長島昭久|活動報告

2019年3月28日16:45-17:10
【衆議院 安全保障委員会】

■米中貿易戦争と日本の安全保障について


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3月28日衆議院 安全保障委員会 質疑要旨(スタッフ編集)

 米中の新冷戦とも言われている昨今の米中貿易戦争のなかで、特に両国の懸案となっているのは、次世代移動通信(5G)技術を始めとする情報通信インフラをめぐる覇権争いである。中国の情報インフラ分野での技術発展が目覚ましく、大手の華為技術(ファーウェイ)などは既に米国を追い抜いて世界最先端の技術を持つとされている。かつ、他国企業よりも製品が安価で、既に日本、欧米諸国はじめ世界中で広く使用されている。


 ところが、中国製品は従来から様々な問題点が指摘されてきたが、加えて米国など欧米諸国が問題視したのは、昨年6月に中国において「国家情報法」が定められたことである。同法は、効率的な国家情報体制の整備を目的に掲げ「いかなる組織及び個人も、国の情報活動に協力する義務を有する」(第7条)と明記されている。つまり、中国企業の製品を介して、情報収集が行われ、それが中国政府に提供される危険性があるということだ。
 これを受け、米国では警戒感が強まり、さっそく中国の通信大手の複数社の製品を政府機関での調達・使用を禁止する法律が定められた。米国は並行して同盟国やEU諸国にも、特定の中国企業の製品を排除するように求めている。EUでも警戒感が広まっており、温度差はあるが各国で対策が打ち出されている。
 そこで、我が国の独自のサプライ・チェーンリスクへの対策がどうなっているかを外務・防衛両大臣並びに担当省庁に質した。


 まず、サイバーセキュリティを所管する総務省の担当者より説明があり、「我が国では、昨年7月に閣議決定をした新たな「サイバーセキュリティ戦略」に基づいて、政府機関が調達する各種の機器に関して事前に評価をし、そこで懸念が認められる場合には、その機器は採用せずに代替の機器を探すことで関係省庁で申し合わせている」という報告がなされた。


 次に、防衛大臣に対して、兵站・ロジスティクスのなかで、民間の通信ネットワークを利用する際や、PKO等で国外で活動をする場合での通信の安全性について質した。
 岩屋防衛大臣よりは、「調達の段階での最大限の対策を講じるが、なるべく自衛隊内の通信の暗号化を高め、クローズドなシステムを使用することにしている。加えて、海外での活動の際には日本製品を持ち込んで使用するなど、万全の対策を取っていきたい。」との答弁があった。


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 また、外務大臣に対しては、安倍総理のダボス会議での「データ・ガバナンス」に関する演説内容について質した。
 総理が「信頼に基づくデータ流通」を演説内で提言していたが、これを実現するためには、少なくとも日本・アメリカ・ヨーロッパでの技術共有やルール作りが必要である。6月にG20が大阪で開催されるが、データのフリーフローを安全に実施にするために、ぜひ河野外務大臣にその場でリーダーシップを発揮していただきたいと求めた。
 河野外務大臣からは、「透明性が高く、公正で互恵性が高いルール作りを、なるべく多くの国を巻き込んでやっていく必要がある。G20の場はまさに良い機会になると考えているので、努力して参りたい。」との答弁があった。
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質疑の録画映像はコチラからご覧いただけます。