長島フォーラム21

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国会質疑

2008年4月22日

【会議録】衆議院決算行政監視委員会

【横光主査】

これより決算行政監視委員会第二分科会を開会いたします。
 平成十八年度決算外二件中、本日は、文部科学省所管、総務省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。
 昨日に引き続き、文部科学省所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。長島昭久君。

【長島分科員】

民主党の長島昭久です。
 きょうは渡海文部大臣と教育問題につきまして考えていきたいというふうに思っております。
 渡海大臣、御就任なさってから半年が過ぎたわけでありますが、教育は言うまでもなく国家百年の大計でありまして、資源の乏しい我が国のような国は、何と言っても人材の質がその国を支えていくすべてでございまして、そういう意味では、まさにイギリスのブレア前首相が言ったように、我が国にとっても政策の柱は三つ、一に教育、二に教育、三に教育だ、こういうふうに思わせていただいております。
 そういう中で、昨今、教育現場が大変な混乱を来しておりまして、私も地元でいろいろな方とお話をさせていただいておりますけれども、もちろん、年金を心配されている方、医療を心配されている方、いらっしゃいますけれども、何といっても教育の問題が多くの皆さんの関心の的になっている、こういうことであります。
 幾つか具体的に挙げますと、学力の低下、あるいは、昔もいじめというのはありましたけれども、最近はさらに陰湿化したいじめが蔓延をしている。それと同時に、家庭の教育力も落ちてきているんじゃないか、こういうことで、私は、公教育、義務教育に対する国民の期待、逆に言うと不安というものは非常に高まっている、こういうふうに思います。
 就任から六カ月を過ぎたわけでありますけれども、この間、教育の現場を大臣はどのくらいごらんになってこられたか、その教育の現場を歩かれて、どんな御感想、御所感をお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。

【渡海国務大臣】

今長島委員が御指摘をいただきましたように、教育の問題というのはまさに本当に国家百年の大計でございまして、日本にある唯一の資源が人間でございますから、そういった意味で、毎日身の引き締まる思いで仕事をさせていただいておる、そういう状況でございます。
 現場というお話がございました。できるだけ現場に出向いていってということを、これは福田内閣共通の課題でございますが、総理みずからおっしゃっておりまして、我々も、国民対話そしてさまざまな現場の視察等を行っているところでございます。
 どれぐらいと言われますと、国会中は余り出られませんので、近場を何とかというふうな感じでございますが、これまで、例えばスーパーハイスクールをやっている郡山の高校、それからまた放課後子ども教室、これをやっている岡山県と香川県の現場とか、少しは出向いて現場も視察をさせていただきました。都内では、コミュニティースクールとはちょっと違うんですけれども、学校運営協議会、少し形は違うようですが、その現場にも出向いてまいりました。中高一貫校、これの現場も見てまいりました。それ以外にも、科学技術も担当いたしておりますから、そういった現場にも行ったわけでございます。
 やはり、私は、最近行っているのは、行く現場はみんなうまくいっているんですね。これじゃ正直余り参考にならないなという感じも持っております。ただ、うまくやれば非常に制度はうまく回るんだというのが実感でございまして、そういった現場の視察の体験をもとに、そういった制度はあるわけでございますから、制度がよりうまく回るためには一体何が必要なのかということをきっちりととらえて、そして、それが日本全国に広まっていくように頑張っていきたいというふうに思っております。これからも機会があれば、できるだけ現場主義、それも、問題があると言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、少しいろいろな話が聞ける、そういうところへ行きたいと思っています。
 一点感じましたのは、実は就任をする前は、学校の先生が忙しいという実感というものを正直私は余り持っておりませんでした。これは正直に申し上げます。ただ、実際の現場へ行って、主に父兄の皆さんとか、こういった先生以外から実はヒアリングすることによって、いや、先生は実にこういうことで忙しいんだよというふうな、そういうお話をいっぱい聞きまして、我々が日ごろから言っている子供と向き合う時間、これを確保するためにやはりこれからも頑張っていかなきゃいけないな、そんな思いで今仕事をやらせていただいております。

【長島分科員】

まさに今大臣がおっしゃった、行かれた学校は大体問題のない学校だった、こういうお話でありました。  私も、去年の暮れからなんですけれども、実は、自分の選挙区でなるべく現場を歩くように努力をさせていただいております。そうしますと、やはり、語弊があるかもしれませんけれども、文部科学省の官僚の皆さんがおぜん立てをして、大臣がいらっしゃるのですべてを整えてからお迎えするというのではなくて、できれば大臣の感覚で抜き打ちで学校を訪問するというか、そういうこともしていただければなと思います。
 といいますのは、私も校長先生とお話をしたり一般の先生方とお話をさせていただいたり、あるいは保護者の皆さん、PTAの役員の方、あるいは最近は、後でも触れますけれども、放課後子どもプランを担っている地域の皆さん、そういう方々とお話をさせていただくにつけ、非常に現場の大変さ、そして、先ほど先生方が忙しいというお話が出ていましたけれども、その忙しい先生を、地域の有志の皆さんがそれぞれ生業がある中、あいた時間を使って何とかやりくりしながら、地域ぐるみで学校の子供たちを育てていこう、そういう試みが全国で広がっている、このように思います。
 教育政策というのは非常に難しいんですよね。今ここで議論していて、それじゃ実施に移そうとするのに、恐らく議論して実施までに数年かかる。そして実施してから現場で効果があらわれてくるのにまた数年かかる。小さい子供は成長が早いですから、その間に小学校に入学した子供はもう大学に行っちゃうというような、そういう時間軸というのが非常にありまして、その間に対策がなかなか打てずに後手後手に回ってしまうということが起きている。私は、そこを何とかスピーディーに、いい、先ほど大臣もおっしゃいました、すばらしい事例はどんどん全国に展開をしていって、なるべく全国が、画一化教育ではありません、成功している例を全国に示しながら、刺激をある意味与えて、心ある先生方が新しい教育の取り組みに着手できるような、そういう環境づくりをしていただきたいと思うんです。
 つたない経験ですけれども、私が自分の地域を回ってみて感ずるのは、一つは担い手としての人材ですよ。そういう地域ぐるみで子供たちを育てていこうという意識はかなり浸透していますけれども、そういうものを担っていく人材をどうやって確保していくか、あるいはどうやって養成していくか、それが一つ。それからもう一つは、やはり経済的な支援が欠かせないと思うんですけれども、この担い手としての人材をどう確保していくか。
 そして、それと同時に、そういう学校を運営する、先ほど学校運営協議会のお話が出ました。これからその話も深めていきたいと思いますけれども、学校運営協議会に携わる皆さんをサポートするような財政的な支援のあり方について、今大臣がどんな構想といいますか所見を持っておられるか、お伺いしたいと思います。

【渡海国務大臣】

運営協議会もそうでございますが、今年度から学校支援地域本部というものの新たなメニューを用意いたしました。初年度、全国千八百カ所ぐらい、これはすべての市町村にまず一つということを考えておるわけでございます。
 これにつきましては、コーディネーター、いろいろな、例えば学校の先生、そして学校の先生の要望を吸収して地域の方々を束ねていくといいますか、こういった方々をちゃんと用意するといったための謝金といいますか、そういったものが出るような仕組み、そしてまた、人材をどういうふうに供給していくかといったようなことにつきましては、やはり一つは、経験のある退職教員なのか、こういう方々が大きな役割を果たしていただけるんじゃないか。子供を扱った経験もあります。そして、地域の方々とのコミュニケーションも日ごろからよく図れるといった、こういう方々の登用というものも考えられる。
 それぞれの地域によって事情が違うと思いますが、いろいろなアイデアを出していただき、しかし、大事なことはやはり核となるコーディネーター、こういう方々がしっかりといていただく、その必要を我々は感じておりまして、そういう方々を配置していくための予算といいますか、そういうものを、ことし、全体で五十億だったと思いますけれども、用意をさせていただいて、これをスタートに全国の中学校区に、一万ぐらいになると思いますが、将来は展開をしていきたいというふうに今考えているところでございます。
 人材については、いろいろな形が考えられると思います。それは、今後の進捗状況を見ながら、また我々も、アイデアを出していただく、また情報もいただきながら、状況を見ながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。

【長島分科員】

確かに、退職されたまだ元気な先生方、まだまだ子供たちに対して愛情も、そして教育に対する情熱も持っている先生方を大いに活用していただきたい、こういうふうに思います。
 それから、私の地元で、青年会議所の諸君が随分頑張っていまして、シビック・ティーチャー・バンクというのを、市民の中で、社会人の経験も豊かでリタイアされたいわゆる団塊の世代の皆さんがたくさんいらっしゃいます。二〇〇七年からどんどん地域に出ていかれています。そういう方々を、ある種バンクのようにしてプールしておいて、登録して、そして学校に派遣してゲスト・ティーチャーズ・プログラムみたいなものを運営しているんですね。
 私も、校長先生の話を伺うにつけて、学校で、座学で、例えば若い先生が子供たちを前にして教えられる、知識はある程度教科書に沿って教えられるわけですけれども、社会経験とか人生経験とかというのはやはりなかなか限界がある。私、校長先生のこの言葉がすごく印象的なんですけれども、学校で子供たちを全部面倒を見る時代はもう終わりました、もっと地域でどんどんかかわってもらわないと子育て、教育なんてできませんよ、こういうお話をされました。
 これは別に、校長先生がギブアップしているという話ではなくて、やはりいろいろな角度から子供たちを刺激してあげて、そして無限の可能性を引き出していく、こういう現場づくりというのが私は必要だというふうに思います。
 先ほど、大臣も、これからそういう助成といいますか、財政的な支援に含みを持たせる御発言をいただいたんですけれども、ぜひ、地元の教育委員会とよく御相談をいただいて、こういう意欲的な取り組みをしているところに対する助成もあわせて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【渡海国務大臣】

地域の力というのは大変必要だと思います。
 私も、実は、横浜の青葉台へ行きまして、地域のさまざまな校区から集まっておられる、学校を支援されている御父兄とお話を、座談会をさせていただいたことがございます。そのときに、やはり大事なことは、そういう情熱を持った人がいっぱいいるわけですから、そういう方々が活動できる基盤をつくっていくということだと感じました。
 これまではそういう仕組みがなかったわけでありますから、皆さん、いろいろなところへ寄附をお願いしたり、それから、みんなで会費を集めたりして自主的にやっていただいているんですね。そういう方々を支援できる仕組み、これは地域支援本部もその一つだと思いますが、今後、そういった今のような観点を常に念頭に置きながら、いろいろな支援策を考えて、地域が一体となった、よく学校、家庭、地域、この三つが核だと言われますが、そういった教育政策が展開できるように我々も努力をしていきたいというふうに考えます。

【長島分科員】

今大臣がおっしゃった学校、家庭、地域、私も全く賛成でありまして、その中でも、学校も家庭も地域の中にあるわけですから、そういう意味でいうと、やはり地域の力が非常に重要だ、その地域の力を引き出していくまさに本部が学校になっていくんだろうな、こういうふうに思うんですね。
 そういう意味でいうと、何となく、学校開放とかいって学校がもったいぶって校庭を開放することが美徳のような印象を今まで受けていましたけれども、しかし、学校も地域の持ち物の一つでありますから、学校を使って地域を活性化させていく、そういう一つのツールに学校がなっていったら、これはまた子供たちに対する教育にとっても非常に有意義だというふうに思います。
 先ほど大臣が、予算の話をしていただきました。コミュニティースクールに話を移したいと思いますけれども、コミュニティースクールというのは、必要条件として、学校運営協議会というものを設置するということになっています。
 先ほど大臣から、地域支援本部というまた先進的な取り組みのお話もございました。同時に、既に、これは平成十二年からですけれども学校評議員制度というのができておりますね。ちょっと現場に行くと、PTAもある、学校運営協議会もこれからつくろうという、学校評議員制度もある、今度は地域支援本部だ。何か組織ばかりつくって、どれがどういう絡みになっているのか、なかなか学校の中で整理がついていないところが地域によってあるんですね。
 これは事務方の方でも結構なんですが、それぞれの機能についてどういう仕分けを文部科学省としてされているのか。そして、これからの方向性として、これは大臣で結構なんですけれども、どういう部分を主に力を入れていこうとされているのか。少しその辺のところ、これはインターネットを通じて学校関係者もまた国民の皆さんも見ておりますので、整理をしていただければありがたいと思います。

【金森政府参考人】

お答えを申し上げます。
 まず、学校評議員でございますけれども、学校評議員と申しますのは、校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べるものでございまして、校長や教育委員会の学校運営に関して直接関与したり拘束力のある決定を行ったりするものではなく、また、個人として意見を述べるものでございます。
 これに対しまして、学校運営協議会は、学校運営や教職員人事について関与する一定の権限を付与されているものでございまして、校長は学校運営協議会が承認する基本的な方針に従って学校運営を実施することになるなど、校長の学校運営を一定程度拘束する決定を行うことができる合議制の機関でございます。
 このように、学校運営協議会は学校評議員をさらに発展させた仕組みととらえることができると考えております。
 なお、これらの制度を採用するか否かにつきましては、各学校の状況や地域の実情に応じて教育委員会が判断をすることになっております。

【長島分科員】

大臣、その後もう一つ質問を加えてお伺いしたいんですけれども、今おっしゃったように、学校運営協議会というのは今までにないタイプの組織なんですね。といいますのは、校長先生を初めとする学校側をある程度拘束する、教師の採用とかあるいは任用、こういうものに対して一定程度拘束力のある意見を述べることができる、学校側はそれをまた尊重する、こういう仕組みになっていますので、これは非常に今までとは次元の違う組織だというふうに思うんです。
 こういうものを備えた学校をいわゆるコミュニティースクールと呼ぼう、こういうことで、今全国展開が始まっております。平成十四年、学校運営協議会をある意味でバックアップするために、実践研究校といいますか、最初は七地域九校をピックアップして、そこからコミュニティースクールの試みを始めたというふうに私は認識しておりますけれども、最初の平成十四年度の実践研究に対する支援の予算額というのは三百二十八万四千円と、九校で三百万以上の予算をつけているんです。
 これがどんどん広がっていくわけですね。手元にある資料では、平成十七年の四月からでありますが、コミュニティースクール十七校、翌年十八年が五十一校、その翌年が百九十六校、そして、ことし二月一日現在で二百九十六校、そして、今後五百校を超えるコミュニティースクールを全国に展開していこう。私はこれは大変すばらしい試みだというふうに思いますし、私たち民主党も、地域再生、教育再生の切り札がこのコミュニティースクールだということで、数年前からこの推進をうたってまいりました。
 ところが、さっき大臣がお触れいただいた支援のための予算が、だんだんコミュニティースクールがふえていくにつれてふえていっているのかと思ったら、今申し上げたように十四年度で三百二十八万、十五年度が二百九十三万、十六年度が二百五十一万、そして十七年度が六十万、十八年度が三十万、そして十九年度が二十二万、ことしは予算ベースですけれども五十万。
 これは、大臣、促進しているのか、何かだんだん衰退していくのかよくわからないんですけれども、この辺の予算の使い方、どのようにお考えになっておるんでしょうか。

【金森政府参考人】

少し御説明をさせていただきたいと存じますが、新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究事業、これは学校の管理運営の改善に資する実証的資料を得るとともに、中央教育審議会における新しいタイプの学校の検討に資するために、平成十四年度から三年間行ったものでございます。この事業におけます一校当たりの平均予算額は、今御指摘のあったとおりでございます。
 また、平成十六年九月に学校運営協議会制度が創設されましたことを受けて、平成十七年度からはこの制度が円滑かつ効果的に実施され、新しいタイプの学校運営が着実に推進されるように、コミュニティ・スクール推進事業を実施してきているところでございます。この事業における一校当たりの平均予算額、これも先ほど御指摘のあったとおりでございますが、この新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究の予算額と、それからコミュニティ・スクール推進事業の予算額が大きく異なっておりますのは、新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究におきましては、協議会の運営にかかる経費のほかに、外部講師の招聘や教材の作成などの教育活動にかかる経費を盛り込んでいたためでございます。
 なお、委嘱を受けた学校の数で申しますと、新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究におきましては、十四年度、十五年度、十六年度とも各九校委嘱を受けておりましたが、コミュニティ・スクール推進事業におきましては、十七年度七十校、十八年度百三十三校、十九年度は百七十一校というふうに、委嘱を受けている学校もふえているところでございます。

【長島分科員】

今の局長の御説明は、要するに、無から有を生じさせる最初の試みというのはいろいろな意味でエネルギーがかかるから、そこにはちょっと厚目に支援をしてあげよう、そして軌道に乗ったらそれはだんだんと削減していこう、こういう御趣旨のように承ったんですけれども、小学校区で二万あるわけですよね、今これはまだ五百校に満たない、こういうことでありますので、これからどんどんふやしていくのに、こういうインセンティブで本当に大丈夫なのかなという気がいたします、正直言って。
 大臣の構想としては、これは一部の地域、一部の学校にとどまらず、やはりこういういい試みというのは、これから何年かたって検証も必要だと思いますよ。いろいろな弊害も出てくるかもしれない。しかし、今のところ、これで地域も活性化されている。例えば三鷹市なんかはこれで何か犯罪率も下がったなんというデータもあるぐらいで、地域ぐるみで子供を育てていくコミュニティースクールの試みというのを、これから、大臣として、今二万ある小学校区の中でどのくらい数値目標として目指していこうとされているのか、全部に展開していこうとされているのか、その意気込みをぜひ伺いたいと思います。

【渡海国務大臣】

意気込みとしては、これはいい試みでございますから、全国展開をできるだけ促進したいという意気込みがございます。  ただ、偉そうに言えないのは、私の地元の兵庫県はまだゼロなんですね。これは要因が違いますね。私は今、せめて自分の地元だけでも何とかということで推進はいたしておりますが、地域の実情によって随分差がある。例えば、私の記憶が正しければ、神奈川県あたりは随分今ふえてきている、それから、島根県はかなりこれは推進していただいているんじゃないかなというふうに思います。物すごく差があると思うんですね、都道府県で。ですから、これは都道府県教育委員会の意気込みというものもあるんでしょうし、兵庫県の実情というのを事細かにはここではお話しいたしませんが、単にお金だけの問題ではなくて、やはりさまざまな問題があるなと思っております。
 ですから、今の我々のやり方として、一番できることは、できるだけこういったいい制度があるんだからということをいろいろな機会を使ってやはり広報、発信をしていくということ、また、これは国会議員の先生方にもお力をおかりして、せめて自分の地元でできるだけこれを進めていただきたいということを呼びかけていくことかなと。
 ただ、その足元が、兵庫県がゼロでございますから、ちょっと言いにくいところもあるんですが、何がどう悪いのかということはしっかりと見きわめて、そして、やはりいい試みでございますから、できるだけ全国展開ということに向けて、数値目標を持つというのはなかなか難しいわけでありますけれども、そういった気持ちで展開を推し進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

【長島分科員】

実は、私の選挙区もまだゼロなんですよ。たしか、昭島、日野というところで、日野がこれから始まるところなんでありますけれども、大臣もぜひ地元で普及していただきたいと思います。
 私は、文部科学省のこのパンフレットを拝見しますと、やはり地域的な偏りがあるんですね。これはやはり地域の指導者、市長さんや首長さん、あるいは教育長さん、そういう方々の指導力だと思うんですけれども、京都、島根、東京は学校数が多いですからあれですけれども、そこが突出して多いんですね。  これからやっていく上で、これは不公平になっちゃいけないんですね。いいところはどんどんよくなるけれども、しかしそういう意識が余りない、あるいは地域の人材も余り集まらない、こういうところがどんどんおくれていく。
 これからは学校選択制というものも恐らく普及していくことになると思いますので、やはり保護者の皆さんが学校間格差というものをかなり気にされてきているんです、最近は。そういう中で、こういうコミュニティースクールの要素をきちんと備えた学校とそうでない学校、もちろんそんなものを全部文部科学省が中央で縛りつけるというのは地域主権、地方分権の考え方に逆行しておりますので、そういうことはもちろん私はナンセンスだと思いますけれども、しかし、先ほどちょっと大臣もお触れになりました、いいところの実践というものを全国展開できるような工夫を、そういう環境整備にこそ、文部科学省が力を割いていっていただきたいというふうに思いますよ。
 そういう点で、さっきの助成、文部科学省による助成はだんだん下がってしまっているんですけれども、それ以外に、このコミュニティースクールを本気で全国展開していこう、学校間の格差をなくしていこう、そういうことを達成するために文部科学省としてどんな具体的な方策を考えておられるのか、あるいは既にもう実践しておられるのか、このことを最後に伺っておきたいと思います。

【金森政府参考人】

お答えを申し上げます。  コミュニティースクールが着実に推進されるための施策といたしましては、先ほど御説明申し上げましたコミュニティ・スクール推進事業のほかに、例えばコミュニティ・スクール推進フォーラムというのを開催いたしております。
 これは、保護者や地域住民、学校、教育委員会関係者などを対象としたフォーラムを開催することによりまして、コミュニティースクール、学校運営協議会制度についての理解を促進いたしますとともに、研究協議を通じて、その効果的な運用に向けた取り組みを推進しようというものでございまして、昨年度全国三会場で開催いたしておりましたが、今年度は全国五会場で開催をいたしたいと思っております。
 また、コミュニティースクールについての実践的な事例集も発行をいたしているところでございます。
 さらに、成果につきまして、検証委員会というのも開催をいたしまして、コミュニティースクールで得られた成果について検証することを通じ、今後の推進方策につなげていきたいと考えているところでございます。

【長島分科員】

もう時間がなくなってしまいました。
 私は、きょうはコミュニティースクールの話にあわせて、NPO法人立の学校のあり方についても質疑をしようと思っていたんですけれども、これはぜひ次回、文部科学委員会で大臣に質疑をさせていただきたいと思います。
 質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。