そんな時、高校からの友人である伊藤達也くん(現衆議院議員)から連絡があり、国政選挙に出るから、長島も一緒に出ないかと誘われました。文字通り、一晩かけて口説かれます。
もちろん、私は、政治家になりたい。その為にたくさん勉強したし、秘書としても必死に働いてきました。経験も積みました。でも、だからこそ痛感してしまった現実。今の自分が政治家になれたとして、本当に、自分が志した政治家になれるのだろうか? 国際政治をリードできる、リーダーになれるのだろうか……?
政治家になるのは、手段であって、目的ではないはず。この時、心身ともに準備万端な「達ちゃん」とは違い、私には、今すぐ選挙に打って出るというところまでは、機が熟しているように、どうしても思えませんでした。有難い誘いでしたが、まさに断腸の思いで断ります。
この出来事が、決定的でした。達ちゃんのせっかくの誘いに応えられなかった自分の不甲斐なさ、そして、いろいろな機会を与えてくれた石原代議士には心から感謝しているものの、このまま石原秘書として政治に埋没してもいいものかという危機感が、急速に膨らんできました。
悩みに悩みましたが、例えどんな遠回りになろうとも、私は、私が志した政治家、それも単なる政治家じゃない、「国際政治をリードできる政治家」になりたい。本当に、日本を変えられる政治家になりたい。その為に、ゼロからやり直そう! そう決意しました。
そこで、以前から憧れはしていたものの、半ば諦めかけていたアメリカ留学に打って出ることにしました。平成5年(1993年)、31歳からの武者修行です!