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国会質疑

2006年11月30日

【会議録】安全保障委員会

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【山口委員長】

次に、長島昭久君。

【長島委員】

民主党の長島昭久です。
いよいよ防衛庁の省昇格、衆議院の委員会審議はもうこれが最後の機会になりました。創設以来五十四年ぶりに国防の任にある官庁の国家機構における位置づけが変わる、大変重要な、私は歴史的な委員会審議だというふうに思っておりますし、きょう、たまたまといいますか、与野党の理事の皆さんの御努力で、非核三原則等ということで、外務大臣もお見えになって、つまりは、国家安全保障を担当するお二人の大臣が臨席している中でこの防衛庁の省昇格の最後の衆議院の質疑を行うということで、私も緊張しておりますが、質問させていただきたいというふうに思います。 そこで、今最後に笹木委員が触れた問題に冒頭に触れざるを得ません。 これは党内事情と言われるかもしれませんが、私たちも、我が党の中には、防衛庁の省昇格は時期尚早だ、いろいろな不祥事が出ているじゃないか、談合事件の結論も総括もきちんとなされていない、情報流出事案も続出をしている、薬物の事案もある、こういう官庁で本当に省たるにふさわしいのか、こういう議論を相当党内でやりました。慎重派の人たちは、もうきのうの最後まで慎重論を譲らなかった。 そういう中で、私たちも、本当にいろいろな心配があるけれども、省へ昇格した上でそういうことの綱紀粛正もきちんとやらなきゃいけないということでこれから採決に臨むわけですけれども、その採決の朝に、まさに水をぶっかけられるようなこういうニュースが飛び込んでくる。本当に私は憤っておりますが、皆さんもそういう意味では同じような思いなんだろうというふうに思うんです。 これは先ほど防衛庁長官も御答弁なさいましたけれども、徹底した再発防止策を講じた後にこういう問題が、しかも同じパターンで繰り返された。違うパターンならまた話は別ですよ。しかし、同じようにウィニーにこういう形でつかまって流出してしまった。 しかも、今回、より深刻なのは、これは新聞報道ですから、もし違っていれば訂正をしていただきたいんですけれども、イラクに展開する米軍の人員配置、そのほか物資の保管状況に関する情報、これは皆さん、私たちも、イラク特措法の議論なんかで、この国会の委員会でいろいろ質問しても、いや、それは多国籍軍の問題にかかわっておりますので情報は申し上げることはできません、アメリカ軍にかかわりますので、オランダ軍にかかわりますのでということで、委員会の審議ではほとんど情報が出てこなかった。しかし、こういう形で一般に情報が流出する。 まず、この多国籍軍にかかわる情報が出ていたのか出ていないのか、この事実関係が一点と、それから、再発防止策を徹底したにもかかわらずこういうことになった、今後の皆さんの対策、再発防止策が本当に国民の皆さんにとって信頼できるものなのか、この点について御答弁いただきたいと思います。

【山崎政府参考人】

お答え申し上げます。 情報の個々、どういうものであったかということにつきましては、従来から、この手の事案が生じましたときに、非常にマニアという方々がおられまして、情報の漏えいというのがわかった段階である程度、非常にマニアックな方がアクセスをして、情報漏えいの範囲が拡大をするということがございますので、その個別具体的な情報の内容については確認を控えさせていただいているというところでございまして、今回も同様でございます。
〔委員長退席、寺田(稔)委員長代理着席〕

【長島委員】

いや、全然答弁になっていないです。これは新聞に出ているんですよ。 では、これは何の情報に基づいて新聞に出ているんですか。我々の委員会での審議は、新聞の情報以下の情報のやりとりでは成り立ちませんよ。もう一度お答えください。

【山崎政府参考人】

ただいまお答えをいたしましたように、御理解をいただきたいのでございますが、個々の具体的な情報の内容について言及をするということ自体が、そういう情報を収集している方にとっては、非常にそういう活動をかえって刺激して情報漏えいの範囲を拡大させるということがございますので、恐縮でございますが、情報の中身についての言及は差し控えさせていただきたいと思います。

【長島委員】

全く納得できないんです。 防衛庁長官にぜひ御答弁いただきたいと思うんですが、これは国会の委員会のあり方の構造上の問題なのかもしれません。秘密会でもあれば、きちんとそういうところでやるというのが筋なのかもしれません。我々立法府としてそういう秘密会の制度の整備というのをしていかないと、本当に靴の外から足をかくような、そういう状況になる。しかし、本当に今の答弁、防衛庁長官、国民をばかにしていると思いませんか。もう少し適切にお願いします。

【久間国務大臣】

皆さん方にも御理解いただきたいんですけれども、私は先ほどからパソコンは詳しくないと言いましたが、こういうようなものは、あっ、そういうのが出ているのかという形でみんながあれすると、そこにばあっと殺到するわけですね。そして、どんどんどんどん何かないか、何かないかとやっていくので、それもまた関心が関心を呼んでいく格好になりまして、あっ、みんなが殺到しているからおれも探せというような、そういう形でやっていきます。 そういう意味で、とにかく、こういうのがあったんだというような、さらっとしないと消えていかない、そういう問題が実はありまして、そこが非常に難しいんですね。だから、秘密会とか何かで、今流れているのはこの程度なんですよ、過去の分がこういう形で出ているんですよ、そういうことを本当は説明したいと思っても、それができない。 この場合も、新聞は大げさに書いていますけれども、それほどのことでは実はない。本当に秘密の情報だったら、アメリカとも一生懸命やりとりをやりながら、どうやってこうするかということをしますけれども、それほどの大騒動にもなっていないという雰囲気の中で理解していただきたいと思うわけです。 それを、今みたいな形で、もしここで、こういう内容でこうだったんだというふうな話になりますと、また大騒動になって、みんながわあっとネットに参加してくる、そういうことになる世界のようでございますので。私は、さっきから言いますように、ネットのあれは余り得意でないのでわかりませんが、物すごく、関心を持たれ始めると、今まで全く無関心だったのがなかなか消えない、そういうことになるようでございますので、どうぞひとつ御理解を賜りたいと思うわけであります。

【長島委員】

納得できるわけではありませんが、これは、庁だから、省だからという問題ともまた違うと思いますので、省に今後上がっていくわけですけれども、引き続き情報の問題というのは、これだけIT社会になりましたから、どの官庁も同じでありますけれども、しかし、軍事情報というのは人の生き死にに直接かかわる問題ですから、取り扱いについては本当に気をつけていただきたいと思います。 また、国会での、情報の行政府と立法府のやりとりについては、また別途制度を本当に整備していかないと、国民の信頼にもたえられないし、国会によるシビリアンコントロールということにも実効性が上がらないので、ここは私たちの責任でこれから制度改革していきたいと思います。 それでは、通告をした問題について質疑をしたいと思います。 きょうは、せっかく外務大臣お見えですから、一つ、六カ国協議の話だけちょっと冒頭にお伺いしたいと思っています。 けさの新聞によりますと、米朝中の三カ国の非公式協議が北京で行われて、進展なく協議は終了した、北朝鮮はそこで話し合われたことを持ち帰って回答する、こういうことなんですが、実際今どういう状況になっているのか。 六者に復帰するといきなり北朝鮮が言ったときは、意外と楽観的なムードが漂っていて、年内にも六者協議が再開するんじゃないか、こう言われていたわけです。前回の外務委員会での質疑で私も外務大臣に質問させていただきまして、これは、北朝鮮が追い込まれて六者協議に参加すると言ったのか、それとも余裕の姿勢で、いろいろな戦略的計算に基づいて復帰してきたのか、そこを見きわめる必要があるというふうに申し上げたのですけれども、どうも見ていると、また時間稼ぎをしているような、しかもまた条件闘争をしているような、これは明らかに、追い込まれて六者協議に復帰しようとしているのではなくて、彼らなりの計算に基づいてやっているようなんですけれども。 これ以上私たちが振り回される必要が本当にあるのかどうか、これも含めて、今回の非公式協議の結果についての外務大臣の御評価を伺いたいと思います。

【麻生国務大臣】

けさ、金桂冠が帰国をしておりますし、ヒル国務次官補も、それぞれ本国に帰国をいたしております。 今現状として、具体的に六者会合の日程がいついつまでにという話が決まったわけではありません。ただ、長島先生もう御存じのように、私どもは、この六者協議がいつ開かれるより、六者会合の中身の方が最大の問題でして、あした開かれても、その内容が何もないのでは何の意味もありませんので、これは、協議をすることが意味があるのではなくて、協議の果実、内容が何を得られるかが最大の問題だと思っております。 したがって、今回の会合の中で、アメリカ側というのは、アメリカ、中国、日本、韓国、いろいろ打ち合わせた上で、五者の内容として、これが六者協議に復帰するときの条件というのに対して、向こう側は、核保有国としての認知を等々いろいろな話があっておりますので、最初から立場なり話が合っているわけではありません。したがって、そこのところの開きがあるというのは、最初から予想のついたところであります。 ただ、今回の場合は、国連決議の一七一八やら、また六者協議に基づく決定というのがありますので、日本は、それプラス、万景峰以下、輸出入の、いわゆるこっちに対して、物の輸入の禁止、人の出入りの禁止等々、禁じております。また、その他の国々もいろいろな制裁に参加をしておりますので、その枠は今までと違ってどんどんどんどん締まっていくのであって、ただ現状が、今までの間で、向こうがそれで時間稼ぎをするのとその枠が締まってくるのとの間の、どちらの方がより効果が大きいかというところはなかなかはかりがたいところですが、極めて厳しい状況になりつつあるのは先方も同じと思っております。 したがって、私どもは、いついつまでに開くより、状況がかなり厳しくなってきたと思って分析をいたしておりますので、その効果が、より効果をさらに高らしめるというところが大事だろうと思っておりますので、ここはちょっと辛抱強くいかないかぬところかなとは思っております。

【長島委員】

確かに、六者協議はゴールではない、そこから北の核の放棄をどうやって結論づけるかということに尽きるんだろうと思うんです。 そこで、一点確認をさせていただきたいんですけれども、私どもは、北朝鮮は六者協議に核保有国でない立場で復帰しろということを言っていて、アメリカはそれについては何も取引をしないということだというふうに理解をしていたんですが、これも新聞報道ですから、もし間違っていたら訂正をしていただきたいんですけれども、ヒル国務次官補が北朝鮮側に対して、寧辺の原子炉の核施設の凍結、IAEAの査察官の受け入れ、それから核兵器と核物質を含む核関連プログラムの誠実な申告を要求した。そして北朝鮮側は、いやいや、その前に米国が敵視政策をやめるのが筋だろう、その敵視政策というのは金融制裁あるいは国連の制裁、あるいは、もう少し善意な、核放棄の見返りのエネルギー支援など、こういうものを要求した。 こういう話は六カ国協議の中でやるのかと思っていたんですが、どうもこの非公式協議の中でこういう話をしている。ということは、六者協議に復帰する前にこういう取引をして、ある程度道筋をつけてから北朝鮮を六カ国協議に引き戻そうとしているのか。ちょっと私も認識がどっちなのかわからなくなったのですけれども、現状、どういう状況なのか、御説明いただけますか。

【麻生国務大臣】

そもそも北朝鮮の場合は、アメリカと直接交渉をしたいというのが本来の希望であります。それに対してアメリカは、過去、直接交渉したことがありますが、その結果、簡単に言えばアメリカはだまされたという意識だと存じます。これは、マデレーン・オルブライトの時代、カーターの時代、いずれもそういう結果を生んでおります、クリントンの時代を含めて、クリントンの時代にそういう記憶がありますので。したがって、それは断固避けたい。六者協議の中で二者でやるというならともかくもという話になっておるというのが、そもそも話が違ってきておると思っております。 間に立っております中国が、中国を間に入れたところで、米中朝で非公式にという話をやったのが今回交渉になっている、いろいろな経緯がその背景にある。もちろん、そういうことをやることに対しては、韓国も日本もある程度知った上での話で話が進んでおりますので、今言われたように、今三者で、いろいろ挟んで、バイでやるとだまされるため、必ず一人そこに証人が立ってという形での話が今行われつつあるところだというぐあいに理解をしておりますので、六者協議に至るということは、ある程度こちらの条件、すなわちIAEAの査察等々を認めるとか、核保有国としてはこちらが認めていないということを認める等々の条件というものを踏んだ上で出てくる形になろうというような感じがいたしております。

【長島委員】

米朝バイだとだまされてしまうから、もう一つ入れると。しかし、中国はアメリカ寄りというよりは北朝鮮寄りですから、二対一にならないことを祈るばかりなんですけれども。 いずれにしても、日本側の主張はぜひ外務大臣の方から他の五カ国にきちんと伝えて、日本だけまた置き去りにならないような、そういう方策をぜひ模索していただきたいと思います。 それから、通告いたしましたMD、ミサイルディフェンスについて、きょうは官房副長官もお見えいただいているので、これも確認をさせていただきたいと思います。 前回の安保委員会の質疑で私も質問させていただいて、前田委員も質問させていただきましたが、事の発端は、ワシントン・ポストに対する総理のインタビュー記事の中で、米国向けの可能性があるミサイルについて、ミサイルディフェンスで撃ち落とすことが集団的自衛権に当たってできないのかどうかも研究しなければならないというふうに言及されたことが発端になって、そして、塩崎官房長官がその問題について記者会見で問われて、〇三年の十二月十九日に発表された福田官房長官の談話、第三国の防衛のために日本の配備するミサイルディフェンスが用いられることはない、だから集団的自衛権の問題は生じませんといった談話との整合性について問われて、それを含めて議論しようと首相はおっしゃっているのだろう、鋭意議論していこうということだということなんです。 一点、質問は、それが技術的に可能な話であれば、もちろん、集団的自衛権をめぐる政府解釈の見直しも含めて、同盟国関係を強化するために検討していこうというのは、私はある意味で筋の通った議論だと思うんですね。しかし、防衛庁長官に何度私が食い下がって伺っても、技術的なそういう可能性は非常に薄いと。防衛庁長官は記者会見で、塩崎官房長官の発言について、どのようなことを想定しているのか意味がよくわからない、こうおっしゃっているんですね。 きょうは、官房長官御自身ではないんですけれども、官房副長官のお立場で、意味がよくわからないと防衛庁長官に指摘されている、その点についてぜひ説明をしていただきたいと思います。

【下村内閣官房副長官】

お答えいたします。 まず、安倍総理が述べられているのは、政府としては、これまでの憲法解釈や国会における議論の積み重ねを十分に尊重しつつ、大量破壊兵器やミサイルの拡散、テロとの闘いといった国際情勢の変化や武器技術の進歩、我が国の国際貢献に対する期待の高まりなどを踏まえて、日米同盟がより効果的に機能し、平和が維持されるようにするために、いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的な例に即し、よく研究してまいりたいというふうに述べたものでございまして、塩崎官房長官はこのような立場から、米国に向かうかもしれない弾道ミサイルを我が国のBMDシステムで迎撃する場合についても、今後議論していくことになろうとの考えを述べられました。 これは、一つの個別具体的な例としての研究ということでの、ある意味では理論的な考え方にのっとったものでございますし、また、武器技術の進歩という観点から、そういう理論というのは議論上も成り立つのではないかというふうに理解をしております。
〔寺田(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

【長島委員】

官房副長官、失礼ですが、防衛庁長官とこのことについてお話しされたことはありますか。

【下村内閣官房副長官】

直接お話し申し上げたことはございませんが、長官の発言は理解をしているというふうに思っております。

【長島委員】

長官の発言というのは、技術的に難しいという発言ですね。 では、技術的に難しい話を、何で今から論理的な研究をしなきゃならないんですか。その必然性、必要性をお答えください。

【下村内閣官房副長官】

現時点での技術の問題と、また技術開発、発展というのはあり得ると思いますし、理論上は、議論することについては問題ないのではないかと思います。

【長島委員】

議論をする必然性の話をしているんですよ。 私は、断っておきますけれども、こういう集団的自衛権の解釈の見直しについてはぜひやるべきだと思っています。事例研究で、MDがある、周辺事態における協力もある、いろいろな分野があるということはよくわかっています。ですから、なるほどな、そういうラインで研究を始めるんだなというふうに最初は思ったんです。 ところが、防衛庁長官に伺うと、今、日米の間で共同研究をしている、そういう技術研究をして、そして開発段階に入っている。それが九年たっても、防衛庁長官の御説明によると、例えば日本海にイージス艦を浮かべて、そしてアメリカ向けの弾道ミサイルが発射された後、ミッドコースでこれをとらえて迎撃することは技術的に、ミサイルを追っかけていくような話だから難しい、こういうふうにおっしゃっているんですよ。 そうすると、政府が今研究を論理的にしようとされる、そしてアメリカ向けの弾道ミサイルを撃ち落とすことが日本でも可能だという、その想定されているミサイルディフェンスというのは、どういうミサイルディフェンスなんですか。

【下村内閣官房副長官】

基本的に、塩崎官房長官が記者会見で発言されたことにおいても、技術発展という前提の中でのお話であるというふうに理解をしております。

【長島委員】

その技術発展にも限界があるわけですよ。人間が自動車より速く走れと言われても無理でしょう。それと同じで、どんなに技術を開発しても、論理的に難しい、科学的に難しいことはできないんですね。不可能なんですよ。 そういう不可能なことを研究の対象にするというのは、さっきの軽口という話もありましたけれども、何か勇ましいことを盛んに並べ立てて、さもできるかのように言うというのは、これは防衛庁長官、他国から見たら多少誤解を生ずる話になりますよね。長官、ぜひ答えてください。

【久間国務大】

日本に今配置しようとしておりますミサイル防衛システムでは、これは難しい。将来、技術的に高高度の迎撃ができるようなことになりましても、今言うように、日本海に置いておいたもので追っかけるというのは難しい。しかし、例えば日本のイージス艦がたまたま太平洋のハワイ近くにおって、そっちに行っているぞということでやったら、それは可能といえば可能ですよ、そういう技術が進めば。 そういう意味で、集団的自衛権の範囲をいろいろ議論するときには、こちらからのものをそういうふうに、自分の情報を自分の国のイージス艦に教えてそこで迎撃して、アメリカの手をかりなくて途中で太平洋上で落とすということは可能ですけれども、ミサイル防衛システムというのは大体迎え撃つというシステムですから、追っかけて撃つというようなことはまず考えられないわけであります。 だから、そういうことも踏まえた上で議論すること自体は構いませんが、それだと、こっちから自分の船で撃つよりも、情報を提供してアメリカが構えている船で撃つ方が現実的ですから、そういうことも踏まえながら、やはり議論を舞台に上げるなら上げてもらいたいという思いもございます。いずれにしましても、議論の種としては、それはあり得るとは思いますけれども。

【長島委員】

官邸に帰られたら、今の防衛庁長官の見解をぜひ伝えていただきたいと思うんです。 というのは、前回、まさにこの委員会で防衛庁長官と質疑をして、日本海ではなくて西太平洋にイージス艦を展開したら、あるいは九年後、技術革新によって迎撃が可能かもしれないという話は出たんですよ。 ですから、単に集団的自衛権の法律の解釈とかそういう話ではなくて、日米同盟関係というものを今後どういう戦略のもとで発展させていって、その中には、日本が、単に日本海にイージス艦を浮かべるだけではなくて、西太平洋でもアメリカ軍と一緒に活動していくような、そういうことも展望に入れた上でアメリカ向けのミサイルに対する日本の迎撃体制を整備していく、そのときに集団的自衛権の問題がどうなるか、こういう議論を展開していただかないと、言葉だけが先走って、非常にその形が見えてこない無責任な議論に聞こえるんです。ぜひそこは注意していただきたいというふうに思います。 さて、きょうは最後の機会なので、本題といいますか、防衛庁の省昇格の問題に移りたいと思います、もう時間も限られているんですけれども。 私が、前回の質疑の中で石破元長官が指摘をされた、石破委員の言葉をかりると、内幕一体、つまり、内局、背広の人たちと、幕、制服の自衛官と一体となって仕事ができるようなそういう環境をつくっていくべきではないか、現在の形がベストではない、これからの課題はそういうところにある、私も全く同感であります。 何回か前の質疑の中でも少し触れさせていただきましたが、ことしの夏に、安全保障委員会として、前委員長の浜田委員と一緒にドイツに視察に行きました。そこでドイツの国防体制についてブリーフを受ける機会がありました。大変参考になりました。一つは、この内幕一体、そういう意味でも参考になりましたし、もう一つは、私たち民主党が一番気にしている、軍隊の海外任務について議会がどういうふうにコントロールしていくか、こういう問題でありまして、ここはひとつ紹介というか、私たちが学んできた知見を委員の皆さんに、せっかくの機会なので披瀝させていただきたいんです。 ドイツ連邦軍というのは、みずから連邦議会のための軍隊というふうに銘打っているんですね。これは本当に私も、この一言は感動いたしました。冷戦後の海外派遣については、NATO域外への派遣については九四年の憲法裁判所の判決で合憲ということになりました。その後、コソボの爆撃までアメリカと一緒にドイツ軍はやったりしてきたんですけれども、そういう実績の積み重ねと同時に、制度的にもきちんとこれを議会でコントロールしていこうじゃないかということで、制度を、二〇〇五年、去年の二月に、議会関与法、そういう法律をつくって、武装した兵力が海外に派遣される場合には連邦議会に事前の承認を求める必要がある、事前の承認が必要になった、こういう法制度が確立したんですね。 それで、法律ができて、ああよかったという話ではなくて、しかも、この法律に基づいてメカニズムができていますね。そういう議会承認、政治の意思決定あるいは軍を動かしていくメカニズムが非常に詳細に決まっていて、例えば一例を申し上げると、ドイツが関与するべき国際紛争が勃発した場合に、まず安全保障会議が招集されます。これは日本と同じような閣僚の安全保障会議。そして、官邸を中心に、国防省、外務省など政治レベルの意思決定のメカニズムがそこからスタートするわけですけれども、同時に、連邦軍総監のもとにある統合作戦司令部を中心に、その作戦に係る予算、人員の確保、派遣の期限、規模、そういうものの作戦計画が同時に練り上げられ始めるわけですね。そして、直ちに連邦議会の国防委員会及び外交委員会にこの議案が諮られるんです。そして、少なくとも三回の委員会審議を行うようになっておりまして、そして、その委員会の結果、連邦議会が承認をして初めて派遣命令が下される。非常に、意思決定のメカニズム、計画策定のメカニズムが同時に動きながら、最後に議会の承認という形で結実をする。例えばこの前のレバノンの国際部隊への連邦軍の派遣については、計画策定から議会承認まで四週間かかって、その四週間の中にちゃんと連邦議会での委員会質疑というのが行われて、情報公開もきちんとなされている。 これは本当に、これから本来任務化されていく国際平和協力活動ですけれども、こういうメカニズムを行政府、立法府共同で、与野党なく私たちはこれからつくっていかなきゃいけないという、これが一点です。 それから、もう一つ私がドイツで感動したのは、内幕一体なんです。 このドイツの組織は、皆さんも御存じだと思いますけれども、日本と同じように、内局と連邦軍の総監部というのがあるんです。連邦軍総監部、ここがいわゆる軍令、内局が軍政、そういう形のすみ分けがなっているわけですけれども、内局には、人事・厚生・総務局、それから管理・インフラ・環境保護局、法務局、予算局、装備総局、これが内局なんです。ところが、連邦軍総監部に七つの局があって、第一局が人事・教育、第二局が軍事情報、第三局が防衛政策・軍備管理、第四局が兵たん、第五局が作戦、第六局が計画、第七局が組織・指揮支援、ここに制服とシビリアンの背広の人たちがまさにベストミックスで、この連邦総監部の今言ったような実質的な軍令にかかわる分野を共有して一緒に仕事をしているんですね。日本の場合はそういうふうにはまだなっていない。 こういう状況をこれからどうやってつくっていくかという意味で、御質問申し上げたいのは、平成十六年に石破委員が防衛庁長官をなさっていたときに、いわゆる石破改革というのをやった。一昨日の石破委員の質問を聞いていると、なかなかその改革にはまだ納得しておられないようなところがあるので、私もちょっとそこをフォローアップしていきたいと思うんです。 防衛白書を見ると、防衛庁長官を補佐する機関に内局と統幕、統幕はことしから統合運用が強化されましたので、内局と統幕が車の両輪だというような記述で書かれているんですね。この前の参考人のときの富井参考人の話でも、文官と武官が協同して共存していくためにこういうことが必要なんだ、こういうことなんですけれども、それに加えて、もう一つの補佐機関がありますね。これが防衛参事官という制度です。この三つの機関の分掌がちょっとあいまいなんです。 法律を見るとよくわかるんですけれども、設置法の第九条に「防衛庁に、防衛参事官を置く。」これは内局の上に置くということですね。内局に超然とする形で防衛参事官というのを想定していますね。そして、その二条後の十一条の三項に、今度は内局の「官房長及び局長は、防衛参事官をもつて充てる。」というふうになっているんですね。 この前の質疑で、たしか西川官房長がお答えをいただいたように、防衛参事官というのは専属的な所掌事務を持たずにフリーに長官を大所高所から補佐していく、だから必要なんだと。でも、所掌を持っているじゃないですか。官房長及び局長、四局あって四局長でしょう。この論理矛盾は甚だしいと思うんですよね。ここをどういうふうに説明されるんでしょうか。

【久間国務大】

防衛庁長官を補佐する者として防衛参事官を置くという形で、防衛庁長官を参事官で取り囲むような、そういうことでスタートしたわけであります。 ところが、やはり組織ですから局がある、だから局長に参事官をもって充てるというふうになっておるわけですが、これは防衛参事官をもって補佐するというふうな、それをそのままやるのがいいのかどうかという問題と、それから、各局長を参事官をもって充てるという形で、制服は充てられないというふうに逆に読めるわけですよね。それがいいのかどうかというのを、私が前の長官のときに、特にあの当時は教育訓練局というのがあったんですよ、今は名前が大分変わりましたけれども、教育訓練局長は制服の方が、教育の実際の指揮者としてはいいんじゃないかと思ったんですけれども、参事官制度があって、しかも参事官をもって充てるという十一条があるためにできなかった。それを変えようと思うと、ほかの法律を一生懸命国会にお願いしているときに、そういうことはもう間に合わないので、結局あきらめた経緯があります。 だから、これから先、防衛庁が省になった後に、戦後でき上がった今の組織がそのままでいいのかどうかを、議会も含めていろいろと検討してもらいたいなという思いはございます。 そしてもう一つは、今までは、議会にかけますとなかなか、逆に混乱するものだから遠慮していた点もありますけれども、先ほど言われましたように、これはだれが政権をとろうとも、どちらがとろうとも、与党、野党関係なく、国防の問題というか、こういう安全の問題については、もう本当にそういうのを抜きにして、国益に何が合致するのか、そういう観点から本当に議論していただく必要があろうかと思うんです。 そのとき一番困るのは、日本の場合は二院制で、衆議院だったらこうだけれども参議院だったら違うとか、そうなったときに、国会の承認といったら両方とらなきゃならないんですよ。ところが、政府というのは大体衆議院でもっているわけですね、衆議院が過半数をとれなかったら政府そのものが成り立たぬわけですから。政府がやらなきゃならぬと判断して、衆議院がよし、やるべきだとなったときでも、参議院で反対になったら何もできない。そういうところから、国会での承認というのがどうなのか。不承認を得たときはとなればいいと思いますけれども、そういう問題も含めて、これから先やはり議論を本当にしていただきたいなと思っております。

【長島委員】

元長官も現長官も、この制度については変える必要があるというふうに感じておられる。ほかの法案があるからエネルギーを割かれてしまう、これもよくわかりますが、次の課題は私はここだと思うんですね。 しかも、九条と十一条がこうやって並列で書いてあるところを見ると、しかも「防衛参事官の定数は、政令で定める。」と。今は十から八になったんですね。八というのは非常に微妙な数字で、官房長がおられる、それから四局長がおられる、五ですね。残り三なんですね。残り三を陸海空で出したらどうですか。その方がよほどこの制度に合致した改定だと私は思いますが、いかがですか。

【木村委員長】

防衛庁西川長官官房長、時間が来ておりますので、簡潔に願います。

【西川政府参考人】

先ほど先生、その前の問題のところで論理矛盾的なところというお話がございましたけれども、そこのところ、いわゆる参事官として助言機能というのがございます。その場合には、自分の所掌を離れた形で言ってください、こういうことを我々は期待しているところで、まずはそういう趣旨でございます。 現実に、例えば人事教育局長に、この間ちょっと言葉足らずで失礼しましたが、マンパワーの検討なんかを言っておりましたが、現在、防衛庁の人的側面についての抜本的改革に関する検討で、広くいろいろな分掌にわたるものを、いわゆる局長の域を超えたところの部分を参事官としての仕事としてやってもらう、そういう格好のものをやっておるところが一つございます。 今先生御指摘の後段の方の、三つに分けてということの話でございますが、参事官につきましては、長官の指示によりまして、現在、例えば国際とかございますが、無任所で三名、そこは制服、これもちょっと別の議論がございますが、今は我々そういうことを考えず、今はITとかそういう格好の必要性を認めてやっておるところでございまして、直ちに変えるということでは今考えてはおりません。

【木村委員長】

長島昭久君、簡潔に願います。

【長島委員】

これは法律ですから、私たちで議論して変えていくという結論を得れば、これは変わるんですね。必ずしも局長が充て職でやる必要もないと思いますので、政治任用をここに入れる、そういうアイデアもあると思います。 これは本当に長官、省になっても抜本的な、それは内局のポストで残しておくというような発想ではいけないんだと私は思いますので、よりよい国防体制というものを築いていくために、これは立法府、与野党なく議論して、いい法律をつくりますので、ぜひ執行をよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。

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