゆる六者会合のプロセスの中で金融問題という、例のバンコ・デルタ・アジアの話ですけれども、取り上げるためのメカニズムを設置する、金融に関するメカニズムを設置するということについての意見の一致があったと承知しております。これが北朝鮮にとりまして、米朝との二国対話というのをしつこく希望しておったのは御存じのとおりです。 アメリカは、これは日米韓で過日ソウルでやりましたときにもほぼ同じことを述べておりますが、一対一じゃなくて六者協議の枠内で米国は北朝鮮との間でいかなる議論にも応じる用意がある、私が平壌に行く気はない、しかし六者協議という場所の中でいろいろな応じる用意があるということであります。 今回のこの結論も米国の従来の主張もしくは立場に沿ったものというように理解をしておりますので、米中朝間の協議というものを通じて、今まで米国が言っていた話と今回の話と、特別に米国が大きく譲ったとかいうような雰囲気には全く考えておりません。 【長島委員】私が次に伺いたいポイントまで一緒にお答えいただいたんですが、というのは、前段の外務大臣の御説明だと、金融制裁について非常に北朝鮮が過敏になっている。外務大臣がおっしゃったように、去年の九月の共同声明の後、それをインプリメントしよう、実施しようとしたときに、十一月のラウンドツーの会合の中で、金融制裁まかりならぬということで彼らは席をけって出ていって、それから休会ということです。 ですから、今回、秘密会合というか非公式協議の中で、北朝鮮がある種、アメリカ側からそういう作業部会を設ける、金融制裁について議論をするという担保をとって彼らが復帰するというのは、我々にとっては、ああ、なるほどなと思うんです。 しかし、アメリカ側は特に譲ったことはないというようにおっしゃったんですが、逆に言うとアメリカが、これはディールですからね、要するに北朝鮮が復帰しやすい環境をつくる、これが一つですけれども、もう一つは、アメリカとしてもやはり譲れない一線がある。つまり、核保有国として北朝鮮が六者協議に復帰してもらっては困るんだ、こういう一線があるんだと思うんですけれども、ここについてアメリカ側は北朝鮮から何かとっているのか、それとも、中国側はその保障なんかを与えた上で北朝鮮を六カ国協議に復帰させているのか。ここは外務大臣、我が国にとって非常に重要なポイントだと思うんです。 一説には、後でちょっと詳しく議論しようと思っていますが、アメリカのデッドラインというかどうしても譲れない一線というのは、核の保有というよりは、それが世界に拡散する、そしてテロリストの手に渡ってアメリカの本土が危険に脅かされる、この点だと思うんですが、我が国のデッドラインというのは、まさに北に核を持たせることそのものが大変な事態だというふうに認識しておりますので、ここの日米の認識ギャップが仮にあるとすれば、ここをきちんとアメリカ側が埋めた上で北朝鮮を六カ国協議に引き戻すという努力をしないと、私たちとしてはこの六カ国協議を手放しで喜ぶことはできないと思うんですが、その点についていかがでしょうか。 【麻生大臣】今御質問のありました点のところでいきますと、中国が北朝鮮に対してどのようなことを言ったかということに関しては、私たちの立場から、よく、はっきりわかっているわけではありません。 アメリカとしては、この六者協議復帰に当たって北朝鮮の核保有を認めないということに関しましては全く一致をしております、この点に関しましては。バーンズのときもそうでしたし、その前のライス長官のときもこの点に関しましては再三にわたって日本から確認をしておりますし、その点に関して両者間の立場にずれがないことははっきりしております。日米間でいわゆる思惑は一致して、不一致ということはない、一致しておるということであります。 したがって、もう一点の、今回、今非常にはっきりしておりますのは、この六者協議の開催を急いでおりません。六者協議が開催されるというのは、これは単なる手段であって、六者協議を開くというのは目的でも何でもありません。 したがって、六者協議を開いた結果、いわゆる前回の六者協議の共同声明とか、一七一八等々の国連の決議事項を履行してもらうというのが目的なんですから、その意味におきましては、今回のところは、少なくとも日本とアメリカ、中国、ロシア、韓国の五者が一致して結束して北朝鮮に当たるというこの結束をキープする、結束を維持するというのが今一番大事なところであって、この五者が一致して北朝鮮に当たっているというのが北朝鮮に対する最大の圧力になる、我々はそう理解しておりますので、この結束を維持している間、我々は今いろいろ制裁決議をしておりますけれども、その制裁決議は継続、六者協議を開催すると言ってきたから緩めるという気もありませんし、一七一八に関しても同様の答えであって、今これを緩めるつもりはないということだけははっきりしておりますので、そういった状況の中でこの種の結論が、今答えが出つつあるというように御理解いただければと存じます。 【長島委員】私も同感でありまして、やはり五カ国の一致がこの六者協議成功への一番のポイントだ、こう思っていますが、それが容易でないということはこれまでの六者協議の停滞ぶりから見ても明らかだと思うので、そこがやはり一番のポイントだというふうに思います。 そこで、伺いたいんですが、今回、北朝鮮が六者協議に復帰してきた一番の原因というのは何だったのか。もちろん金融制裁について話し合いに応じてもいい、そういうあめがあったというのは事実としてはそうだと思いますが、私が一番気になるのは、果たして北朝鮮は各種制裁によって厳しい状況に追い込まれ、追い込まれたがゆえに六カ国協議に出てくることになったのか、それとも、北朝鮮なりの大戦略の中で、むしろ積極的にこの六者協議の場を、もっと言えば、時間稼ぎの場を利用しようと思って、前進をする一環で出てきたのか。 というのは、これは、外務大臣、もちろん結構でございますが、外務省北東アジア課の方でも結構なんですが、北朝鮮がどれぐらい追い詰められているかということについては、諸説あるわけですね。北朝鮮の声明を見る限りは、我々は六者協議の枠内において、米朝間で金融制裁解除問題を論議、解決するという前提のもと協議に出ることにしたと、全く悪びれる様子はなく、堂々としたものなんであります。 それというのも、一説には、食料危機が非常に厳しい、去年に比べて作物が半分しかないとか、そういうふうに言われている一方で、実はそうでもないと。エネルギーも十分あるし、食料の価格も全然上がっていないし、むしろ国連制裁も織り込み済みの、今が一番自分たちにとっては交渉するには強い立場だということでばんと出てきた、こういう分析をする専門家もいるぐらいでありまして、そうなりますと、六カ国協議の性格が少し変わってくる可能性があるものですから、ちょっとそこはこだわってみたいんですけれども、北朝鮮がどうして六カ国協議に参加することにしたのか。追い詰められて参加しようとしているのか、それとも余裕の姿勢で参加しようとしているのか、その辺のところ、どう分析されておられますか。 【麻生国務大臣】これは、それこそ諸説分かれております。 過日、ソウルにおいて、潘基文、ライス、日本と三者会談を先月行わさせていただきましたときも、何となく、中国、北朝鮮は孤立化しておるという話が日本の新聞には多いけれども、金正日という人の性格というのは我々とは大分違う性格であることははっきりしていると思いますので、こういった人を見ていると、おれは核を持ったからこんなに人が注目してくれているんじゃないか、おれが核を持っていなかったら単なる貧乏人扱いで終わりだったんだ、今核を持っているからアメリカも来た、ロシアも来た、中国も来た、日本も、みんな来たじゃないか、おれは今スポットライトを一身に浴びて物すごいハッピーなんじゃないのかと言ったら、潘基文は否定はしませんでしたものね。正直申し上げて、持ったからですよ、多分そう思っている可能性を彼は否定できないと思うんです。したがって、今長島先生の言われた後段の部分というところは、確かに甘く見ない方がいいと思っております。 傍ら、食料の話につきましては、これはどう考えてもかなりしんどくなってきているということは、兵隊検査を受ける人たちの体格の悪さがどうなってきているとか、いろいろインテリジェンスの情報というのが幾つも上がっていますのは御存じのとおりだと思います。 国連食糧農業機関、FAOのそういう数字を見ますと、二〇〇五年の総需要約四百七十九万トンに対して、北朝鮮の穀物総生産は約三百九十万トン、したがって八十九万トンのいわゆる食料、食物が不足しているというように予想をしております。 統計が未整備でありますので余りよくわからないところなんですけれども、エネルギー不足についてもこれははっきりしてはいないかということで、正確にはわかりませんけれども、依然として、そういった状況は深刻というのと、両方のあれを考えにゃいかぬところだと思っております。 ただ、アメリカの話として、金融の話で少し、あめと言われましたけれども、あめの部分というのは、これは何も、二千四百万ドルといえば、早い話が二十五億円ぐらいの金がスタック、凍結されているから出てくるという話ではなくて、いわゆるこういった銀行というものの持っております決済機能というのが他の銀行にもいろいろ波及しておりますので、物を売っても、納金されるべき銀行決済が各地で滞り始めているというところは結構しんどい影響を得ているだろうなと。もと商売をしている立場からいえば、銀行決済ができないというのはしんどいなという感じは正直なあれでありまして、アメリカは自国の法律に基づいて、北朝鮮を対象にしているわけではない、だれに対しても同じことをしているんですけれども、そこらのところが効果を上げてきているのかなという感じはいたします。 【長島委員】あれだけ閉鎖的な国ですから、どういう状況かというのはなかなか外からうかがい知ることは難しいと思います。強みも持っているし、弱みもある、こういうことなんだろうと思うんですが、まさに先ほど大臣が最初におっしゃった、強硬策が功を奏したというふうに北朝鮮に思われるのが最悪のシナリオだと私は思いますので、そこをきちんと、ある種、彼らに、いや、強硬策をやっても得るものはないんだということをきちんと国際社会が知らしめていかなきゃいけない、そう思うんですが、そこで、やはりキープレーヤーになってくるのが中国だと思います。 これもまた、中国という国はなかなか外からうかがい知るのは難しい国、北朝鮮ほどでは最近はないんでしょうけれども。この中国のいわゆる圧力と言われているものが本当に効いているのか、本気でかけているのかというのが、私たちにはどうもわからないポイントなんですね。 例えば、報道によると、十月十九日の日経新聞ですが、中国が北朝鮮に対して圧力を強化している。外貨送金の停止や貨物検査、これはテレビなんかでも放映されていましたけれども、中朝国境でトラックをとめてやるような貨物検査を強化しているのはもちろんですけれども、それに加えて、北京―平壌間の航空便を停止したり、あるいは石油の支援まで手をかけ始めたという報道がある一方、十月三十一日の中国の外務報道官の定例記者会見では、中朝経済貿易協力政策に変更なし、こういうふうに明言をしておりまして、先ほど五カ国の一致が重要だと外務大臣おっしゃった。それから、国連決議一七一八で国際社会全体が今一致した行動をとろうとしている。その一番大きな一翼を担っている中国が、押しているんだか引いているんだかよくわからないという状態では、私は北朝鮮に足元を見透かされるというふうに思うんですが、中国の圧力が本気なのか、本当に効いているのか、この辺はどう認識されていますか。 【麻生大臣】
これは長島先生、ミサイルのときに比べたら、今回の核の後の中国の電話会談の向こうの反応の素早さ、また明確さを考えましたり、また、一連の決議案に対する賛成に対して、前回は十一日間、うだらうだらいろいろ言っていましたのが、今回は極めて早く六日間でばっと乗ってきましたから、それを見ても、今回は、核の保有に関してはかなり北朝鮮は本気、しかも、ちょっとやり方としては、李肇星が行き、ここで面会しようというその日、その時間に合わせて実験ですから、これはどう考えても、何だこれはと多分思ったろうと思うようなやり方をしておりますので、私どもから見ますと、これは北に対してかなりメンツをつぶされたみたいな感情を持ってもおかしくないかなと思っております。したがって、中国の北朝鮮に対する対応というのは、この前の七月のときとは全く違ってきたものになってきていると思っております。 【岩屋副大臣】先ほど大臣から申し上げましたように、実は詳細について我々承知をしているわけではございませんが、先生も触れられた中国外交部の定例の会見では、ここ二週間強調しているとおり、決議一七一八号が採択された後、中国は真摯かつ厳粛に執行している、そういうコメントがございます。 では、しからばその中身は何かということについて、中国政府も明確にしておりませんので我々も承知をしているわけではございませんが、いろいろな形での圧力がかかっているというふうに想像いたしております。 【長島委員】具体的な制裁というか、具体的な中身についてちょっと詳しく説明していただけなかったんですが、それはまた改めて聞きます。時間もないので、先へ急ぎたいと思います。 なぜ、中国に対して、それはおまえ懐疑的過ぎるだろうと言われるかもしれませんが、中国の戦略目的というのを考えると、どうも我々の目指す目的とは多少ずれがあると思うんですね。なぜかというと、中国は、北朝鮮はまさに地続きの隣国ですから、余り締め過ぎて、ポシャって、そして大量に難民が押し寄せられたら困る、それから、下手を打って韓国が主導で朝鮮半島が統一をされ、鴨緑江の川岸に星条旗がはためくような、そんな状況も中国は困るわけでありまして、これは中国も綱渡りだと思うんですね。 つまり、北朝鮮に核は持たせたくない、だから経済制裁というか、北朝鮮が少し本気になるように締めていく。締めていく過程でやり過ぎると困る。ですから、このアクセルとブレーキの踏み方というのは、これは批判しているわけではなくて、中国もかなり気を使って、神経を使ってやっているんだろう。しかし、余り神経を細かく使われると、我々が本当に目的としている北の核の放棄という目的を達成できるかどうか、これが疑わしくなると思うんですね。 先ほど大臣、非常に重要なことをおっしゃいました。六者協議は必ずしも急がない。日本としてはその姿勢でいいと私は思うんです。つまり、外交というのは急いだ方が負けと言われますけれども、目的ではない、手段である六カ国協議を急ぐ余り、国際社会も、六カ国協議が始まるとどうなるかというと、これは想像ですけれども、一息ついちゃうと思うんですね。せっかく今、一七一八で国際社会が北朝鮮に対してきちっと向き合っているのに、今度六カ国協議をすれば、やっている間は恐らく北もばかなことをするはずがないと思うでしょうし、北も、やっている間はこっちでいろいろ言うけれどもわきで核開発は続けていられるし、こういうどちらにとっても一服してしまうような結果になりかねない。 それと、もう一つ私が恐れるのは、六カ国協議が一たん始まると、さっき五カ国の意思が一致しなきゃいけないと大臣はおっしゃいましたが、一致させるのはなかなか難しいですよね。そうすると、せっかく一七一八で国際社会が共同歩調をとっているのに、六カ国協議が進めば進むほど、今度は、中国とアメリカの意向が違ってくる、アメリカと日本の意向も、あるいは韓国が一番危ないと思いますけれども韓国から何か不協和音が出てくる、こういうことになって、ますます北朝鮮に足元を見られるということになると思うんです。 ずばりお聞きしたいんですけれども、仮に六者協議を開催して、そしてそこから、去年の九月から十一月で失敗した、つまり九月十九日の共同声明を実施に移す具体的な方策、これをもう一回やらなきゃいけないと思うんですけれども、どういう具体的な方策で北朝鮮に最終的に核を放棄させるのか、ここは日本としてどういう戦略でやるのか、伺いたいと思います。 【麻生大臣】これは長島先生、日本一国だけでとても対応できる話ではありません。したがって、日本としては、諸外国もしくは国連等々の機関を使って圧力をかけているということだと存じます。 北朝鮮の望んでいるものは何か、その目的は、今の体制の維持なのか、今のレジームの維持、もしくは今のアメリカの攻撃のなしを保証とか、いろいろうわさは出ていますが、直接自分で、これが条件だということを正式に向こうが提示して、その条件さえ保証してくれれば核兵器関連の開発等々は放棄という向こうの条件というのをまだ提示されたわけではありません。したがって、どれが最終目的なのかというところが我々には見えておりません。 それから二つ目は、持っているだけで、これが他国もしくはテロリストに売却もしくは密輸等々されて、それがどこかに持ち去られて、プルトニウムなりなんなりを爆発させられる、いわゆる自爆テロみたいな形でやられるのを最も恐れているのが先進国側、国際連合側だと思っておりますので、そういった点を含めまして、要は、きちんとそこの物の管理が、IAEA含めて、丸々ガラス張りにしてある、日本なんかそういうぐあいにしてあるわけですけれども、そういうようにしてもらえるのか。 条件はいろいろ出てくるんだと思いますけれども、朝鮮半島から核の存在というものそれ自体をなくそうとしております韓国、日本、中国と、何となくそれを拡散さえしなければいいやというところで妥協してこようとする勢力というのもあろうと思いますので、そこらのところは、これからの中で、よくよく六者の中で協議をしていく、大事な詰めの一点だと思います。 それで、我々としては、あそこから核というものがなくなりさえすれば、いわゆる北朝鮮の経済とかいろいろな意味での繁栄というものは、韓国並みとはいいませんけれども、今の最貧国から脱して経済発展をされていくということが約束される、もしくは、今の体制だとかいろいろな向こうの出す条件に対して、今度は、今の条件には、民主主義にせねばならぬ、軍事政権はだめ、金正日体制もだめ、きちんと開かれたものにしろというところまでいけるかというと、それはまた、なかなか別の次元の話になってきて難しいと思いますので、そこらのところの交渉は今からなかなか長時間かかっていくものだと思いますので、やはり五者で一致して押していくという場合、そこらの調整をよくした上でやっていかないと、国によって優先順位のつけ方が少し違ってはせぬかなというのが私どもの見方です。 【長島委員】私も外務大臣と同じように、日米ですらもしかしたら思惑が違ってくる可能性があるので、そこはぜひ気をつけていただきたいと思いますし、具体的に言えば、ライス国務長官が言っているように、今核兵器を製造している寧辺の原子炉の再処理施設、この五メガワットの施設をやはり閉鎖する、これが一つのゴールだと思いますし、それがきちんと国際的な査察のもとで行われる、これに向かってじわりじわりと追い詰めていかなければならない、こう思うんです。 一点だけ確認をさせていただきたいのは、そういう中で、今のアメリカのやり方というのは、思惑の違いももちろんあるのかもしれませんが、どうも中国にかなり任せている嫌いがある。中国の目的というのは、先ほど申し上げたように地域の安定化ですから、必ずしも私たちが感じているような脅威の除去ではない可能性がある。 そこで私は、一つのアイデアとして、これはアメリカの中でも随分と議論が出ていますけれども、ここは一番、米朝の間で、二国間できちっと協議をして、少なくともクリントン政権のときに、いろいろな批判はありますけれども、あの寧辺の核施設はきちんと封がされて凍結をされ、国際査察のもとにあった、この事実にかんがみて、そこをきちっとやらないと、今回の核実験を許したのは、やはりあの寧辺の核施設の再処理をさせてしまった二〇〇二年の十二月ですか、あのとき以来寧辺でデュープロセスが始まって、そこから抽出したプルトニウムで、今まで一個か二個だったのが四発―八発と言われていますけれども、少し多くなったのでばあんと実験できた、こういう点もありますので、外務大臣、ぜひ、米朝二国間直接交渉の有効性についても少しお考えいただきたいと思いますが、最後、時間がないんですが、よろしくお願いします。 【麻生大臣】アメリカは、六者協議の中で米朝間で直接対話をするということには全くやぶさかでない。ただし、コンドリーサ・ライスが平壌へ行って北朝鮮と二国間で直接交渉することはしない。なぜなら、前に、マドリン・オルブライトのときにそれをやってきれいにだまされたわけですから、それを指摘して今の共和党政権は選挙に勝った。今回コンディが行ってまただまされたら、もうとてもじゃない、次の二年後の選挙は完敗しますからとてもそれはできないということだろうと思います。事実、米韓日の外務大臣会談でそれは言下にはねつけております。 ただ、現実問題として、米韓朝とか米朝中で対話をしたときにはいろいろやっているんですけれども、アメリカがいて時間どおりに全然来ない、中国も来ない、何をしているんだと言って朝鮮側に電話すると、朝鮮側は中国は来ているかと言うから、おまえ、二国間対話をする最もいいチャンスを何で失うんだと言っても、中国がいるから出てこない、いや、中国より先におれが行くとおれのメンツにかかわる。そういうことはなかなか難しいんです。 そういった話を聞いて、これはなかなか難しいなと思ってその話を聞いていたんですが、これは事実、韓国も全くそのとおりだったと言っていましたから、いろいろな意味で、そういった話というのは、普通の状況からいったら、六者協議をやっているときの別の席でというようなところが現実問題としては双方で落ちつけられるところかなというのが正直なところであります。 いずれにしても、アメリカとイランの場合も、あの事件以来二十四年か五年かあいていたのが、アメリカ、イランというのは一応直接交渉の開始が始まっていますので、そういった意味では、安全なものをセットしておいて米朝間でやるというのをやるので、いきなりぽいとどこかで二人でやるということは、これまでだまされてきた経緯からなかなか難しいだろうと存じます。 【長島委員】ぜひ、日本の国益がきちんと達成されるように頑張っていただきたいと思いますし、日本の場合、国連安全保障理事国もことしいっぱいで期限が切れますので、国連の理事国から外れた立場でも日本の主張をきちんと展開していただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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