長島昭久|活動報告

2018年11月16日11:21-11:32
【衆議院 安全保障委員会】

■防衛計画の大綱の改訂作業は、国際的な安全保障環境に対応できているか。


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2018/11/16衆議院 安全保障委員会 質疑要旨


 現在、作業が進められている防衛大綱は、国際的な安全保障環境が急速に変化を遂げているにもかかわらずそのベースとなっている「安全保障戦略」を見直さずに進められていることの問題点を質した。岩屋防衛大臣は、長島が指摘した具体的な事実を認めながらも、戦略の見直しには着手していない事実の釈明に追われた。


 長島が、この5年間の国際情勢の変化は激しさからは、装備品の更新や既存の装備体系を量的に拡大だけでは対応しきれない、「質的な変化」が顕著になっている事実を厳しく指摘した。改めて大綱の見直しの前提として、国家安全保障戦略の見直しの必要性を訴えた。岩屋大臣は、長島の指摘をすべて認めながらも、既定路線を繰り返す答弁に終始した。 続けて、長島は、アメリカで昨年12月に国家安全保障戦略が現下の国際情勢を、「大国間の競争」と規定し、中国とロシアを「既存の国際秩序に対し挑戦を試みる修正主義国家」と明言した事実を踏まえるべきことを強調した。とりわけ、米中関係を「新冷戦」にたとえたペンス演説やチャーチルの「鉄のカーテン」演説、レーガンの「悪の帝国」演説を例に、軍事のみならず、経済、情報、文化、統治形態など、あらゆる分野にわたり、米中両国は相いれないと宣言している事実に対する認識を問う。米ソ冷戦では欧州が正面であったが、今回の米中新冷戦ではアジア太平洋・インド太平洋が正面であり、とりわけ、日本と台湾が最前線になることの覚悟を防衛大臣に迫った。
 アメリカが出した国際秩序観を共有するかについてたたみかけると、岩屋大臣は、「難しい質問だ」として直接の答弁を避け、積極的平和主義を持ち出さざるを得なかった。


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岩屋毅 防衛大臣




 さらに、長島は、中国の軍事拡張路線の質的変化を捉え、尖閣周辺への中国公船が継続的に接続水域内に侵入を繰り返しているが、この公船が従来の国務院の管理下にあった「海警局」(我が国の海保に相当)から、人民解放軍の指揮下に入った事実や南シナ海に建設した人工島が軍事拠点として、太平洋に進出している例を挙げ、重大な質的変化が起きている現実を突きつけ、国家安全保障戦略を見直す具体的な根拠を示した。防衛大綱・中期防が単なる買い物リストの更新にならないよう、改めて国家安全保障戦略を修正するよう政府に求めた。