長島昭久

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 新型コロナ禍はついに3年目を迎え、多くの尊い命が失われると共に、私たちの生活を直撃しました。加えて、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵略は、戦後の国際秩序を根底から覆し、ロシアに対する経済制裁と相まって世界経済に深刻な打撃を与えています。

 この第二次世界大戦以来の動乱は、ロシアと同じような権威主義的な統治により尖閣の領有や台湾の併合を公言する中国や、核やミサイルを誇示する北朝鮮を刺激することにより、我が国に戦後最大の地政学的な脅威を突き付けることになるでしょう。

ウクライナ戦争の教訓とは何か

 ウクライナ戦争は、第一に「力による一方的な現状変更」が実際に起こり得ること、第二に抑止力を持たなければ、侵略者を止めることができないこと、第三に何よりも自助努力が重要であり、それなしに同盟協力も国際社会の支援も受けられないこと、など我が国にとり多くの教訓を示しています。

 ロシアの侵略以前から「台湾有事」勃発のリスクが高まっていることが懸念されており、戦後の安全保障政策を抜本的に改める必要性を国民の多くが感じ始めています。政府与党では、年末までに『国家安全保障戦略』と『防衛計画の大綱』や『中期防衛力整備計画』を改定するための議論をすでに始めています。

我が国の安全保障で決定的に足りないのは何か?

 私は、党内議論を通じて、現状の防衛力(抑止力と対処力)で決定的に不足している次の3つの点について繰り返し強調してきました。それは、昨夏に行われ(NHKでもたびたび放映され)私も参加した「台湾有事シミュレーション」によって浮き彫りにされた不都合な真実でもあります。

 第一に、サイバー防御態勢が致命的に貧弱であること。すなわち、単に自分たちのネット環境を守るだけではなく、潜在的な攻撃国のサーバーを常時監視する「積極サイバー防護」(ACD)を可能にする法整備が急務です。第二に、我が国を射程に収める2000発を超える弾道・巡航ミサイルに対して、有効な反撃力(抑止力)を持たないこと。日米のミサイル防衛態勢は、中露はもとよりすでに北朝鮮のミサイル攻撃にも太刀打ちできないのが実態です。反撃力の整備なくして、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことはできません。

経済や資源エネルギー、食糧安全保障の確立を急げ!

 第三は、中露が仕掛けてくる「ハイブリッド戦」に対応するための態勢がきわめて脆弱です。陸海空という伝統的な戦域に加えて、宇宙、サイバー、電磁波という新たな領域における防衛態勢を確立するには、省庁横断の政府全体の取り組み、官民の連携、軍事・非軍事手段の融合などが不可欠です。安全保障には、軍事だけでなく、金融や経済(サプライチェーン)、資源エネルギー、食糧、社会インフラの強靭性を確立することも求められます。防衛費がGDP比で何%になるかというのは目標ではなく、我が国を守るために必要な経費を積み上げた結果に過ぎません。

 私は、政治を志した約30年前から、日本で憲法学を修め、本場の米国では国際関係や安全保障を学び、外交シンクタンクで政策立案を経験し、帰国後は、与野党の立場を通じて一貫して外交・安全保障政策に取り組んで来ました。まさしく、この時のために準備に準備を重ねて来たと自負しており、党内外の議論を積極的にリードしていく所存です。

将来世代への責任を果たす

 私が安全保障と同じくらいエネルギーを投入しているもう一つの政策分野は、子どもたちの未来保障です。とくに、コロナ禍で追い詰められた困窮する子育て家庭、とりわけ、ひとり親家庭に対する支援に全力を傾けてきました。とくに、昨秋の衆院選直後から、児童の養護と子どもの未来を考える議員連盟の会長として、「児童虐待ゼロ」をめざし児童家庭福祉の現場を抜本的に立て直すための児童福祉法改正案の取りまとめに奔走しました。

 また、「こども家庭庁」の創設や「こども基本法」案の策定、「こども宅食」制度の創設に深くコミットし、超党派の仲間たちと共に、子どもの育ちや学びに暗い影を落とす①虐待、②貧困、③いじめ、④不登校などの抜本解決に政治生命を賭けて取り組んできました。

「未来に誇れる日本」へ、緊縮財政と戦います!

 国の主権や領土を守る安全保障、子どもの未来を守る未来保障のためには、たとえ国債を発行してでも必要な財源を確保する必要があります。国民生活であれ安全保障であれ、必要不可欠な財源は政府の責任で確保するとの信念に基づき、緊縮財政路線とは明確な一線を画してまいります。

すべては、将来世代のために。

EMPOWER JAPAN! 2022

4月25日に、昼食セミナー「Empower Japan! 2022」を開催させていただきました。

菅義偉前総理に基調講演を行っていただき、安倍元総理や高市政調会長はじめ、多くの党幹部、閣僚の皆さまに激励の言葉を賜りました。

地元からも大勢お越しいただき、会場一杯埋め尽くして下さった皆さまに改めて感謝申し上げます。

 ウクライナ戦争が終わりません。むしろ、日に日に状況が悪化しています。首都キーウ攻略に失敗し撤退したロシア軍の跡に残された侵略の爪痕―無残にも、おびただしい数の無辜の人々の遺体が路上に放置された映像―に、世界が戦慄しました。

 すでに、総人口の1割を超える400万人ものウクライナの人々が、家を壊され、肉親を失い、国を追われて、近隣諸国への避難を余儀なくされています。我が国もその避難民を400名以上受け入れていますが、これも前例のない措置です。さらに、大規模な経済制裁により、エネルギーや穀物価格が高騰し、私たちの生活を直撃しています。

 私たちは、何としてもこの戦争を一日も早く終わらせるべく全力を尽くすとともに、ウクライナ戦争から得た教訓に基づき、現実的な安全保障、経済、資源エネルギー政策を遂行していかねばなりません。

 教訓の第一は、他国による侵略を許さない確固たる国防努力を怠らないということです。ウクライナ戦争はロシアの弱体化をもたらすことになると考えますが、我が国周辺には、依然として北朝鮮の核とミサイル脅威、強大な軍事力を背景に強硬な対外姿勢を誇示する中国が厳然と存在し、これらに対する適時的確な対応が求められます。とくに、日本全土を射程に収める1900発の地上発射型中距離弾道ミサイル、300発の中距離巡航ミサイル(一部は核弾頭搭載)に対抗しうる同様の中距離ミサイル戦力は、日米にはありません。つまり、有効な反撃手段を持たないということです。反撃できないというのでは、抑止力にはなりません。

 じつは、これは我が国防衛をめぐる課題のほんの氷山の一角なのです。従来型の陸海空のアセットはもとより、サイバー、宇宙、電磁波といった新領域における我が国の対処能力は不十分ですし、燃料や弾薬の備蓄、基地や施設の抗堪性にも様々な課題を抱えています。今回のウクライナ戦争によって文字通り覚醒したドイツ(しかも、左派の社民党と緑の党の連立政権!)が、国防予算をGDP比で1.4から2%に引き上げ、抜本的な国防改革に着手したように、我が国も5年程度で防衛予算をGDP比2%水準まで引き上げて、上述のような積年の課題を克服しなければなりません。

 第二の教訓として、「力による現状変更」を行う可能性のある国への、過度な依存を見直さねばならないと考えます。代表的なのが天然ガスですが、経済産業省は、石油・液化天然ガス、半導体製造に必要なネオンなどの希少なガス、排ガス浄化に使われるパラジウムなど、ロシアやウクライナへの依存度が高く対策が必要な戦略物資が7品目あると公表しています。

 これが中国となるとさらに深刻です。最新の内閣府報告書『世界経済の潮流』によれば、我が国が中国からのシェアが5割以上を占める「集中的供給財」はじつに1000品目を超え、中国からの全輸入品目の23%に上ると算出。これらの物資の供給が滞った場合のリスクは、米独と比較しても莫大なものとなると警鐘を鳴らしています。

 課題解決のためには、サプライチェーンの再編が急務です。具体的には、別の調達先を探したり、使用量を節減する技術開発を推進していくことになりますが、いずれにしても政府が本腰を入れて支援していかねばなりません。

 そのためには、思い切った財政政策が必要です。いうまでもなく、防衛費の増額にもサプライチェーンの再編にも、相応の予算措置が必要となります。しかし、1220兆円もの巨額の財政赤字を抱える日本のどこにそんなカネがあるのか、という懸念の声には根強いものがあります。

 心配はご無用です。我が国財政は、米英独仏と比べても極めて健全なのです。下の図は、IMF(国際通貨基金)が作成した中央政府・地方政府・中央銀行等、政府関係機関を合わせた国全体のバランスシートの国際比較です。

 この図を見れば一目瞭然。我が国は確かに負債は多いものの資産も多く、ほぼ均衡しており、G7の中でもカナダに次いで財政状況が良いことがわかります。「ではあの膨大な国債はどうなってるのだ?」と首をひねる向きもあると思いますが、経済学の標準的な考え方によれば、中央銀行は、政府のいわば子会社として一体として捉えますから、日銀が保有している日本国債は、政府(親会社)が日銀(子会社)から借金しているのと同様、実質的には負債ではありません。

 したがって、我が国にはまだまだ積極的な財政支出を行う余力は十分にあります。先に述べた防衛費の増額やサプライチェーン再編のための政府支援、さらには、対露経済制裁によるエネルギーや穀物価格の高騰により打撃を受ける家計を支えるためにも、更なる補正予算の編成に向けて、思い切った財政政策を展開すべきです。私も、政府与党の一員として、国民の命と平和な暮らし、そして安定した経済運営のために全力を尽くしてまいります

【【Q&A】ウクライナ情勢について質問にお答えしました

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