
|
長島昭久の政治活動は、みなさまの温かいカンパに支えられています。ぜひご協力ください!!
【カンパ振込先】 |
【山口委員長】次に、長島昭久君。 【長島委員】
民主党の長島昭久です。 【久間国務大臣】事実誤認という言い方ではないんです。 実は、非核三原則で持ち込ませずということを言っていますけれども、持ち込むという言葉自体が非常にあいまいなわけですね。それで、ほかの法令用語では、持ち込みというのは、全部日本の税関に入るとか陸揚げされるとか、いろいろなあれがあって、例えば、空港内でかばんの中にあっても、トランジットで日本国内を通過していく人は、この間の例で言ったのは悪いけれども、ヌード写真を持っておってもそれは持ち込みになりませんから、わいせつ物の持ち込みにはなりませんよと。だから、持ち込みという言葉自体が非常にあいまいな点がある。 それで、あの当時、岸・ハーターの交換公文あるいはまた藤山・マッカーサー口頭了解等で、重要事項の変更をするときは我が国と事前協議します、その事前協議には、持ち込みの場合も事前協議しますよというふうな、そういう話になって決まっているから、政府の方針としては、事前協議があったときはノーと言いますというのがこれまでの態度でございまして、私は、それはそれでいいと思うんです。 ただ、私がこの番組のときにそういうことを具体的に言わずにかすめるという表現をしたのは、頭の中に、三海里と十二海里について整理されているかなというのが若干よぎったわけですね。というのは、岸・ハーター交換公文のときも、あるいはマッカーサーとの口頭了解のときも、それは三海里時代のことなんですね。それが十二海里になったのは、日本の方が法律上、領土を十二海里にしますよと、国際条約に基づいて、五十三年ごろになって広がっているわけですね。そうしますと、重要事項の変更というのに、向こうが変更する場合には事前協議しますよと言っているけれども、きのうまで通航しておったところが、そのまま通航しておったら事前協議を何でしなかったと文句を言われたときに、私はきのうからきょうに変更していませんよということだって向こう側なら言えるんじゃないかなというような思いもよぎったものですから、そこで、領海という言葉を使わないで、我が国をかすめるという表現をしたわけであります。 そこのところは、今の政府はその後の答弁でも、十二海里でも同じであります、十二海里の中に事前協議があった場合はノーと言いますということを言っておりますから、政府の態度としてはそれを貫く。私もそのとおりでいいと思いますけれども、若干そこのところに、それで本当に完璧かなということがちょっとありますのでそういう表現になったわけでありまして、持ち込ませずということも含めて、私は、その三原則を維持するのが日本の政府のあり方としては正しいと思いますけれども、今みたいな問題がちょっと気になるなという思いが根っこにあるということです。 【長島委員】
久間長官ならではの御答弁だったというふうに思うんですね。別に前言を否定されたわけでもない、しかし、政府のこれまでの見解はよくわかっておるということなんですが、私、別にひっかけようと思って質問したわけじゃないんです。久間長官の御指摘というのは、実は、軍事的には非常に重要な指摘だと思っているんです。
というのは、我が国は、みずから核をつくらず、持たず、持ち込ませずと言っておるんですが、だから非核三原則だ、非核政策だ、こう言っている。しかし一方で、それでは丸裸で済むかというと、我が国の国民の生命財産を守らなければいけないという立場から、アメリカの拡大抑止、アメリカの核報復力に、抑止力に頼っているという動かしがたい現実があるんですね。
その二つを何とかバランスさせるためには、それは長官、領海とか領海でないかというのはまた別の議論で、恐らくこれからしばらくはこの議論が当委員会初め続くと思いますけれども、ここは、一つ申し上げると、九六年に橋本総理が答弁されていて、国籍にかかわらず、つまりアメリカとか同盟国のいかんにかかわらず、核搭載艦の我が国領海の通航は無害通航とは認めないという立場をとっているということでありまして、厳格に解釈をすれば十二海里以内にかすめていくのは全部だめということなんですが、本当にそれでアメリカの核抑止力に頼っている我が国の安全保障が成り立つのかという問題提起なんだろうと私は思うんです。 【久間国務大臣】核が、中国とかロシアとか、ああいう超大国が弾道弾を使った形での核の場合は、アメリカがいわゆる戦略核といいますか、そういう核でそれぞれが核の抑止力を図っているというのはいいわけですけれども、北朝鮮みたいなところが小さな戦術核を、非戦略核を使う場合の抑止力というのはどういう問題があるのかなというのは、頭の中でいろいろ考えているのも事実でございます。そういうときに、いずれにせよ、我が国はアメリカの核の傘でそれに対抗せざるを得ない。 そういうときに、人には、この間のテレビ番組では、いや、国内に置いておかないとアメリカは信用できませんよ、国内に置いておけば自分がボタンを押せるんだからというふうなことをおっしゃる方もおられるけれども、そういう議論になってしまっても非常に怖いわけでありまして、えてしてそういう議論になりかねない点もありますから、アメリカの核の傘の中で我々はやっているから心配要りませんよということを、そういう人たちも含めて納得してもらわないといかぬ。そのときに、丸腰だというようなことも言いたくない。しかしながら、そこをどういうふうな表現でしたらいいのかなというのは、非常に難しいのは事実でございます。 これから先、ただ、言えますのは、アメリカも、戦術を昔と変えまして、戦術的な核といいますか非戦略核、そういう核については水上艦には搭載しないとか、普通の原子力潜水艦にも搭載しないとか、そういうことを堂々ともう宣言しているわけですね。これは、ブッシュさんのお父さんの時代だったかいつだったか、ちょっと忘れましたけれども。そういうことを考えますと、そんなに、うようよ核を積んだ潜水艦がおるわけじゃないわけですけれども、やはり、アメリカの核の傘がちゃんときいているということを国民の皆さん方にも理解しておってもらいたい、そういう思いもありまして、そういう流れの中でああいう表現で抽象的に言いましたけれども、どうしても、軍関係の話というのは抽象的にぼやかす以外にない点もありますので、具体的に、仮に知っておったとしても、どこをどうやってやっているかとか、そういうことを言うわけにもいきませんので、その辺はひとつ御理解賜りたいと思います。 【長島委員】
ほかの委員がどう考えられるかわかりませんが、私自身は今の長官のお話は理解できました。一々チェックすることもできませんし、核搭載している潜水艦かどうかということを一々確認することも恐らく軍事上は無理だと思いますので、そこは最近はやりの言葉で言えばあいまい戦略でいくのが、自分たちは持てませんけれども、アメリカの抑止力をより高めていく、そういうぎりぎりの方策ではないか、こういうことが言えるんじゃないかと思うんですね。 【久間国務大臣】
あそこで言いたかったのは、そうならずに済んだな、そういう思いを言いたかったわけでありまして、というのは、ちょうど十年前、八年前ですか、駐留軍特措法をつくったときも私でしたから、あのときも、ああいう法律をつくらぬでそれまでにやりたいと思っておったのがやれずに、とうとうあのとき、それを出さざるを得ないで、そして、小沢さんともさしで、梶山さんにお願いしてやってもらいまして、この法律でいかざるを得ませんということで賛成に回ってもらって、七五%の賛成でつくったわけですね。 【長島委員】よくわかりました。ぜひ丁寧にまた引き続きやっていただきたいというふうに思います。 それでは、通告した質問に移りたいと思います、少しあれが長くなりましたが。 まず一つは、長官のカウンターパート、アメリカのカウンターパートがかわられましたね。ラムズフェルド国防長官からロバート・ゲーツという国防長官にかわられました。 幾つか伺いたいことがあるんですが、この交代について長官がどんなふうに見ておられるか。前の方と新しい方にかわった、そこのかわったことによってアメリカの安全保障政策にどんな影響があるというふうに、まだ上院の承認もされていませんから、指名されたばかりですけれども、恐らく、民主党の方の受けも悪くないですから、承認の運びになると思うんですけれども、その辺のところ、長官としてどういう見解をお持ちか。 【久間国務大臣】私は、かわっても、基本的にアメリカの姿勢は、対イラクとかなんとかは別ですよ、だけれども、日本とか北朝鮮の問題とか、この東アジアについては共和党も民主党もそれほど大きな違いはございませんので、基本的には変わらないだろうと思っております。 ただ、やはり、ラムズフェルドさんというのは、海兵隊に対してはかなり力がありました。だから、あの八千人動くということについては、ラムズフェルドだったからできたんじゃないかなという気がいたしております。だから、これが、ちょっと何か地元でもめたりなんかしてあれすると、もとのもくあみにならぬとも限らないので、私はそれは非常に心配しているわけでございますが、幸いにして仲井真さんが当選されたので、私は、今までの路線でアメリカに対しても強く迫れるんじゃないかなというふうな、そういう気がいたしております。 そういう微妙な違いは幾らかあるかもしれませんが、基本的には、対日あるいはまた対沖縄、あるいはまた対北朝鮮を含めてこの東アジア、変わらないんじゃないかなと思っております。 【長島委員】ラムズフェルド長官が海兵隊に対してグリップがあるというお話は私も同感ですけれども、それと同時に、今度の新しい長官のこれまでのキャリアの背景をどういうふうにごらんになっているか。ラムズフェルドさんというのは、私が申し上げるのもあれですけれども、ネオコン的な政策に軸足を置いて、しかし一方で、軍の改革については非常な決意で臨まれて、相当なトランスフォーメーションをきちっとやってこられた、そういう部分もあろうかと思いますが、今度のゲーツさんという方は、むしろ、ネオコン的な立場ではなく、もっと現実的な、言ってみれば、前の国務長官だったパウエルさんとか副長官だったアーミテージさんとか、そういうラインに属すると言われています。あとは、今ベーカー委員会というのが、もう一回イラクの政策見直しで立ち上がっておりますけれども、そのベーカー委員会のメンバーでもあったということで、軍の改革に対する姿勢。 それからもう一つ言うと、アジアで関係するとすれば北朝鮮に対する姿勢ですね。ラムズフェルド、チェイニーというお二人はむしろ、国務省、パウエルさんとかアーミテージさんとかケリーさんとかという人たちが、もうちょっとアメリカは北朝鮮の政策に関与した方がいいという主張を持っていた、しかし、それをばさっと切って、そんな関与はだめだということで、かなり強硬な姿勢でずっとやってきたところがあるんですけれども、その辺の北朝鮮政策に対する変化というものも視野に入れて、新長官についてどんなふうにごらんになっているか。 【久間国務大臣】私は、まだ詳しく余り情報が入っておりませんし、またお会いしたこともございませんけれども、今のライス国務長官とも非常に近かったというような話も伺っておりまして、そういう意味では、これまでの国務省なんかのスタイルと大体似ているんじゃないかなというような、そういう思いがいたしておりますから、それほど大きな、アメリカの国としての違いは出てこないんじゃないかなと思っておるわけです。 【長島委員】もう一つ、次の話題、論点につながる話なんですけれども、ラムズフェルド前長官が相当努力をしてきたもう一つのテーマに、MD、ミサイルディフェンスがございます。 もともとラムズフェルド前長官は、九八年に米議会の委託でつくられた、ラムズフェルド・コミッションと言われていますけれども、弾道ミサイルの脅威評価委員会の委員長をやっていて、殊のほかミサイルディフェンスに対しては積極推進派だった。そういうこともあって、二〇〇二年の十二月に、二〇〇五年までにMDの初期配備を始めるんだ、こういうことで、二〇〇二年以降、毎年一兆円に上る予算をこのMDだけに要求してきて、それを通してきたわけですね。もちろん議会も共和党でしたから。 しかし、ここが、もしかすると今までのような勢いでいかなくなるかもしれない。それは、一つには長官がかわったということ、それからもう一つは、議会が上下両院とも民主党が制したということですね。 民主党はどちらかというと、MDに対して、ミサイルディフェンスに対してはそれほど前向きな姿勢を持っていないという報道もあるわけですけれども、その辺、長官は今度一月に実際お会いになることになるんだと思うんですけれども、ミサイルディフェンスに絡んで御見解を承りたいと思います。 【久間国務大臣】このミサイルディフェンスにつきましても、私が防衛庁長官のころに、ガイドラインを最初に決めて、その後技術研究に入ろうという話が、当時は民主党でございましたけれども、コーエン長官から話がありました。しかしながら、もうとにかくステップ・バイ・ステップでいきましょう、今はそのガイドラインの取り決め、それに基づく周辺事態法制、この二つに一生懸命なので、ミサイル防衛まで一緒に、同時にやるというのは無理なので、それは次のときにしましょうということで、そして、額賀長官と私でバトンタッチしましたときに、額賀さんとコーエンさんとで技術研究に入ったわけでありますから、民主党政権のときも、このミサイル防衛については、これから先の新しい時代の防衛システムとしてはやらなきゃならないという思いが非常に向こうも強かったわけであります。 だから、私は、アメリカに行くたびにコーエンさんとも、その後のいろいろな、旧交を深める意味もありまして、その話をし、ミサイル防衛については話をしておりますけれども、民主党もミサイル防衛について、やはりこれから先の、いかにして防衛するか、ミサイルについて無力であるというのはいかに大変なことかということはよく理解しておりますから、私はそれは、共和党、民主党に限らず、政策的には大きな変化はないんじゃないかというふうに思っております。これもまた向こうに行って確かめたいと思いますが。 事務的には、打ち合わせも、その後そのままいろいろな関係は続いているようでございまして、ローレスさんもそのまま残るみたいな話も聞いておりますから、やはりそういう意味では余り大きな変化はないと私は見ておるわけです。 【長島委員】
ぜひそこは、また米国で確認をしていただきたいというふうに思います。
それで、本題に入りますが、先ほども前田委員から御指摘がありましたけれども、政府内で、ミサイル防衛システムの法的効果といいますか法理論について少し混乱があるような気がするんですね。
一つは、集団的自衛権について研究を始めよう、そういう一般論の流れの中で、どちらに飛んでくるかわからないような場合について、我が国の迎撃ミサイルが迎撃をしてもこれはいいのではないか、むしろ、日米同盟の観点からすればこういうことはあっていいのではないかという恐らく総理の考え、あるいは、それをある種引き取って官房長官の記者会見での発言があったんだろうというふうに思うんですが、一つ気になるのは、私どもも北朝鮮のミサイルの脅威あるいは核の脅威にさらされているわけですから、私どもの主体的な責任においてミサイル防衛システムを研究し、開発し、配備をしていくということなんだと思うんです。 【久間国務大臣】少なくとも軍レベルでは、事実、できることとできないことはわかっているわけですから、できないことについての要請というのはまずないわけであります。 しかしながら、例えば、イージス艦がおりまして、それがいろいろな情報収集をしている、そして、それがキャッチして、そしてまたそれがアメリカに向かっているというのを判断したときに、アメリカはそれに対して反撃のミサイル迎撃をするわけでありますけれども、そういうのがおるときに、そのイージス艦がそれに集中しているときに非常に手薄になっているところを攻撃される場合には、それは守ってもらいたい、そういう思いはあると思うんですよ。 だから、どういうシチュエーションで物を言うかによって違ってくるわけで、日本とアメリカがもう共同作戦行動に移っているような、日本の防衛出動が下令されたような、そういう状態のときには、私は、仮に技術的にできる場合だったらいろいろなことができるであろうと思いますし、そういう動いているイージス艦を守るというのも当然の義務になると思います。 しかしながら、また、そこまでいっていない、周辺事態が発生しているときにどうかとか、周辺事態にも至っていないときにどうかとか、仮に、百歩譲って物理的に可能だというふうになったとしても、それによって法論理的には非常に整理をしなけりゃならない問題がたくさん出てくるんじゃないかと思うわけであります。 そういう点で、やはり、研究することについて、私はそれは結構であろうと思いますけれども、今改良型をつくったとしても、そこまではまだまだしばらくかかるわけでありますから、そんなに急いで守りますよというようなことを声高に言う必要はないんじゃないかなと思って、事実関係を言ったわけであります。 【長島委員】今長官は二つのことをおっしゃいました。一つは、技術的にはそんな可能性は低いんだという話。これは後でまた技術的な質問をさせていただきます。それからもう一つは、これは長官特有の煙幕かもしれませんが、今いろいろなケースについてだあっとお話しされましたね。 私は、最初に質問しようと思っていたのは、別に、ミサイル防衛に当たっているアメリカのイージス艦を日本に防衛してもらうとかもらわないとか、こういう話じゃないんですね。もとになっているのは、総理がワシントン・ポストのインタビューに応じて、ミサイル防衛で米国に向かうかもしれないミサイルを撃ち落とすことができないかも含めて研究しなければならない、こう言ったことについてお尋ねをしたのであって、ちょっとそこの点については誤解のないように。 【久間国務大臣】そこは安倍総理に私は聞いたわけじゃないですけれども、その同じ日に私のところにワシントン・ポストは取材に来たんですよ。同じようなことを向こうが聞いたんですよ。そして、私はそれに対しては独特の言い方で、記事にならないような言い方をしたわけですけれども、総理が自分からワシントン・ポストにそういうふうに言ったように書かれているけれども、私はその記事を見たときに、そうかなと。私のときに向こうは質問項目として挙げたけれども、総理は本当に、どういうふうな言い方で、自分から切り出されたのかなという思いが実はしたということだけ先生にお伝えしておきます。 【長島委員】いや、ナイスフォローなのかもしれませんが、どうもその総理のワシントン・ポストでの発言を受けて塩崎官房長官は福田官房長官談話に触れて、その見直しがあるかもしれない、翌日にまた多少訂正しているんですけれども、そういう発言をされているんですから、ちょっと今のフォローは、フォローとしてはすばらしかったんですけれども、的を射ていたかどうかはちょっとわかりません。 もう一つ伺いたいのは、技術的に難しいという、先ほどの前田委員の質問に対して久間長官はおっしゃっておられました。福田長官談話が出てきた背景というのは、恐らく二つのことが混同されていると思うんです。 一つは、例の平成十五年末に閣議決定をして今現に配備が進められている、順調にいけば平成二十二年末までに地上発射型と海上発射型が配備されることになるわけですけれども、それについて福田官房長官が、集団的自衛権の法理を持ち出すまでもありませんよ、これは純粋に我が国の防衛だけですよ、こういう話をされた。 ですが、もう一つ混同されていると思ったのは、平成十七年の十二月に安全保障会議で決定をした能力向上型、今の配備をされようとしているのではなくて、もう少し発展した改良型のミサイルディフェンスを、日米で共同で研究していたものを開発の段階にアップグレードしよう、こういう話。この話の先に、もしかすると、今では考えられないのかもしれませんが、つまり、防衛庁長官の記者会見の中では、成層圏まで飛び出したものを後ろから追いかけていったって、二倍のスピードだって追いかけても届かないよ、こういうお話をされましたね。今、能力向上型で迎撃ミサイルの開発を進めている成果として、もしかしたら、アメリカ向けの長距離の弾道ミサイルについても日本周辺から迎撃が可能になる技術を取得できるかもしれない、そのことについてまで否定されますか。 【久間国務大臣】正直言って、アメリカ本土に向かうようなあれは、結構スピードも速いのと、高さが高いわけですね。そして、日本からそれを、こちらからブーストでまだ上がっている段階からキャッチして、それから方向が決まって、これはアメリカ向きだとなったときに、そこから発射して追いつくかとなると、改良型でも私は非常に難しい。やっとこさ追いつくかなというような、追いついても、とにかく前のあれにたすきが渡せないぐらいの、それぐらいの追いつき方ということなんですよね、例えて言うならば。それぐらいのスピードで、なかなか難しいと正直思いますね。 だから、さもできるかのような印象をみんなに与えてしまうことの方がよくないという思いがあって、改良されたとしてもそうはなりませんよということを正直言って言いたかったわけであります。 【長島委員】技術的な知見のある方に伺いたいんですが、今の防衛庁長官のおっしゃった話、だって、これは九年かけてやるわけですよ、長官。今の我々が配備を進めているのは、大体七百キロから八百キロの高度までしか行かない。つまり、ノドン向けですからね。しかし、ノドンだって、もしかすると、ロフテッドというんですか、かなり短い射程だけれども、かなり高く上げて、こちらの迎撃ミサイルをかいくぐって物すごいスピードで落ちてくるような、そういう改良型を向こうがつくるかもわからないわけですね。 そうしますと、今おっしゃったような、なかなか技術的に難しいと一言で言ってしまうと、これは高度の問題とか速さの問題とか、これから技術進歩をして、九年もかけて開発していくわけですから、もしかしたらそういう可能性もないわけではないと私は思うんですが、いかがですか。 【久間国務大】後で事務方から聞いてもらいたいと思いますけれども、ミサイルはとにかく放物線を描いて落ちてくる、それをこちらから反撃するというか迎撃するわけでありまして、言うなれば、野球のホームランボールになりそうなのが行ったときに、センターフライとしてセンターが走っていってそれをキャッチする、コンピューターで制御しながらずうっと軌跡をキャッチしてこうやるわけですから、そういう意味では、ボールの速さが速くても、そこに到達すれば捕捉できると一緒で、こっちから迎え撃つというのは、それはかなり高度に上がったとしても私はできると思うんですよ。 しかしながら、上に上がったものを下から追いかけていって、向こうに走り去っていくものを追いついて迎撃するというのはなかなか、キャッチャーがショートまで出かけていってもなかなかフライがとれないのと同じで非常に難しいと思うので、だからそこはぜひまた研究していただきたいと思いますけれども、私がいろいろなことを聞いている限りでは、迎え撃つことは可能でも、こちらから自分の上空を飛び立っていこうとするのを撃ち落とすというのはなかなか難しいという、特に、北朝鮮から計算すれば、北朝鮮から日本上空まで来る間に、そこから軌跡が決まったとしてこっちから撃った場合には、かなりのスピードでそこは上空を飛んでいくわけですから、非常に、落ちてくるならこちらから撃って落とすことはできても、上空を飛び越えていくものを追いかけながら捕まえるというのはなかなか…… 【長島委員】済みません、切ってしまって。 長官、すごく今の長官の説明、イメージはよくわかるんです。記者の皆さんにも同じ説明をされていた。しかし、もしかすると、我が国のイージス艦は太平洋に展開する可能性だってあるわけですよね。そうなると、今度はちゃんと、キャッチャーではなくてセンターが迎えるような位置でやる可能性もある。だから、そこになってくると今度は技術的な話なんですよ。 なぜかというと、もし今の長官の話だけで話が終わったら、何で総理や官房長官は集団的自衛権の法理の解釈の変更まで視野に入れた話をしなきゃならないのか、こういう話になりますよね。あほみたいな話になるんです。技術的にちょっと伺いたいと思います。 【大古政府参考人】
迎撃ミサイルの技術的なところでちょっと御説明をさせていただきます。
一般に弾道ミサイルにつきましては、高い高度まで推力で上げまして、後は高い高度から落下いたします。その関係で、ブーストフェーズでも高い高度を上げるためには相当スピードが上がりますし、高い高度から落ちる場合にも相当スピードが上がります。
これに対して、迎撃ミサイルの方につきましては、重力に逆らって迎撃いたしますので、なかなかスピードが上がらないという部分がございます。一般的に、普通のウエポンシステムの関係で申しますと、一般に速いものを遅いものが撃ち当てるというのは難しいというところがございます。
ただ他方、弾道弾につきましては、基本的に途中で誘導制御をされませんので、一定の固定点に対して、固定点から一番近いところで弾道飛翔を描きますので、一定の狭い軌道を描きます。そういう意味で、迎撃ミサイルについては、基本的には、大臣が先ほど言いましたように、そういう弾道飛翔のところを未来値を予測して迎撃するものになってございまして、この点については、ことし日米間で共同開発します将来型のミサイルにつきましても、過ぎ去ったミサイルを追いかけて当てるということは考えていないところでございますし、技術的にできないということでございます。 【長島委員】本当にそんなに言い切っていいんですか。できないという見解ですか、局長。技術的に無理、次世代も。いや、これは自民党は怒っちゃいますよ。 【大古政府参考人】今御質問が、追いかけて迎撃できるかという質問に対して、私の方ではできないということを言いました。 【長島委員】
局長、すりかえないでください。太平洋で迎撃することも考えてという質問を私はしているんですよ。日本海にずっとへばりついている話じゃないんですよ、私が聞いているのは。 【大古政府参考人】ことしから日米が開発いたしますものにつきましては、基本的に、到達高度とか迎撃ミサイルのスピード限界とかが上がります。そういう意味で、ただ、基本的にまだこれからエンジン設計の段階でございますので、最終的なスペックというものは現時点で固まっているわけじゃございませんけれども、一般的に申すれば、性能が向上いたしますし、いろいろな置き場所によっては、いろいろ日本以外に向かうものについての迎撃も可能な場合があるというふうに考えております。 【長島委員】最初からそう言ってくださいよ。五分ロスしてしまった。 そういう可能性があるからこそ、総理の発言あるいは官房長官の発言の意味が私は出てくると思うんですよ。それに対して、恐らく批判的に考えておられる方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は、そういう意味では、これからの集団的自衛権に対する考え方が、政府で整理されて、事例研究を通じて出てくると思います。それについても私は質疑をしたいと思っています。 一つ考えられるのは、もしかすると、これまでは日本の防衛をアメリカにかなりの程度依存してきたわけですね、我が国は。しかし、史上初めて、日米同盟史上初めて、アメリカの防衛に対して日本が具体的に寄与する可能性が、今のお話を突き詰めていくと、出てくるわけですね。こういうことも、私は日米同盟のあるべき姿を探っていく上では非常に重要な観点だというふうに思うんですが、長官、いかがですか。 【久間国務大臣】先生のお話、私はちょっと聞いていませんでしたが、太平洋のハワイに近いところで、それでうちのイージス艦が仮におったとすればできるんじゃないかという話だろうと思うんですけれども、現実問題として、日本に四隻しかSM3を今配備できないような状況でハワイあたりに浮かばせておくというよりも、うちの場合は、うちの近くにそれを配置して、ノドンの方の、それに全神経をとがらせるわけですから、そういうようなアメリカをターゲットにしたミサイルを、太平洋に、しかも十分間で飛んでくるわけですから、その十分間のためにずっと太平洋に浮かばせているということは現実問題として考えられるかとなると、それぞれアメリカなり日本なりが持ち場持ち場であれしながら、むしろ情報を共有しながら、その軌跡を即座に報告しながら、向こうは向こうで迎え撃つというような、そういう連携がこれから先緊密になっていくことが一番大事だと思うんですね。だから、日本のミサイルで撃つということを前提にして議論をするよりも、むしろそういった取り組み方の方が私は大事だと思っております。 太平洋のハワイの近くのグアムとか向こうの方に日本のイージス艦を浮かばせて、北朝鮮がアメリカに撃つかもしれないのを待ち受けていれば、それまでできないかというと、さっき言うように、向けて撃つことはできるわけでありますから、それは私は不可能とは思いません。 【長島委員】ちょっと刺激してみたんですけれども、さすが長官、慎重な御答弁で、それはそれで安心をいたしました。 ただ、日米同盟をこれからどうやって機能させていくか、強化していくか、そういう視点も一方で重要ですから、私たちもその可能性についてはこれからも探っていかなきゃいけないというふうに思っています。 もう時間が迫ってしまったので、私もあと二回か三回質疑に立つ時間があると思いますので、さわりだけ少し。よろしくお願いします。 防衛庁の省昇格についてなんですが、これは、口の悪い同僚議員に言わせると、看板のつけかえというのがよく言われるんですが、結局、チをシにしただけじゃないか、防衛庁を省にしただけじゃないか、こういう陰口も出ているぐらい、防衛庁の皆さんの、申しわけないんですが、御説明が、変わらないんだ、シビリアンコントロールも変わらないんだ、総理大臣の権限も変わらないんだ、ただ名前が変わるだけだみたいな、そういうちょっと縮みの思考みたいな説明が多いので私はいささか不満を持っているのですが、変わることが実際何なのかというのを少し突き詰めて考えていきたいと思うんですね。 ここに防衛庁からいただいた資料があるんですけれども、変わることの第一番目は、新たな安全保障環境下において危機対処に対しより迅速な対応が可能になるというふうに言っているんですね。しかし、この点は、緊急事態においては、基本的には官邸主導でシステムがつくられていますから、安全保障会議とか閣議とか、もう既に段取りができている。そういう意味では、事務手続上のロスタイムは、今の庁のままであるわけではないですね。 省に変わると、この説明ぶりからいった、新たな国際安全保障環境において危機対処へより迅速な対応が可能だということが実体的に一体どういうことなのか、これをぜひ説明していただきたいと思います。 【久間国務大臣】やはり、国務大臣としての私は閣議請議を行うことができますけれども、防衛庁長官としての私は閣議請議を行うことは今の組織だったらできないわけですね。これがやはり、閣議請議を行うことができないと言っているのはそこなわけでありまして、内閣府に持っていって、内閣府の長である内閣総理大臣にお願いして、そこから閣議を開いてもらう、そして請議を行って決定していく、そういう形式になっております。しかし、今、内閣総理大臣まで含めて全部が国務大臣ですから、国務大臣は国務大臣個人としての、内閣の一員としての閣議請議はできることになっておりますけれども、要するに、組織の長としての立場での閣議請議ができない。こういったところは、今度は我が省の判断でできるということになります。 ただ、全く変わらないかと言われると、私は、微妙な点では変わってくるような気がいたしております。余りそれを言うといかぬのかもしれませんが。 例えば、私が前の防衛庁長官のときに、米軍が爆弾を海中に落としました。そのときに、掃海艇が行って掃海をしてやらないかぬということで出動しようとしたときに、官房長官からちょっとおまえ待てと言われまして、それはおまえのところの仕事じゃないんじゃないかという話になりまして、それはそうだということで、アメリカから外務省に依頼の電報を打ってもらって、外務省から防衛庁に対して、この掃海は自衛隊しかやれないのでひとつお願いしますという依頼文書をもらって、そして夜中の二時にそれに出かけるということのサインをしたことがございますけれども。 今度は、防衛省になった場合は、少なくともそういう国民の安全の問題等についてはもう少し積極的にやれるんじゃないかなという思いがしておりまして、その辺は、今度は省になった後、そういう交通整理は微妙なところで、組織としては変わりませんけれども、これから先やっていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。 【長島委員】今の説明は初めて、積極的な意義、私はよくわかりました。前段の話は実はバーチャルな話で、内閣府の長としての総理大臣云々という話は、何度聞いても私はぴんとこなかった。では、今それで問題があるんですかと言ったら、いや、問題なくやっています、こういう話だった。ただ、今のは非常に具体的な事例でよくわかりました。 もう一つ、防衛庁の方からいただいた資料で、変わること、「諸外国との協議や交流の場で、我が国の安全保障への姿勢が明確に」なる、こういうことはあるんでしょうね。「近年、米軍再編に関する協議等、米国との政策協議がますます重要となり、」云々と書いてあるんですね。 そうしますと、日米同盟の運用について、これまで外務省との役割分担をやってきた、その外務省との所掌分担みたいなものも対米関係の中で変わっていく可能性があるのかどうか。 端的に聞きますと、例えば制服の皆さんの出番というか役割ですよ。私もテレビで見たことしかありませんが、政府同士の話し合い、向こうは制服の人がずらっと前面に出てきますよね。しかし、日本の場合は、それほど制服の方たちが日米交渉の中で前面に出てきていない。そうすると、制服の知見というのはどの程度、日米の米軍再編なんか本当に軍事的な専門知識の要る交渉事の中で反映されるのか、私は非常に心配な思いを持っていたんですけれども、共同作戦計画をつくるとか共同運用体制の構築には、私は、制服の皆さんの知見というのは非常に必要になってくると思うんですが、こういう日米同盟の運用そのものに対する外務省との所掌の変化というのは出てくるんでしょうか。 【木村委員長】久間防衛庁長官、時間が来ておりますので、簡潔に願います。 【久間国務大臣】前回のときに、私は、例えば教育訓練局長なんというのは制服の方がいいんじゃないかというふうに思って、そうしようと思ったら、やはり参事官をもって充てるというふうになっておって、それはできなかったんですね。 だから、そういうような意味では、防衛省になるのをきっかけに、そういう参事官をもって充てるかどうか。その後、そういうことで局長はしませんけれども、今、相互乗り入れをしていますからかなり進んでいますけれども、もう少しその辺は、内部の扱い方の問題としては議論して、そしてまた、内部だけではなくて、ほかの省庁へ、あるいは外国との関係でも、制服と相互乗り入れができるようにした方がいいんじゃないかなという基本的な考え方は今でも私は持っておりますから、そういうような問題意識もこれから先提案しながら、やはりせっかく組織を変える以上は、いいものにしたいと思っております。 【長島委員】
私も全く同感でありまして、看板のつけかえだけかというような批判にこたえる意味でも、よりよい国防体制、言ってみれば、内局の方たちと制服の方たちがベストミックスで仕事ができるような環境をぜひつくっていくようにしていただきたいと思います。 |
|||