長島フォーラム21

Menu

国会質疑

2008年10月17日

【会議録】衆議院安全保障委員会

【深谷委員長】

この際、長島昭久君から関連質疑の申し出があります。渡辺君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長島昭久君。

【長島委員】

民主党の長島昭久です。  昨年のこの委員会の質疑に引き続いてまた質疑の機会を与えていただきまして、大変感謝をしております。  昨年の委員会でもこう申し上げました。この委員会が議論すべきことというのは、単に補給活動を継続するのかしないのか、補給活動に賛成するのか反対するのか、こういう単純な問題ではなくて、もっと本質的な議論をすべき委員会だというふうに私は思っています。  私の問題関心を申し上げます。まず第一番目は、このテロの時代、テロリストの時代、こういう特異な時代にあって我が国の安全保障をどのように確保していくか、これが第一番目。第二番目は、テロとの闘いということで、世界じゅうの国々が今連帯をしております。アフガニスタンには四十カ国以上の国々が兵士を送り、あるいは民間の方々を送り、五万人以上の方が展開をし、そして、もう既に九百人以上の方が犠牲になっておられる。こういう国際的なテロとの闘いにおける連帯において、我が国がどういう役割を果たすべきか、私はこの二点だというふうに思っております。  麻生総理、麻生総理の問題関心と、私が今申し上げた二つの問題関心が共有できるかどうか、一言コメントいただきたいと思います。

【麻生内閣総理大臣】

極めて似た、共有を持っていると思います。

【長島委員】

ですから、総理、ぜひこの本質論を、これから四十分という短い時間でありますけれども闘わせていきたいというふうに思いますので、ぜひ逃げずに、本質論から逃げないでお答えをいただきたい、このように思います。  補給の継続ということだけで本当にいいのかというのが、実は私の問題関心なんです。補給がいいか悪いかということについてはさまざまな意見があると思います。私たち民主党の中にも、実はさまざまな意見があります。野党の中にも、当然さまざまな意見を持っている方がおります。しかし、きょう私が問題提起をさせていただきたいのは、先ほど申し上げた二点であります。  にもかかわらず、総理、この一年間、去年の質疑からことしの質疑、今の質疑にかけてのこの一年間に、国際情勢はさまざま変化をいたしました。さまざまな変化を遂げてきたにもかかわらず、政府は、これは時間的な制約等いろいろあるのかもしれませんが、全く同じ法律の延長ということでこの質疑を行っているわけです。私は、もう少しほかの問題についても考える必要があるのではないか。  麻生総理、この一年間振り返って、去年の十一月のこの委員会の議論から振り返って、この一年間、国際情勢の上で大きな変化、どんな変化をとらえておられますか。

【麻生内閣総理大臣】

テロとの関係で言わせていただければ、この特措法の関係で言わせていただければ、これはイラクというものにアメリカが増派した結果だとは思いますが、イラクは鎮静化してきた。そして、アフガニスタンの方はかなり激化した、深刻化した。これは、テロとの関係で言わせていただければ、大きな変化だったと思います。  他方、先ほど民主党の先生が言っておられましたように、少なくとも向こう側、向こう側というのはタリバン側の間で、双方の間で、長い間の戦闘状態が続いた結果もあろうと思いますが、かつてほどは、話す気がないと言ってきて、全く、もううちは話す気はありませんから、こういう態度だったのが、私が外務大臣をやめたせいかどうかは知りませんけれども、この一年の間、随分向こうの方も話が変わってきつつある。少なくとも、何となく、ネゴシエーション、交渉、そういった話をしようという機運は、かつてほど、拒否というものよりは変わってきたかなというのが二つ目。  三つ目、アメリカ大統領選挙はあと十八日で答えが出ますが、アフガニスタンに関しては、オバマ、マケイン双方ともテロとの闘いは継続、ここの点については言っている表現もほぼ同じように思っておりますので、その点は、アメリカの大統領がかわったからといって、アフガニスタンに関しては変わらないのではないか。  もう一点、余りみんな触れられませんけれども、僕は、ソマリア沖、イエメン等々、あの辺で起きております海賊の脅威というのは結構なものになっていると思います。北朝鮮の船が襲われてアメリカ海軍が助けたとか、日本の艦船が襲われたのをデンマークだかドイツの海軍が何とか、いろいろな話が出てきて、あの辺が今までとは随分違って、海賊というのは子供のときはよく聞いた言葉ですけれども余り聞かない言葉だったと思っていますが、このところ、海賊行為というのは新たな脅威になりつつあるのではないか。  そういったようなのは、目に見える、あの辺で起きている変化で感じられるところであります。

【長島委員】

総理がおっしゃった四つの変化、私もパネルを準備させていただきましたが、ほぼ同様であります。  そういう四つの変化が起こっている中でもなお補給活動だけを継続させてほしい、そういう今の日本政府の、申し上げるのは恐縮ですが、視野が狭いというか、非常に、最低限これだけはみたいな、私はもう少しほかの方法も考える必要があると思っています。  一番の問題は、イラクが鎮静化した、そしてアフガンに国際的な努力がシフトしてきている、これは全くおっしゃるとおりであります。  私が特に強調したいのは、アメリカの政権交代が間近に控えている、こういうことであります。  そもそもアフガニスタンがこれだけ泥沼化してしまった最初の原因は何かといったら、私の私見ですけれども、これは、ブッシュ政権がアフガンの安定化をある意味でほうり出して、そしてイラクに突き進んでいった。その結果、アフガニスタンの安定化がおくれた。そして、二正面作戦を強いられた。ヨーロッパが慌てて入っていったけれども後の祭りで、二年、三年、四年、五年、どんどんどんどん情勢は悪化してしまった。  その原因をつくったブッシュ大統領が退場するわけです。政権交代というのは、これは日本でもそうですけれども、政策転換の大きなチャンスだ、こういうふうに私は思っています。  特に、今勝ちそうな予測がありますけれども、私はここで予測するつもりはありませんが、オバマ候補ははっきり言っているんですね、イラクというのは対テロ戦争の主戦場ではない、アフガンの平定に全力を挙げる、彼はこのようにはっきり明言しております。  つまりは、先ほど公明党の佐藤委員もおっしゃっておられましたけれども、そろそろ日本もアフガニスタンの陸上における本格的な支援、協力というものを考える時期に来たんだと私は第一点思います。それをカバーしているのが、先ほど来説明をしていただいているように、私ども民主党の案だというふうに私は理解をしております。  きょうは時間が限られておりますので、アフガンの地上の支援については後回しにさせていただきまして、最後に総理がお触れになったシーレーンの安全確保、海賊脅威の拡大について少しお話をさせていただきたいと思います。  特に、ソマリア沖、そしてアデン湾の海域であります。先ほど新藤委員の方からことしのマップが示されましたけれども、推移をちょっと見ていただきたいと思いまして、ことしも含めて過去三年間の推移、これはテレビをごらんの皆さんもよくおわかりになると思いますが、如実に、この黄色の点が海賊行為の未遂、赤の点が既遂であります。既遂、未遂、この点が見事に、見事になんと言うと不謹慎ですけれども、このアデン湾周辺に集中をしてきております。  私が申し上げるまでもなく、アデン湾というのはスエズ運河によってヨーロッパとアジアを結んでいく海上交通の要衝であります。世界の石油の全輸送量の三割以上が通過をする、年間二万隻以上の商船が通航する、まさに大動脈と言っても過言ではありません。我が国商船の航行も年間約二千隻、これは私たち日本にとっても紛れもなく生命線と言っても過言ではない地域、水域だ、このように思います。  もしこのアデン湾が使用不能になった場合、当然のことながら、アフリカ大陸の南側、喜望峰をずっと迂回せざるを得ない。まさにバスコ・ダ・ガマの時代に逆戻りをするわけです。距離にして六千五百キロ、日数にして約一週間のロスだそうであります。燃料費に換算すれば、これは莫大なコストがかかる、こういうことであります。  したがいまして、輸入原油の九〇%を中東に依存している通商国家日本にとっては、この海賊の脅威の拡大というのは極めて深刻な事態でございます。  私はなぜこういうことをるる申し上げたかというと、本来、きょうここで私たちが議論しなきゃならないのは、こういう一年間に起こった新しい現実を踏まえて、もしかしたら新しい法律案も含めて議論をしていかなければいけない、我々はそういう立場だと思うんです。  これはぜひ民主党の法案提出者に伺いたいんですけれども、私の理解によれば、民主党の法案は、既に一年前に出した法案ではありますけれども、これらの起こっている事実を相当程度勘案した組み立てになっていると思うんですね。ちょっとそこの現状認識を伺いたいと思います。

【浅尾参議院議員】

 長島委員にお答えいたします。  民主党提案の二十八条に記載しているところでありますけれども、今御指摘がありました海賊行為、これは、先ほど午前中もお話をさせていただきましたけれども、現在の日本の法律でも取り締まれる部分がある程度ある。しかし、法律的に取り締まれる部分と海上保安庁の能力面でできる部分という区別があろうかと思います。能力を超える部分については、自衛隊にもし命じるとすれば海上警備行動の発令が前提となるということだと思いますが、その法的枠組みについて早急に検討していかなければいけないというふうに思っております。  なおかつ、インド洋上での給油ということは間接的な効果でしかない。海賊の取り締まりを行うということは直接的な行動でありますので、国際的な連帯ということであれば、現在の法律でもできることについて直接的な活動をしていくということの方がより国際社会に対してもアピールができるのではないかということで、法の二十八条の中にも規定をしております。  そして、法の中でカバーできない部分については早急に新たな法律をつくって、そして今の法律ではカバーできないものについては、例えば、午前中も申し上げましたが、他国船籍について、仮に海上警備活動があったとしても、我が国の自衛隊がそれを取り締まるということはできないというふうに理解をしておりますので、それについてできるような仕組みをつくっていくことも含めて検討すべきだということを二十八条に規定しているところであります。

【長島委員】

麻生総理、今の法案提出者の説明を聞かれたと思いますけれども、麻生総理は、この海賊の脅威が拡大をしているという今日的な情勢を踏まえて、この海域における我が国のあるべき役割、ミッション、果たすべき責任、この辺をどういうふうにお考えでございますか。

【麻生内閣総理大臣】

自民党の方が提案されているのかと思ったぐらいです、率直なところを言いますけれども。率直に、逃げないで答弁しろというお話だったので、率直にそう思いました。  この話は、前に私どもも検討したことがあります。多分民主党が反対するだろうと思って、あのときは取り下げたような記憶がありますが。一年ぐらい前、外務大臣だったとき、いや、やめていましたね、以後、この話をさせていただいて検討しようとしたことがあります。  したがって、おたくはまとまりますか、この案で出てきたとき。それは私どもが聞きたいぐらいです、私らの方も。  したがって、そういった意味で、この種の話は、これは本当に海上警備行動としては極めて有意義だと思います。事実、結構我々は、被害が余り出ていませんけれども、これまでも、世界最高、最強のタグボートは日本が持っているんですが、このタグボートが海賊に持っていかれたということをもう忘れておられる方も多いと思いますが、なくなった。これをだれが助けて、だれが取り返してきたんだ、みんな、ほとんどの方々はもう記憶のかなたなんだと思いますが、そういったことは起きているんですよ、現実。それを我々はすっかり忘れておりますけれども、こういうことができるような話というのは極めて建設的な話だと思います。  ただ、これは、先ほどどこかやじが飛んでいましたけれども、撃ち合いになる、銃撃戦になり得るというのは、海賊の方だって、今は難民じゃありません、武装難民と思わなきゃいかぬのと同じように海賊側は武装していますから、それに対しては対応するという覚悟はこっちは持っておかないと、なかなか簡単な話ではない。  ただ、軍艦に向かって襲ってくる海賊船というのは余り聞いたことがありませんから、襲うのは商船と大体相場は決まっておるのが実態だとは思っております。

【長島委員】

前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  民主党はまとまるのかという御心配をいただきましたけれども、これは私ども法案として出させていただいております。私どもの政調を通って、民主党の案として出させていただいておりますので、御心配には及びません。  今、大分総理が突っ込んでお話をいただきましたので、ちょっとステップ・バイ・ステップで分析を、これはもう本当に委員ひとしく、この委員会でこれからじっくりと議論していかなきゃいけないと思っていますが、まず現状です。  昨年の十月に、私ども日本のケミカルタンカー、これは名前をゴールデン・ノリという、こういうタンカーが乗っ取られました。ことしの四月には、日本郵船の大型タンカー「高山」というのが不審船から五回にわたって銃撃を受けました。被弾をいたしました。さらに八月には、イランの貨物船、それから日本の海運会社が管理するパナマ船籍のタンカー、さらにはドイツの企業が管理する貨物船の計三隻が海賊に相次いで乗っ取られた、こういう状況が起こっている。これに対して、いよいよヨーロッパがこの問題に本気で取り組む姿勢を示してきておられます。  二つの国連決議が出ました。六月二日と十月七日、国連決議一八一六そして一八三八。先ほど話が出ましたね、一八一六は、多国籍艦隊に対して、海賊制圧のため、ソマリア領海への進入と領海内での海賊行為を制圧するための必要なあらゆる手段を認める、こういう決議であります。これが六月二日に出た決議一八一六であります。  そして十月七日、決議一八三八、この決議は、大要は三つに分かれますけれども、海賊の襲撃がその間、より洗練されてきた、このことを強調している。そして、各国ともより積極的な関与をしてほしい、こういう呼びかけをしております。そして、期限を特定せず、かつ、公海上での活動をあわせて強く要求する、こういう形になっております。  と申しますのも、先ほど昔の海賊のイメージをちょっと総理おっしゃいましたけれども、海賊というのは、何だかぼろ船に乗って、何かサーベルでもちらつかせているような、そんなイメージがありますけれども、今の海賊はとてつもなく重火器を持っておりまして、ロケットランチャーとか小銃、こういうもので武装して、母船を持っていて、母船から小さい高速船、小さい船をおろして、それが公海上に出て襲うという、しかも警告なしでいきなり撃つという、まさに凶悪な性格を持った連中であります。  そこで、国連安全保障理事会は初めて、これは海賊に対しては初めての国連決議であります。しかも、これは海のPKOともいうべきものを創設してほしいというような内容を持ったものでもあるわけです。実は、我が国もこの二つの国連決議、共同提案国になっていますね。  中曽根外務大臣にお伺いしたいんですが、この安保理決議の共同提案国として、この決議の履行のために我が国が何か特別な行動を起こしたんでしょうか、お伺いしたいと思います。

【中曽根国務大臣】

先ほど委員がそのパネルでお示しくださいましたように、ソマリア沖におきましては海賊、武装強盗行為が頻発していることを受けまして、これもお話ありましたけれども、安保理決議第一八一六号及び決議第一八三八号が全会一致で採択されたわけでございます。  我が国といたしましても、自国の海上輸送への脅威となっておりますこの海賊問題への対策の重要性を深く認識しておりまして、これらの決議の共同提案国に加わりました。委員がお話しのとおりです。  これまでも、沿岸国の海上取り締まり能力の強化と人材育成等への協力を通じまして海賊対策に取り組んできたところでございますが、さらに政府は、海賊に対する取り締まりのための法制度上の枠組みについて今所要の検討を進めていきたいと思っております。  政府といたしましては、今回の安保理決議の採択を踏まえまして、引き続き海賊対策に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。

【長島委員】

これだけの被害が出て、そしてこれだけ日本の船舶関係者は困っておられる。まさに日本の大動脈が脅かされている。今、中曽根外務大臣がおっしゃった、沿岸国の能力強化あるいは法制の整備、それも重要でしょう。しかし、もっと我が国としてやるべきことがあるんじゃないでしょうか。  中曽根外務大臣に重ねてお伺いいたしますけれども、この決議を受けて、EUやNATOといったヨーロッパ諸国は、ソマリア沖、アデン湾において、この海賊の脅威に対してどのような行動を今とりつつあるか、御説明いただけますでしょうか。

【谷崎政府参考人】

お答え申し上げます。  ソマリア沖の海賊対策に関する御質問でございますけれども、まず、EUの取り組みでございますが、九月の十五日に理事会決定を行っております。この理事会決定の中で、既にこの地域において活動しているEU加盟国の数カ国が監視、護衛活動を行ってきておりますが、これらに対してEUは支援するということで、各国の活動の調整及びEUとしての海上軍事作戦の実施に向けた準備を開始するという決定を行っております。  具体的には、十月の十四日にソラナ代表は言っておりますが、十二月に海上軍事作戦を立ち上げるべく作戦計画の立案を行う旨、説明しております。  次に、NATOでございますけれども、NATOにつきましては、十月の上旬に国防相会合というところで決定を行っております。ここで、国連事務総長の要請にこたえるという形で、ソマリア向け支援物資の輸送のため、WFP契約船舶の護衛及び海賊行為抑止のため、ソマリア周辺海域の哨戒を実施すると決定したというふうに承知しております。     〔委員長退席、新藤委員長代理着席〕

【長島委員】

今るる御説明いただいたように、スペインとフランスが中心になって、ソマリア沖の船舶の護衛のための協調行動をもう既にとり始めております。ロシア、インド、マレーシアも艦艇を派遣する用意がある。韓国も派遣の予定がある、そういう情報もございます。  まさに、先ほど海のPKOと言ったらOPKだというやじが飛びましたけれども、オーシャン・ピース・キーピング、まさに海洋のシーレーンの安全確保のために、もちろんアフガニスタンのテロとの闘いも重要ですけれども、私どもの経済、まさにその生命線を握っているこの海域について各国が今続々と協力の腰を上げている、そういう状況であります。  浜田防衛大臣にお伺いしたいんですけれども、これら一連の国連決議を受けて、あるいはEUやNATO諸国の具体的な行動を受けて、先ほど海上警備行動の話もありましたけれども、我が国として何か具体的な行動に移す、そういう準備、可能性は考えておられますか。

【浜田国務大臣】

お答えいたします。  我々とすれば、現在、ソマリア沖の海域における海賊対策の部隊を派遣する等は検討はしておりませんが、しかしながら、我々は、総合海洋政策本部という関係閣僚から成る法制チームを設置しまして、海賊に対する取り締まりのための法制度上の枠組みについて検討を進めているところでありまして、この法制チームの検討結果を受けてまた考えていきたいというふうに思っているところでございます。

【長島委員】

今、取り締まりというお話をされました。取り締まりというのは司法警察の権限に入り込んでいくものですから、法制的にはなかなかこれは難しいんですよ。新しい法律が必要なんです。しかし、やれることはまだあるはずなんですね。  私は、去年のまさにこの委員会での質疑の中で、何で補給活動なんだ、なぜ日本は海上阻止活動の正面に立てないんだ、やれることがあるんじゃないかと。例えば警戒監視です。海上自衛隊には、P3Cという哨戒機が八十機以上もあるんですね。ある軍事専門家に言わせると、余っている。こういうアセットをこの地域に持っていけばかなり有用じゃないんでしょうか。例えばドイツは、もう既にジブチにある米軍の基地を拠点にP3Cの哨戒機の運用を始めました。  浜田防衛大臣、まさに我が国の生命線を握るこの海域が海賊の脅威にさらされている、そういう事態にあって、国防の責任者として、少なくともこういった活動は現行法のもとで私は十分できると思うんですが、いかがでしょうか。

【浜田国務大臣】

我々とすれば、あらゆる可能性を考えながら今まで対応してきたところもあるわけで、当然その警戒監視というものに対してもいろいろな形で検討の材料にはしてまいりましたけれども、今の現状からいえば、大変おしかりを受けるかもしれませんが、目の前にある法律をしっかりとやって、そしてインド洋の活動というものをやらせていただいて、その後にまたそういったことも可能性を考えていきたい。お考えはよくわかりますけれども、そういう状況であります。

【長島委員】

失礼ながら、国防を預かる、我が国の国民の生命財産を預かる大臣の御答弁として、私は甚だ不満であります。  先ほど私、わざわざ申し上げました、去年の十月に我が国の、日本関係船舶が乗っ取られ、あるいは「高山」という大型タンカーが被弾し、そしてさらに拉致をされている。日本の海運会社が管理するパナマ船籍の、これもタンカーですね、乗組員が拉致をされている。こういう状況があるにもかかわらず、これから法律をつくって頑張りますみたいな話ですよね。総理、こんな悠長なことで本当にいいんですか。  もう一度総理の御認識をお伺いしたいんですけれども、シーレーンの安全確保というのは、日本経済にとって死活的に重要なことですね。同時に、国民の生命と財産に直結する、まさにバイタルインタレスト、死活的な国益ですね。日本国政府として実効的な対策を打ち出さなければならない、そういう時期に、先ほど見ていただきました、これだけ多くの海賊事案があって、我が国の関係者も皆その犠牲になっている、そういう状況を見て、総理、どうお考えでしょうか。

【麻生内閣総理大臣】

先ほど私の知っている知識の範囲で申し上げましたけれども、このソマリア沖、いわゆるインド洋の西側のところなんですが、ここにおいて海賊行為が頻発しておるというのは、このところずっと顕著だと思っております。これは日本だけがそういう被害に遭っているのではなくて、他国も同様ということになっております。  したがいまして、日本として、政府として収集いたしました情報などなどを集めて、安全確保に関する調整を既に実施しているところではあるんですが、その地域においては、いわゆるレーダーが不足しておるとか電気がないとかいろいろあるんですね、御存じのとおりに。  そういったことで、これまで人材育成などなど、いろいろ協力は行ってきているんですが、さらにこれは頻発しておりゃせぬかなという感じが、去年からことしにかけてそんな意識がありましたので、これは法制上どういった問題があるのかというのを含めまして検討させていただければと思っております。  今、民主党の方もこの種のことに御理解があるということに関しましては、我々としては大変心強いところでもありまして、ぜひこの問題につきましてきちんとした、日本の国益に沿っておる話でもあろうと思っております。

【長島委員】

私は、行け行けゴーゴーの話をしようと思っているわけじゃないんです。本当に深刻な問題だというのが一つ。それから、ヨーロッパはもう既に行動を起こしておりますので、いつまで我々が具体的な、実効的な手だてを講じないままでいられるかというのを非常に心配しているんです。つまり、ただ乗り、君たちはただ乗りしているんじゃないか、こういう話になりはしないかということが非常に気がかりなものですから、少しお話をさせていただいたんです。  ちょっと基本的な問題を整理させていただきたいと思います。  海上の秩序維持というのは一義的には海上保安庁の管轄ですね。しかし、海上保安庁だけでは対処が不可能あるいは著しく困難な場合には、海上警備行動を発令して海上自衛隊が任に当たる、一応こういう日本の法の組み立てになっています。  きょうは海上保安庁長官もお見えだと思いますが、このソマリア沖、アデン湾の海賊脅威の拡大に対して、海上保安庁として、海上輸送の安全を確保するために何ができると考えておられますか。

【岩崎政府参考人】

ソマリア沖の海賊でございますけれども、まず、海上保安庁の巡視船を派遣するということがどうかという検討をしております。検討しておるところでございますけれども、やはり日本から相当遠距離にあること、それから、先生も御指摘のとおり、海賊が所持する武器はロケットランチャー等の重火器を持っていること、それから、有志連合軍の軍艦等が現に今海賊に、事件の対応を行っているというようなことを総合的に勘案しますと、海上保安庁の私どもの現状の船艇勢力あるいは能力では巡視船を派遣することは大変難しい問題だ、このように思っております。

【長島委員】

今、海上保安庁ではこれはなかなか難しいという御答弁だというふうに思いますが、また防衛大臣に返ってまいりまして、海上警備行動の発令を仮に考えた場合、基本的にはEEZとか日本周辺海域を念頭に置いているんだろうというふうに思うんですが、海上警備行動に地理的な制約はあるんでしょうか。

【浜田国務大臣】

海上警備行動にかかわる地理的範囲につきましては、その任務を達成するために必要な限度において公海に及ぶというふうに考えます。

【長島委員】

海上警備の必要の限度において公海に及ぶと。  それでは、ソマリア沖、アデン湾のように日本関係の船舶が実際に海賊に襲われている事例が頻発をしている場合、当該海域を危険な海域と認定し、海上警備行動を発令することは可能でしょうか。

【浜田国務大臣】

法解釈として、海上警備行動の地理的範囲は、任務を達成するために必要な限度、公海に及ぶものでありますので、ソマリア沖の海域が必ずしも排除されているものではないと考えます。

【長島委員】

だんだんわかりやすくなってきたというふうに思います。  さっきドンパチがあるという話がちょっとありましたけれども、最大のポイントは、海賊襲撃の抑止なんですね。つまり、さっき私がちょっと言いました司法警察、取り締まりとか、捕まえてしょっぴいて刑に服させるとか、こういう話はもちろん最終的には重要な話なんですけれども、私たちが今緊急にやらなきゃならないことは、タンカーなり商船なりが海賊に襲撃されないようにエスコートすることなんです。その抑止をすることなんです。  ですから、私は今、浜田防衛大臣がおっしゃったように、海上警備行動を発令し、海上自衛隊の護衛艦によってエスコートをする、このことによって相当程度抑止効果を発揮するものというふうに考えています。それは根拠のないことじゃないんです。実は、タンカー「高山」が襲撃されたときに、近くにドイツのフリゲート艦がいた。そのフリゲート艦がわあっと来ただけで海賊は驚いて逃げているんですね。さっき、軍艦に撃ってくることはないというふうに総理はおっしゃいましたけれども。  あるいは、これは外務省に事実関係を伺いたいんですが、ソマリアに人道支援のための物資を運んでいる、これはワールド・フード・プログラム、世界食糧機構というんでしょうか、そこの艦船をオランダやカナダの海軍がエスコートするようになったんです。そのことによってどういう効果があったか。私の知っている情報では、昨年の十一月、エスコートが始まって以来、ソマリアに物資を運んでいるWFPの船は襲撃を受けていないという事実があると伺っておりますが、いかがでしょうか。

【杉山政府参考人】

ただいま御指摘のとおり、私どもが承知しているところで、昨年十一月以降、フランス、デンマーク、オランダが順番に、このWFP、国連世界食糧計画の船舶の洋上護衛を行っている、そして本年八月からはカナダがこの洋上護衛を担当している。去る九月二十五日にWFP、世界食糧計画が発表したプレスリリース、対外的な新聞発表の文書によれば、この間、WFPの船舶に対する襲撃事件は起こっていない、WFPとしてはこのようないわゆるエスコートに対して大変感謝しているということが発表されていると承知しております。

【長島委員】

そういうことなんですね。ですから、自衛隊の艦艇によるエスコートというのはかなり効果があるというふうに私は思います。これは、武力行使を目的とした派遣ではないですね。行って一緒に随伴するだけで海賊に対する抑止効果がある、こういうことでありますから、私は、実は現行法上の範囲内でもすぐにでもやれる行為ではないかというふうに思うんです。  総理、もう時間がないので、総理の御決意を伺いたいんです。  国連決議もある。国連決議がありますと私ども民主党では大体大丈夫なんです。国連決議もある、それからヨーロッパ諸国も本気で取り組んでいる。いつまでもただ乗りのそしりを受けるわけにはいきませんね。  それからいきますと、その話、油の供給。これは皆さんのお手元にもお配りしたポンチ絵がありますのでぜひ見ていただきたいんですが、今、とにかく、このソマリア沖、アデン湾、海上ルートの大動脈、これが危険にさらされている。そして、日本関係の船舶の安全の確保が火急の課題である。皆さんが先ほどからやじの中でおっしゃっている燃料の無償提供は、皆さん向かって右側の丸であります。これは、間接的な協力ですね、貢献ということになるわけです。それから、皆さん向かって左側、先ほど中曽根外務大臣からお話がありました沿岸国の能力強化。そして、私が今るる申し上げていたのは、ど真ん中の下ですね、直接、自衛隊の艦隊によるエスコート。  私は昨年、海洋基本法を超党派でつくらせていただきました。たしか、総合海洋政策本部の本部長は麻生総理大臣だというふうに認識をしております。  総理、ここまで議論を聞いておられて、そして、最後に一つ紹介をさせていただきたいのは、社団法人日本船主協会の会長が国土交通大臣あてに出した要望書であります。「アデン湾における海賊事件への対応の強化について」、これは私持っておりますので、ぜひ。  ここにこう書かれています。「二〇〇八年一月から九月の間だけでも七十九隻の船舶がこの海域で被害に遭っております。」「海賊が船舶を乗っ取り、乗組員を人質として身代金を要求するという事件が二十二件も含まれており、日本の企業が関係する船は七隻が襲撃されており、うち二隻の船舶が乗っ取られ、乗組員が拉致されました。」一番最後、「日本関係船の安全確保のため、国際条約を踏まえたわが国法制度の整備や関係各国との連携を含め、海賊行為を防止するより効果的かつ具体的な対策を図っていただきたく、何卒お願い申し上げます。」三枚目、見ていただきたいんですが、「有志連合軍等の活動強化について国連を通じて働きかけ、日本としてもこれに貢献すること」、このように日本船主協会からも要望が出ております。  ぜひこのことを踏まえて総理には御決断をいただきたいんですが、最後に一言お願いいたします。     〔新藤委員長代理退席、委員長着席〕

【麻生内閣総理大臣】

長島先生御記憶だと思いますけれども、昨年の八月に幹事長になって、すぐ首になりましたけれども、あれで一回、ことしの九月になりましたときにもう一回、この種の話はぜひ与野党間で政党間協議をということをずっと申し上げてきておりましたので、こういった御提案をいただけるというのは私は物すごくいいことだと正直思っております。検討させていただきます。  もう一点。ただ、御存じかと思いますが、船主協会の方はこの補給には賛成しておるという事実も、給油法に関しては賛成しておるということもちょっと忘れないでいただきたいので、これは両方とも大事なところなので、これも将来関係してきますので、ぜひ検討させていただければと思っています。  ありがとうございました。

【長島委員】

引き続き本質的な議論を続けていきたいと思います。  ありがとうございました。